くろいひとさんの映画レビュー・感想・評価

くろいひと

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レッド・ワン(2024年製作の映画)

3.3


現代のクリスマス映画として心から楽しめるSFファンタジー。

プロットそのものや展開はいかにもな典型ではあるが、主人公(ふたりとも)のものがたりを経ての変容が、すべてのおとなに素敵な可能性を呼びかけ
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大河への道(2022年製作の映画)

3.2


アイディアとプロットは素晴らしく(もちろん立川志の輔のオリジナルが素晴らしいということなのだが)、ほかにはないオリジナリティある良作。
ただ脚本と演出のテンポの悪さが気になるところが多々あり、全体と
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ロスト・キング 500年越しの運命(2022年製作の映画)

3.2


実話ベースという本作がどこまでリアルなえがきかたをしているかはわからないが、なかなかにドラマティックで引き込まれる。
ひたすらそれは主役を演じるサラ・ホーキンスの芝居のよさによる。
リチャード三世の
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ワイルド・スピード(2001年製作の映画)

1.8

車が好き、走り屋が好き、といったようなひとには面白いのかもしれないが、そうでなければ映画としては凡庸。
そこにかっこよさをみいだせない場合、宙吊りにされた倫理観の行き場のなさが決定的に中途半端。

龍三と七人の子分たち(2015年製作の映画)

2.1


ありきたりなプロットは基本的には面白いが、終始力の抜けた演出を脱力とみるか弛緩とみるかは観るものの趣味。
ただ、それは北野武が忌み嫌っていた山田洋次的なものと皮肉なほど似かよう。

あとは、ひたすら
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3-4x10月(1990年製作の映画)

3.8


この時点ですでに完成されているといってもよい北野武のスタイルが貫徹されている様式美。
反復と省略がつくりだすそのリズムは、ときにゴダールの正当な継承者のひとりともいうべき顔を見せる。

中盤以降、北
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アミスタッド(1997年製作の映画)

3.8


南北戦争直前のアメリカを舞台に、黒人奴隷たちの過酷な境遇をえがく歴史大作。

言語によるコミュニケーションの不可能性が、そのまま立場の違いによる相互理解の根本的な不可能性をあらわすメタファーとして機
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激突!(1971年製作の映画)

4.1


たったひとつのアイディアを、演出のちからで一本の作品に仕上げてしまうという、これぞ映画という大傑作。
つねに車の走行という画面上の動きが持続するなかで、見る者の緊張感もまたおなじように持続を強いられ
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プライベート・ライアン(1998年製作の映画)

4.0


スピルバーグによる戦争映画の超大作。

序盤のオマハビーチでの壮絶な攻防は映画史上にのこる衝撃的なシークエンスだろう。
だが、この映画がもっとも克明にえがいているのは、理解しがたい理由のために戦う無
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A.I.(2001年製作の映画)

3.7


作中でもなんども示唆されているとおり、現代版『ピノキオ』であり、人工知能のというよりむしろ人間の愛とアイデンティティを真正面から問う、きわめて倫理的な映画になりうる可能性があった作品。

欲望する存
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ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書(2017年製作の映画)

3.5


ペンタゴン・ペーパーズ暴露をめぐる新聞社の戦いをえがいた作品。

やや錯綜してわかりにくい序盤を別にすれば、じつにドライで求心力あるドラマが展開する良作。
報道機関を横からながめるにふさわしいドキュ
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カラーパープル(1985年製作の映画)

3.8


スピルバーグがそのキャリア初期に撮った、黒人コミュニティの矛盾にみちた境遇をえがいた傑作。

身につまされる出来事と、つかのまの幸せとの対比、そしてしばしばもちいられる顔のアップがもたらす緊張感。
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宇宙戦争(2005年製作の映画)

3.8

これはH.G.ウェルズのあまりにも有名な原作をもとにした王道のSFパニック超大作でも、頼りない父親が家族の絆を取り戻す再生のものがたりでもない。
同時多発テロ事件でアメリカがうけたショックとトラウマ、
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インディ・ジョーンズ/最後の聖戦(1989年製作の映画)

3.1


インディ・ジョーンズ第三作。

ショーン・コネリー演じるインディの父親の存在感と息子との軽妙な掛け合いとがよいアクセントになり、堂々たるプロットもあって見応えある良作。

もったいないのは、「失われ
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インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説(1984年製作の映画)

2.3


インディ・ジョーンズ第二作。

007や香港映画のパロディはよいとして、なんとも雑な脚本と安物のテレビ映画のようなチープな画面が残念。
ラストの脱出シーンだけはさすがに圧倒的な迫力。

レイダース/失われたアーク《聖櫃》(1981年製作の映画)

