Katochi

ボーはおそれているのKatochiのレビュー・感想・評価

ボーはおそれている(2023年製作の映画)
3.5
アリ・アスターが描く悪夢のような作品にホアキン・フェニックスが主演すると知った時、いったい何が生み出されるのだろうと期待と不安しかなかった事を覚えている。

劇場公開時はタイミング悪く観ることができなかったが配信で鑑賞。

感想はズバリ期待と不安そのものだった。

冒頭から不穏な出来事が続き、ボーの行末が気になって画面から目が離せなくなり、同時に何者かの作為的な匂いもしっかりと感じるところは流石に上手いなとアリ・アスターの手腕が冴える。

しかし…あの落とし所はどうなんだろう???

ブラックコメディと言ってしまえば笑えるのかもしれないが、ボーの立場で作品を追っている観客の目線としては笑えないジョークとでも言うべきか。

それがアリ・アスター作品と言ってしまえばそれはそれで正しいのだろう。

全編を通してホアキンの演技は素晴らしく、それぞれのシークエンスも興味深く飽きさせない(少なくとも自分は)ものがあり、トラウマを視覚化、映像化することには成功していると思う。

賛否分かれる合う合わないが確実にある作品とは思うが是非その目で確かめていただきたい。
Katochi

Katochi