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ハッピーニューイヤーのmaverickのレビュー・感想・評価

ハッピーニューイヤー(2021年製作の映画)
4.2
2021年の韓国映画。監督は『猟奇的な彼女』のクァク・ジェヨン。


クリスマスと新年を祝うホリデームードの豪華ホテルを中心に、14人の登場人物のロマンチックなラブストーリーが描かれる。『虐待の証明』のハン・ジミンを筆頭に、『君の結婚式』のキム・ヨングァン、『ビューティー・インサイド』のイ・ドンウク、『鋼鉄の雨』のウォン・ジナ、『奈落のマイホーム』のイ・グァンス、『あなたの顔の前に』のイ・ヘヨン、少女時代のユナなど、旬なスターを揃えた豪華キャストが作品を盛り上げる。韓国映画や韓国ドラマが好きな人にとっては、このキャストの面々を見ているだけでも楽しい。ちょっと軽めなラブコメものかと思いきや、群像劇としても良く出来ている。まさに韓国版『ラブ・アクチュアリー』な出来栄えだ。

さまざまな愛の形が描かれる。恋愛以外にも、親子愛や兄弟愛も描かれているのがより感動的だった。どの物語にも愛を感じる。日本ではクリスマス=恋人のイメージだが、本来は「大切な人と過ごす時間」である。大切な人がきっとそばにいるはず。誰もが幸せを感じる時期であってほしいという願いも本作には込められている。

後半になればなるほどロマンス色が強い。うっとりしまくりで心が乙女になってしまうほどだった。演出もどれも素敵で感動的。感動で最後はボロボロ泣いてしまった。何より演者の上手さが引き立っている。

ハン・ジミンは元々好きな女優だが、本作でもっと好きになった。ホテルマネージャーの役柄だが、普段の時とのギャップがめちゃくちゃ可愛らしい。好きな相手に告白出来ない不器用さだったり、弟に甘えるずぼらさだったり、これまでのハードな役柄とは一変してのキュートな一面にメロメロになってしまった。もちろんそうさせているのは彼女の演技力によるもので、コミカルな役柄も地に足がついていて違和感が全くない。好きな相手へのひたむきな想いもしっかりと感じさせるのはさすが。彼女が演じるソジンに共感してしまう人はたくさんいるはずだ。エレベーターのシーンは思わず涙腺崩壊であった。

ハン・ジミンに次いで目を引いたのは、ハウスキーパーのイヨンを演じているウォン・ジナ。若きCEOとのシンデレラストーリーに、こちらまでうっとりとさせられる。ミュージカル女優を夢見ているという設定で、彼女がオーディションで踊る姿には釘付けになってしまった。彼女のキスシーンは本作最大のロマンチックポイントだ。

ユナの登場は思わず声が出た。やっぱり可愛い。本作にはキム・ヨングァンに加え、『王の男』のチョン・ジニョンも出演しており、ドラマ『ラブレイン』のメインキャストが3名も揃っている。同ドラマのファンには嬉しいポイント。しかもチョン・ジニョンの役柄はそちらと似ており、フラッシュバックしてしまうほど。いっそのことチャン・グンソクも出演してほしかった。


特別出演で大物スターも登場。個人的にはかなり楽しめて大満足。さらに掘り下げた連続ドラマ版もあるようで、そちらも気になる。本作を観ればハッピーな気持ちになれる。まさに『ハッピーニューイヤー』。タイトル通りの素敵な作品だった。
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