au revoir
「燃ゆる女の肖像」のセリーヌ・シアマ監督が描く少女たちの出会い。ほぼ全てのシーンが絵画のような美しさで、セリフに頼ることなくコンテクストや心情を伝えてくる。
両親と共に祖母の家に遺品整理に訪れた女の子ネリーが、裏の森で秘密の小屋を作ってる少女と出会う。何故か出ていってしまった母に戸惑いつつ森の友達との時を過ごすネリー。
少女たちを演じたのはジョセフィーヌ・サンス、ガブリエル・サンスの双子姉妹。2人とも8歳とは思えない利発さで、ママごと不倫劇のレベル高すぎ。さすがおフランス。
杖、車での母娘、秘密の小屋、黒豹、手術、髭剃り、女優、誕生日、おなじ寝相
さり気ない伏線が効果的に物語を繋ぐ。
“みんながそれぞれ何か考えてる感じ”
ロケ地は監督の故郷とのこと。劇中で唯一BGMが使われていた湖のピラミッドのシーンの高揚感もシアマ監督らしい演出。
“私が悲しいのはわたしのせい”
母と祖母を違う視点から観れたことで、悩みや役割や絆を客観視できたのだろう。それが大人への一歩なのは間違いない。
さよならのシーンの余韻もよし。
日本のアニメ作品「おおかみこどもの雨と雪」に影響を受けたと発言しているらしいですね。確かに描写の美しさや説明の少なさなど共通点を感じました。
前作でも1/2曲がオリジナル曲だったが、今回のエンドロールの曲もJean-Baptiste de Laubierによるオリジナル曲で、La Musique du Futur(≒未来の曲)。監督自身の作詞でした。前回同様にプロデュースに関わったのであろうPara One名義ですね。
https://open.spotify.com/album/55lrt6KjlAICY5vU9ExyvK?si=nIdLIualRKSkr5tpNxOOPg
暖かい”さよなら”だったね。
静謐な愛に溢れた映画が好きなら是非。