男性不信に陥っている新人看護士(吉岡まり子)が、自宅隣室で勤務先の医師が不倫していることを知らされる。閉塞した女性の性的開放を描いている、新東宝配給のピンク映画。別題「白衣 制服のうづき」。
ピンクの助監督からVシネマを経由した女池充が、監督デビューを果たしている作品。短いカット割りで勢いを付けたり、斜め視点の映像で恐怖を煽ったり、エンドクレジットで演者たちを踊らせたり、若い監督がやりそうな演出が盛りだくさんとなっている。
物語内容は、いわゆる「心と体の乖離状態」を描いていく形式。ヒロインは病室で知り合った青年に心惹かれるのだが、医師のほうに体を預けてしまう。終始ダウナーなメランコリック劇場に徹しており、ヒロインの一人称語りで人間心理が補完されていく。
ヒロインが看護士なのに、白衣を着た状態での濡れ場は登場しない。しかも、濡れ場自体があまりにも簡素なため、女優陣の裸体をじっくりと拝み倒すこともできない。いわば、監督の特異な作家性を見いだしながら鑑賞するタイプの作品。