牛飼い対羊飼いというよくわからない対立を扱った映画だが、結構面白い。エロール・フリン演じる主人公の2枚目キャラが堂に入った感じで、半ばヒロインをだますような策謀もスマートなふるまいでこなしていくため、>>続きを読む
毎年数多く作られるナチスを題材にした映画の中でも、切り口は独自で面白い。
観る側が知識や想像力を駆使することを求められるが映画なのだが、それがちょっとギミック的すぎるようなあざとさを感じないでもない。>>続きを読む
作家が自分の作りたい作品と大衆に受ける作品とのギャップに苦しむというのは普遍的なテーマなのだが、そこに人種的な問題を絡めてコメディに仕立てているところには割と新規性があって面白い。
映画全体のトーンと>>続きを読む
社会派のウィリアム・A・ウェルマン監督による当時のアメリカの社会問題を濃縮して描くような要素てんこ盛り映画。
邦題の『飢えゆるアメリカ』は恐慌の真っ只中にあったアメリカを直に表すタイトルで悪くはないの>>続きを読む
ウィリアム・A・ウェルマン監督のキャリア初期のサイレント映画で、空中戦を描いた映画の草分け的存在。
俯瞰で状況を説明する描写とパイロットのアップで感情を表現する描写のカットバックで空中戦を見せるやり方>>続きを読む
実在するプロレス一家フォン・エリック・ファミリーの悲劇を描いた作品。
全体的にウェルメイドなそつのない仕上がりの作品で、ザック・エフロンを中心に俳優陣の肉体を含めた役作りは非常に説得力があるし、フォン>>続きを読む
たくさんの素材を細かく刻んでごちゃまぜにして提供するチョップドサラダ的な演出。
これはオッペンハイマーという人物の人生の記憶をフラッシュバック的に観客に体感させようとするような狙いがあるのではないかと>>続きを読む
ドゥニ・ヴィルヌーヴによるフランク・ハーバート『DUNE』実写化の第二弾。
前作『DUNE/デューン 砂の惑星』がかなり退屈な映画であったのであまりテンションが上がらないもののわざわざIMAXで鑑賞。>>続きを読む
ロバート・ワイズ監督作。とある女性の一代記といった話で、富豪の令嬢として育てられた主人公が父の死をきっかけに没落し、田舎町の教師になり、結婚し農家として息子を育てあげるまでを描く。
話の作りやテーマは>>続きを読む
シドニー・ルメット監督によるホロコーストを一人生き残ってしまった男を描いた背筋の凍るような恐ろしい一作。
自らの悲惨な経験を言葉にすることもできずに孤独を深める主人公の姿、そこには癒しも救いもなく深い>>続きを読む
ヘンリー・キング監督作。シーラ・グレアムの自伝をもとにした映画で晩年のF・スコット・フィッツジェラルドとの関係を中心に話が進む。
フィッツジェラルドの晩年のエピソード自体は既知のもので良くも悪くもそれ>>続きを読む
PMSとパニック障害という病状によって自分の心身を自分でコントロールできなくなることがあるという共通点をもつ二人の交流を描く作品。
繊細な心の機微を物語るのに相応しいだけのディティールをおろそかにしな>>続きを読む
家出した富豪の令嬢が偶然出会った新聞記者と恋に落ちるという話で、これをそのまま洗練し発展させたのが『ローマの休日』ということになるのだろう。
マイアミからニューヨークまでを旅するロードムービーでもある>>続きを読む
シドニー・ルメット監督によるアメリカンニューシネマとしてもくくられることのある本作だが、この映画は所謂ニューシネマ的状況の一歩先を描いているところが興味深い。
典型的なニューシネマが無軌道な若者が体制>>続きを読む
フランク・キャプラ監督のクリスマス映画。
新聞社クビになった記者が最後の記事ででっち上げた、社会問題に抗議する架空の人物が巨大な社会運動のムーブメントを巻き起こすという話で、小さな嘘が加速度的にデカい>>続きを読む
不良少年を更生させる熱血教師ものという話ではあるのだが、物語が教師側の視点のみで構成されるという一方通行な感じで違和感がある。非行少年を純粋な社会問題として捉えていて、更生の見込みのない生徒が最終的に>>続きを読む
フランク・キャプラ監督作。偶然の成り行きから上院議員になった青年スミスを描くヒューマンドラマ。
主人公のスミスは20そこそこという年齢に対して言動があまりに幼く、一見奇異な人物にも見えるのだが、おそら>>続きを読む
この映像でデヴィット・バーンが見せる、斜に構えたようなユーモアのセンスとそれをどこまでも真剣にやり抜く熱量の高さが大好きで、何回見てもやはり最高だと思わされる。
各人の個性が発揮された自由なアイディア>>続きを読む
