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ボーはおそれているのBOBのレビュー・感想・評価

ボーはおそれている(2023年製作の映画)
3.7
ホアキン・フェニックスが主演を務めた、アリ・アスター監督の長編第3作。

"Hail Satan, Shoot Dope, Kill children, Fuck the Pope."

🤯!!!3時間の長尺作品かつ前作『ミッドサマー』があまりハマらなかったので、後回しにしてきたが期待以上に楽しめた。

賛否両論ある作品のようだが、自分としては迷う事なく"賛"の立場。『ヘレディタリー』には及ばないものの、『ミッドサマー』よりは断然面白かった。シュールで独創的な悪夢的世界観や、予測不可能なストーリー展開、ホアキンフェニックスの熱演に魅せられた。地獄のジェットコースターに半強制的に乗せられているかのような無力感と絶望感を体感せよ。



(以下ネタバレを含む)

心疾患を抱える純粋無垢な独身中年ユダヤ人男性ボーが、倫理観が崩壊した無秩序な世界で、不可解な出来事に襲われ続ける悪夢的不条理スリラーコメディ、、、ではあるのだが、物語の根幹にあったのは親子の共依存をテーマとする戦慄の親子愛憎劇。ボーが恐れていたのは、母親の支配だった。

"喜劇と悲劇は紙一重"とはまさにこのことかと。アリ・アスター版『アフター・アワーズ』のつもりで観ていたら、ユダヤ人版『EEAO』に行き着いた。

作品の肝は、野外演劇シークエンスにあったかと。ボーの見る悪夢の原因は、幼少期に母親から受けた性的虐待にあるのでは?謎が多すぎて、考察が尽きない。

印象的なシーン。風呂の天井を見上げるとおっさん、青いペンキのガブ飲み、"Always be my baby"♪からの腹上死、屋根裏にチ〇コの怪物、壮大なる水上裁判。

"I'm not asking you to leave, I'm asking you to fucking drink this fucking paint with me!"

"I really thought I was gonna die, my whole life."

490
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