しゃけ造さんの映画レビュー・感想・評価

しゃけ造

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ゼイラム(1991年製作の映画)

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初期平成仮面ライダーの楽しさがある特撮作品。特撮作品らしい映像技術の無節操さが楽しい。往年の着ぐるみや人形の特撮技術はもとより、シュヴァンクマイエルを想起させるクリーチャーのストップモーションは、ゼイ>>続きを読む

王女メディア(1969年製作の映画)

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ぱっと見のイメージはホドロフスキーだが、絶妙に色々噛み合っていない印象。異国情緒感はすごかった。

パラダイスの夕暮れ(1986年製作の映画)

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これまで見てきたカウリスマキ作品は、基本的に弱者のあがきをシュールに描く冷笑系ブラックコメディだったが、この作品はそれらと異なり最終的には希望に着地する。もちろん何もかもがハッピーになったわけではなく>>続きを読む

機動戦士ガンダム F91(1991年製作の映画)

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ガンダム内だと、テーマや描写も含めてかなりグロめの作品のように感じた。従来作品同様に大人と子どもの対比はもちろん描かれているのだが、さらに踏み込んで「親と子」から戦争を描いているイメージが強い。かなり>>続きを読む

道化師の夜(1953年製作の映画)

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傑作。サーカスの座長が色々失っていく、それだけの話なのだが、ベルイマンの繊細な心情描写によって、人生の厳しさ、美しさに溢れた名作となっている。
本作では、人生と笑いが強いテーマになっている。座長は別れ
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

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楽しいロードムービー。ティム・バートンみたいな造形と、ランティモスらしからぬさっぱりさが意外だった。

イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

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宮崎駿に劣らないくらい「君たちはどう生きるか」映画。人生において、今しか生きていない男と、未来しか見えなくなった男のすれ違いを描く作品。
人は人生において、今だけを切り取って生きることもできないし、未
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大巨獣ガッパ(1967年製作の映画)

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「デスカッパ」の元ネタらしい。明らかにマジメな映画として撮ろうとしている画角や演出から、往年の特撮本気度が匂ってくる。まあ大体はキング・コングなのだが、そこに子どもを取り返そうと追いかけてくるガッパと>>続きを読む

デスカッパ(2010年製作の映画)

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日本特撮は、もはやバカ映画かカルト映画でしか生きていけないと示してしまった映画。特撮自体のクオリティは恐ろしく高い。特に怪獣パートの街や戦車、飛行機の魅せ方は素晴らしく上手く、すんなり作品世界に没入で>>続きを読む

ミカドロイド(1991年製作の映画)

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めちゃくちゃ劇光仮面。割と新しめの映画ではあるが、往年の特撮をかなりリスペクトした作りになっていてワクワクする。
ただ、B級映画らしく話の展開から予算の低さが透けて見える上に、テレビドラマ以下の完成度
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異人たち(2023年製作の映画)

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この映画はねじれの物語である。幼少の頃家族と離れ離れになってしまった主人公は、本当の意味で自分の中に家族との決着がついていなかった。それは自分が実は「クィア」であるというカミングアウトができなかったこ>>続きを読む

インディ・ジョーンズと運命のダイヤル(2023年製作の映画)

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脚本も演出も酷い。本作はインディの「老い」をかなり意識して描いている。そのためキレの良いアクションが無く、さらにインディのパーソナリティもかなり「老い」に寄っており、インディシリーズのアクションもの、>>続きを読む

不良少女モニカ(1952年製作の映画)

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若さ炸裂!という感じの映画。そして若さゆえに破滅するところまでがセット。社会の中における恋愛の敗北を描いている。
モニカ達の、後先考えず快楽と理想に殉じるところは学生運動のそれに近い。モニカもハリーも
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神の道化師、フランチェスコ(1950年製作の映画)

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この映画はキリスト教布教映画に見せかけたコメディである。最初は現代だからこそ神を信じ切った修道僧が滑稽に見えるのかと思ったが、進めていくと明らかに監督がコメディとして描いている部分が出てくる。金魚のフ>>続きを読む

フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊(2021年製作の映画)

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しばらく人と会話していないせいで、客観的な視点から物事を語る(結構なハイスピード、しかも隠喩付きで)この作品の情報が頭に入ってこない。ただでさえもって回ったような言い方をするウェス・アンダーソン独特の>>続きを読む

