ラストのオッペンハイマーの瞳。閉じてもそこには絶望が見える。その絶望を継承し、そして絶望のままではいけないと感じる。彼が口にした"トリニティ"を後付け概念として言うならば、「創造」されてしまった脅威と、行われた「破壊」、もう戻ることができなくなった世界でどのように「維持」していくか(または完全に「廃絶」へ進められるのか)が問われる。ノーランによるそんな作品だと思った。映画は投下による惨禍も、実験による環境破壊や健康被害も十分に伝えていない。その不完全さに責任を負うことで意義のあるものになる私たちの課題なのかもしれない。スコアは付けられなかった。※ドキュメンタリーの『The day after Trinity 』にも日本語字幕が欲しいな。