ヨアキム・トリアー監督作品の脚本家として知られるエスキル・フォクトの監督第2作。
ノルウェー郊外にある住宅街。近所に住む4人の子供たちが、夏休み期間中に親の目の届かない所で、超能力に目覚めていく。
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いやはや、これは衝撃作。『テルマ』×『AKIRA』のような北欧ジュブナイル・スーパーナチュラル・スリラーなのだが、これほどまでに暴力性の高いジュブナイル映画も珍しい。
自閉症の姉を持つ少女イーダと強力なサイキック能力を持つ少年ベンの出会いと反発を通して、生来無垢なる残虐性を持つ子供が善悪の判断能力を獲得していく様を描いた物語だと解釈した。『AKIRA』同様、サイキック能力は自我のメタファーであり、自我の目覚めと暴走も大きなテーマの1つであった。
静かでストーリー展開の遅い、いわゆるスローバーンな作品だが、今にも何かヤバいことが起こるのではないかという不穏な空気感、ミステリアスかつ凶暴性の高い奇怪な出来事の数々、ジュブナイル映画とは思えないほどのショッキングなボディホラー描写によって、終始緊張感が途切れなかった。
主人公イーダ役の少女と、その母親役の女優の顔がそっくりだと思っていたら、実の母娘だったとのこと。
ネコ好きの方は要注意。
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