【誓いの友】
デヴィッド・O・ラッセル監督・脚本×クリスチャン・ベール主演×マーゴット・ロビー×ジョン・デヴィッド・ワシントン共演の2023年の作品
〈あらすじ〉
戦地で友情を誓った医師バートと弁護士のハロルドのもとに、ふたりが知り合うきっかけを作った将軍の検死依頼が持ち込まれる。その死には不可解な点があり、さらに依頼主の将軍の娘が何者かに殺された。ふたりは事件の濡れ衣を着せられ、真相解明に乗り出す…。
〈所感〉
クリスチャン・ベール、マーゴット・ロビー、ジョン・デヴィッド・ワシントン、アニャ・テイラー=ジョイ、テイラー・スウィフト、ロバート・デ・ニーロ、(アカデミー賞授賞式ででウィル・スミスにビンタされたクリス・ロック)などが出演していて、他の方がおっしゃるようにキャストが非常に豪華なのだが、それ以上のものはおよそ見当たらない凡な作品に感じた。ジョン・デヴィッド・ワシントンは『テネット』で有名だが、やはりお父さんはデンゼル・ワシントンだったのか。終始シリアスとファニーの間を漂う感じで突き抜けたものが無いような。良く言えばバランス型。男女3人のアムステルダムでの思い出が綴られる序盤はとても素敵な友情物語に見えたのだが、後半パートの国家の陰謀に巻き込まれていく暗鬱な展開は絵的に地味なので少し食傷気味になる。「愛とは誰かを選ぶことであり、必要とすることじゃない」という言葉は収穫だった。選ぶという行為には強い意志と責任が要求される。しかし、それが恵まれない環境で生きた3人の誓いの友には何よりも大事なことだったのかもしれない。