妻の感想『寅さんの冒頭の夢のシーンをずっとやってるみたい』
世の中にはもう「ウェス・フィルター」といったアプリがあるらしいですね。撮った動画をウェス作品のようなポップでオシャレな映像に変換できてしまうという。
ウェス監督作が、カラフルでオシャレでシンメトリーな映像で、コアなファンも沢山いるのは知っていました。ただ、なぜか自分自身のアンテナには引っかからず、今まで観たのは「ファンタスティック Mr.FOX」のみ。が、今回は、WOWOWでの映画紹介で面白そうと思った(面白そうに見えたのは、一部分でしかなかった)ので鑑賞となりました。
なので、偉そうに語る資格ない前提で書いてみます。
いやぁ、この映画。何を言いたいのか。そのためにはどこを見てればいいのか・・・・。わからない!
自分としては「アステロイド・シティ」という“映画”を観にいったつもりだったですが、冒頭いきなり白黒のテレビ番組が始まって、これは「アステロイド・シティ」という作品を作った作者についての舞台劇ですみたいな話がしつこくあって、で、肝心の「アステロイド・シティ」は舞台でもテレビでもなく唐突にぶつ切りの“映画”として始まって・・・。なんか理解が追い付かない。
途中、テレビ番組のさらに舞台裏みたいなところまで出てきて、え、我々は何を見せられているんだっけ?感がはんぱないです。テレビ? 舞台? 舞台裏? 映画? そのメタ構造を超えるシーンをやりたかったの?(WOWOWではポップでオシャレな場面しか出なかったんですけど~)
“映画”の部分においては、オシャレなかきわりセットの世界が続くので、おそらく冒頭の感想に至ったと思われます。なんか、本編じゃないような作り物的なのが続くけどこれが本編?・・・。
と思ってると第何幕という“舞台”の説明があったり、いきなり白黒テレビ番組に戻ったりして。この構成、演出で、何が言いたいのか・・・・。うーん、ごめんなさい、リテラシー不足なのか、わからない!
“映画”部分だけで、十分セット感、舞台感があるので、テレビ番組とかメタ構造とかの小手先の演出を加えなくても、言いたいコト表現できたんじゃぁないかと思います。
ブルーレイ発売にあたっては、“映画”部分だけ再生する機能をつけて欲しいです。
ところで、最近、バーベンハイマー(Barbenheimer)が問題となりましたが、ポップでオシャレな画面に原爆雲、なんだ本作が戦犯じゃんと思ってしまいました。違うかな。
(町山智浩氏の解説によると、映画世界から現実に引き戻すのは、ゴダール監督がよくやっていたそうです。えー、ゴダール作品から勉強しないといけないのか~。勝手にしやがれ)
【追記】アメリカ西部の砂漠地帯で隕石、宇宙だとなったらやっぱりあの展開なんですね。スピルバーグ、どんだけすごいんだろ。
【さらに追記】
この映画の、「テレビ」「舞台」「舞台裏」「映画」についてきちんと説明してくれてるサイトがあったら是非教えてください。