ウォール街を舞台に成功にあこがれる若手証券マンと拝金主義に振り切れた大物投資家をえがく金融ドラマ。
リアリスト的なメンターとやる気だけはある若者という定番の組み合わせのはしりみたいな映画で、マイケル・>>続きを読む
フランク・キャプラ監督による、1930年代に起こった大恐慌を背景にある銀行の取り付け騒ぎを描く社会派ドラマ。
広範な社会不安、小さな噂に扇動されパニックを引き起こす大衆を描きながら最後には信用や人徳と>>続きを読む
待望の『ストップ・メイキング・センス 4Kレストア』が劇場公開されるということで、楽しみにしながらデヴィッド・バーン監督による本作を見る。
一応ミュージカル映画というくくりになるのだろうと思うけれど、>>続きを読む
ヘンリー・ハサウェイ監督によるコメディ西部劇。
コテコテのSEを鳴らすギャグ描写が多い軽快な作風で、西部劇にしては珍しく銃撃戦が少なくて人死にも作中では出てこない。
ジョン・ウェインが演じる主人公はい>>続きを読む
アラスター・グレイによる原作の『哀れなるものたち』は数年前に読んでいたのだがだいぶ話の筋は忘れていて、この映画を見て、そういえばこういう話だったという所とこんな感じではなかったなという所が半分ぐらいあ>>続きを読む
役所広司演じるトイレ清掃員の日々の生活をただ坦々と描写する地味な映画であるのだが、主人公が出会う人々の本編ではあえて語られることのない氷山の一角のような物語の断片が単調な話に奥行きを与えている感じがし>>続きを読む
よくある人類の終末を描くような物語では終末に伴うパニックやサスペンスと人間の負の側面が強調されがちがであると思うのだが、この作品は避けられない終末を前にして登場人物の各人がそれぞれの思う最善の在り方で>>続きを読む
ストーリー面の杜撰さはこれまでのMCU作品のなかでも随一で、「ここはこういう設定になってるんで、どうか飲み込んでください」と言わんばかりの胡乱な説明台詞の連発に閉口する。
能力を使うたびに三人の位置が>>続きを読む
ウィリアム・A・ウェルマン監督作。中西部ミズーリの高地でビーバー猟を行う一団を描く作品で、ちょっとビジュアル的な雰囲気が典型的な西部劇とは違って新鮮に映る。
序盤のドキュメンタリー風味の映像と猟師の一>>続きを読む
ウィリアム・A・ウェルマン監督がバッファロー・ビルの半生を描く伝記映画。
主人公に好意を抱いているらしき先住民の女性やヒロインの差別意識など、意味ありげに描写されているにもかかわらずストーリーの中でう>>続きを読む
鉄道敷設をめぐる諍いは西部劇ではよく見るテーマの一つではあるのだが、この映画はその対立構造がうまく処理されていなくて、話が分かりにくい印象。
主人公で鉄道敷設を実行する側の人間であるベントは胡散臭くて>>続きを読む
タイトル通り若き日のリンカーンを描く伝記映画なのだが、史実を忠実に追うタイプの映画ではなく、なにがしかの偉業を成し遂げたり、非凡な才能を発揮したりするということもなく、ただ駆け出しの若い弁護士が一つの>>続きを読む
デルマー・デイヴィス監督作。
サバイバル映画として非常によくできた無駄のない作劇で、例えばリチャード・ウィドマーク演じる主人公が着けた鎖付きの手錠は最初は殺人犯である主人公を拘束するものだが、鎖が切断>>続きを読む
デルマー・デイヴィス監督の西部劇。
面白いことは面白いのだが、なかなか癖の強い独自色のある映画で、序盤は医者である主人公を中心としたヒューマンドラマで『赤ひげ』的な話かとも思ったのだが、話が二転三転し>>続きを読む
ゴジラが暴れるシーンは全体的に迫力があってウェルメイドな仕上がりになっていると思う。この時代でゴジラをどう撃退するかという方法も割とちょうどいいハッタリ具合で嫌いではない。
ただ物語のディティールの弱>>続きを読む
ラオール・ウォルシュ監督の西部劇。
駅馬車を襲ったならず者たちに恋人をさらわれた主人公が道中で仲間を増やしながらならず者を追い詰める追跡劇で、話も演出もシンプルで短くまとまっているのだが、いまいち全体>>続きを読む
ラオール・ウォルシュ監督、若きジョン・ウェイン主演による西部劇。
新天地オレゴンへと向かう西部開拓団の旅を描く映画で、荒野の冒険、インディアンの襲撃、親友の敵討ち、ヒロインとのロマンスといかにも西部劇>>続きを読む
妻を殺された男による復讐劇であり追跡劇。
追跡劇は割と西部劇ではよく見る主題ではあるがやはりヘンリー・キング監督作は作りが良い。敵役のアウトローが四人組でそれを一人一人追い詰めていくスタイルなのだが、>>続きを読む