大統領とその周辺の政府の最高幹部たちが凄まじい重圧の中で、更に追い込まれ、しかし、その中で最善に向って知恵を絞り、最後には少ない可能性に賭ける。そのような姿が描かれている。オドネルがもう会えなくなるかも知れない息子のフットボールの試合を見に行くシーンはグッとくるものがあった。実はソ連でもアメリカと同じようなことが起こっていたのではないかという件があるが、これはとても示唆に富んだ解釈だと思った。危機を回避できた日の朝、食卓で家族に囲まれて陽の光を見ながら呆然となっているオドネルは、もう来ないかも知れないと思っていたこの日が訪れたことに対する深い感慨に包まれていた。