アメリカ同時多発テロ事件に関与
したとして拘束されたモバメドゥ
ウルドスラヒの物語。
人権派弁護士ナンシーホランダー
は裁判も開かれないまま首謀者の
1人として、
長期間拘束されていることを知り、
収容先のキューバに向かい、彼を
弁護することを決意する。
弁護のため、スラヒに手記を書く
よう依頼する一方、政府には供述
調書の開示を要求するが、
ようやく開示された調書は黒塗り
だらけで、ほとんど意味をなして
いないものであった。
実話を題材にした物語だけあって
非常に重厚感のある内容で、心に
ずっしりくるものがありました。
裁判が開始するまでに8年かかり、
収容先から釈放されるまで、更に
7年を要したということ。
拘留中に看守たちに受けたという
拷問を未だにアメリカ政府や軍の
関係者は認めていないということ。
客観的な事実を基に、それぞれが
想像し考えてみるだけでも、世界
が変わるように感じます。
スラヒ役のタハールラヒムさんの
演技は素晴らしく、それだけでも
十分に観賞する価値がありました。