とびら

ボーはおそれているのとびらのレビュー・感想・評価

ボーはおそれている(2023年製作の映画)
4.3
面白いというか…インパクトのあるというか…疲れるというか…なんだこれ(笑) うまく言えないけど、とにかく印象に残る映画で良かったです ヘレディタリーやミッドサマーも面白かったけど、個人的には本作の方が好きです(ちなみに本作はホラーではなく、サイケデリックな旅路?です)

主人公のボーが幻覚を見るのが映画の主軸なのですが、現実と幻覚の境目というのが存在しません 幻覚パートに入ったら世界がぐにゃぐにゃになって…とかよくある表現はなく、ひとつひとつは現実でありえるけど、それらが組み合わさってありえない状況になっている、という感じです だから見ていて非常に疲れますね どこからが現実なのか幻覚なのか明確に答えがない分観客側に委ねてきますので

ただ、その映像自体は疲れるけど面白いです 絵的に映えるシーンも多く、定期的に面白いことも巻き起こってくれます ボーからしたら怖い幻覚になるのだけれど、観客目線で見るとシュールで笑ってしまうような塩梅 この映画はこの映像を楽しめるかどうかが大きいそうかな?個人的にはヘレディタリーやミッドサマーの映像的な部分も好きだったので、本作も楽しめました

で、こんな幻覚が続くのに、話としては「母親との関係」とはっきりしています 幻覚のように支離滅裂な話…というわけではないです むしろここがはっきりしているからこそ、幻覚を見て「ボーはどんな人物なのか?過去に何があったのか?母親はどんな人物なのか?」を想像できるようになっています 

まとめるとこの映画は、色々と巻き起こる幻覚自体を楽しみつつも、そこから自分なりに考察していくのが楽しい映画なんだと思います(まあその考察もどこまで本当なのか分かりませんが…) 長くて疲れる映画ではあるのですが、間違いなく印象に残る映画であり、そういう意味ではいい映画だったかなと思います
とびら

とびら