shiori

戦場のメリークリスマス 4K 修復版のshioriのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

3回目の鑑賞、初めて映画館で見れて本当に嬉しかった!

ジェンダー論の話とかではなくて、個人的には"フィジカルで戦うことで何かを守る"っていうことに男性性を感じやすくて、
それは昔から、動物は子供を身籠るとなかなか身動きが取れなくて、その母子を守るためにオスが戦う役割を担ってきた、みたいな生物学的なことも関係していて、そう思うのかなあとか。(タツノオトシゴを除く)

というのもあって、"戦争"という概念は男性性が強いなと思っていて、そして作中に一切女性は出てこないことだったり、物語のスタートにある事件、ヨノイ大尉とセリアズの関係もあって、"戦争と男性"について考えたりした。

戦争という異様な状況では色んなものが歪になっていって、舌を噛み切って亡くなったオランダ人の彼もヨノイ大尉も、"相手"に対する感情は恋情というより、戦争という状況の中だからこその、単純には言語化できない感情だったんじゃないかなと思った。
だからこそ"セリアズは種をまいた"という表現を見て、涙腺ぐらぐらだった。あのキスシーンは、今まで見た映画史上1番の衝撃だった。

集団心理とか規律とか宗教とか、極限状態における人の優しさとか怖さとか、そしてやっぱり音楽も、一本の重みがもうとんでもない。また見たい!
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