ロッキー・ホラー・ショー(1975年製作の映画)

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デヴィッドとジャネットのファックシーンが全く同じなのは笑う。しかも多分デヴィッド掘られる側。さすがトランシルバニア星雲のトランスセクシャル星人ですわ

未来世紀ブラジル(1985年製作の映画)

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1984やthxのように管理社会を扱った作品。しかしそのアプローチはthxなどとは全く異なり、出世欲や物欲など、人間の欲望をも数値的にコントロールする「資本主義的管理社会」の形を描いている。
恐ろしい
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アリス(1988年製作の映画)

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シュヴァンクマイエルのファンなら、彼のストップモーション、マズメシといった「らしさ」を感じることができるので、ファウストやオテサーネクほどではないものの見て損は無い。アリスという物語の奇妙さ、絵本とい>>続きを読む

ファウスト(1994年製作の映画)

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ファウストの原作を知らないのでどこまで魔改造されているかは分からないが、ファウストの再解釈というよりむしろ、ファウストをナンセンス的に描いたらどうなるか、という挑戦をしているように思えた。
この映画は
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オテサーネク 妄想の子供(2000年製作の映画)

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この作品で特に目を引くのはやはり、ありえないほどマズそうな飯であろう。コーヒーまでマズそうなのはもはや芸術である。さらにこれらの飯は、ストップモーションで表現されるオテサーネクの醜悪な身体や、アルジュ>>続きを読む

千と千尋の神隠し(2001年製作の映画)

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何度も見たが、やはり面白い。ホラーテイストは、間違いなくもののけ姫の系譜を継いでいるだろう。日本のアニミズム信仰を舞台にしている点も同様である。しかし、その神的世界の描き方はもののけ姫の純粋自然的なも>>続きを読む

トータル・リコール(1990年製作の映画)

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スペースコブラの1話目に肉付けしたような内容。しかしその「胡蝶の夢」的な路線を突っ走れている訳でもない。エイリアンとか神羅カンパニーもどきとか革命とか、テーマ外の風呂敷を広げすぎて描写が追いついていな>>続きを読む

カラマリ・ユニオン(1985年製作の映画)

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映画館で映画を見るシーンが良い。この映画のテーマが詰まっている。モノクロの映画で映画を映すという行為。映画における観る・観られるの構造を画面内で再構築することによって、「フランク」の面々と観客を同一視>>続きを読む

π〈パイ〉 デジタルリマスター(1998年製作の映画)

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岸辺露伴の短編集にこんなような話あったなと感じながら見てた。ジョジョ本編でも黄金回転とかでてきたし。
神秘の216桁を追求する男が、さまざまな陰謀に巻き込まれながら狂気に陥っていく物語。しかしながら、
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フィッシャー・キング(1991年製作の映画)

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らしくないドラマ性の中に埋没しているものの、にじみ出るドン・キホーテ的な狂人の描写からテリー・ギリアムらしさを感じ取ることができる作品。

サンタ・サングレ/聖なる血(1989年製作の映画)

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映画に必須な「演技」を通じ、精神と肉体の分離、別々の秩序を描こうとした作品。この作品の最も重要なシーンは、やはり母親の両腕を演じ、自らの意思に反して殺人を重ねてしまう主人公だろう。このシーンでは、精神>>続きを読む

エル・トポ(1970年製作の映画)

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ベルイマンは宗教を神話的に描き、マッドマックスは神話をモチーフとして物語を語ったが、ホドロフスキーは自分で神話を生み出した。マッドマックスとエル・トポが共に西部劇的な舞台を用意しているところを鑑みるに>>続きを読む

RRR(2022年製作の映画)

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かなり好きな映画。なんと言ってもアクションが素晴らしい。カメラも演者もぐるぐる動き、息つく暇を与えない。こういう3次元的な動き、リズムに乗ったアクションはるろ剣以来で、個人的に大好物なアクションの撮り>>続きを読む

ある用務員(2020年製作の映画)

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アクションとシュールギャグは最高ながら、その他もうまく纏まってるのは天才やで

らせん(1998年製作の映画)

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可哀想すぎる作品。なまじリングが幽霊ホラーとして成立してしまったため、原作にあるSF要素との板挟みをくらって駄作になってしまっている。単品のSFとして見ればなかなか面白いのだが、無理にホラーに引きつけ>>続きを読む