3.0


スピルバーグのインディ・ジョーンズ第一作。

徹底的にエンターテインメントに振り切った快作。
テンポのよさ、王道の展開の痛快さに、安心して楽しめる。

プロジェクトV(2020年製作の映画)

1.6


もちろん日本語タイトルは釣り。

平凡なストーリーと陳腐な演出にいささか閉口しつつ、気楽に観られるアクションコメディ。
できそこないのアニメを模したような映画なら、できそこないのアニメを観るほうが楽
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ザ・フォーリナー/復讐者(2017年製作の映画)

3.0


ジャッキー・チェンからコメディ要素を排したシリアスな魅力があじわえる。
ピアース・ブロスナンの重厚な演技も見もの。
イギリスにおける政治的な背景を最低限知らないとわかりにくいだろうが、プロットはいた
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関ヶ原(2017年製作の映画)

1.8


テレビドラマ的な発想とクオリティ、それを本格映画らしいトーンで覆った凡作。
司馬遼太郎の力強い原作から、どうやったらこのような隙間風の吹く映像が生まれるのか。
実力あるキャストを揃えながらもったいな
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THE GUILTY/ギルティ(2018年製作の映画)

4.1


驚異的というべき大傑作。

サスペンス・スリラーとしての面白さ、プロットの構築性はみごとというしかない。
かつ舞台での一人芝居のような無駄のない演技が、このうえなく饒舌だ。

なによりも、通報センタ
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ブラッド・ワーク(2002年製作の映画)

1.9


あまたの名作をつくった巨匠が、安物の2時間サスペンスドラマのような脚本で紋切り型の演出をした凡作。
メインのプロットがはじめから読めるのは仕方ないとしても、数十年前の過去のアクションの焼き直しのよう
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ふたりのマエストロ(2022年製作の映画)

2.0


プロットの単純さ(ラストまですべてが読める)のはひとまず置いて、主演のふたりがごく自然に演じている芝居に好感がもてる。

業界ものにありがちだが、リハーサルやコンサート関連のリアリティのない設定の風
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屍人荘の殺人(2019年製作の映画)

1.6


ミステリーとしてはなかなか面白く、状況設定も展開もオリジナリティある原作の、とんでもなく低級な映画化。
一部のキャラクターに魅力がないわけではないが、どうしてこのような無惨な学芸会でよしとされるのか
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トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

3.6


前作『トップガン』からとてつもない時間が流れての続編だが、むしろこの端正な作品が存在するために前作はつくられたのではと捻くれたくなるほど充実した一本。

プロットも結末もすべては予想の範囲を超えない
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トップガン(1986年製作の映画)

2.1


かつては一世を風靡した一本も、時がたっていささか滑稽なダサさを纒ってしまったよう。

だが葛藤だの挫折だのという内面の演技のできない(することを求められない)トム・クルーズの俳優としての素質が、かえ
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ヒットマン:レジェンド 憎しみの銃弾(2019年製作の映画)

3.9


フィルム映画を思わせる陰影のコントラスト、計算されつくされた構図といった古典的な美しさと、現代的な感覚がみごとにマッチした傑作。
世界観にぴったりのレトロな音楽もまた洒落ている。
コッポラのあまりに
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KG カラテガール(2010年製作の映画)

1.3


のちに女優としての才能を開花させる武田梨奈の、まだあどけないながらもはっきりと見て取れる魅力と、アクションの本気度を楽しむだけの作品。
脚本、演出、撮影その他、素人の趣味の延長の範囲。

ただ、CG
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いざなぎ暮れた。(2019年製作の映画)

1.4


地域振興型としてまったく成功していないし、もちろん一般映画としては「成立」さえしていない。
これを観て美保関町の人々は喜んだのだろうか。

手作りでいいと思ったのかもしれないが、学生がつくってもこう
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海すずめ(2016年製作の映画)

2.3


伊達宇和島400年祭を記念してつくられた地域振興映画。

主演の武田梨奈をはじめ出演者には魅力的な俳優が何人もそろい、その演技に引き込まれるシーンも。
いくつもの要素がうまくかさなりあったプロットも
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宇宙戦艦ヤマト 完結篇(1983年製作の映画)

2.3


劇場版第4作にして(当時としては)完結編。

スケールはおおきく、設定もこれまで以上にていねいなのが面白い。
反面ドラマとしての求心力はうすく、復活した伝説の「あの人」の存在がかろうじてアクセントに
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ヤマトよ永遠に(1980年製作の映画)

2.0


テレビアニメスペシャル「宇宙戦艦ヤマト・新たなる旅立ち」をはさんでの続編となる劇場版第3作。

古代進と森雪がはなればなれになり活躍するという設定、サーシャという特別な存在の登場など、典型をはなれた
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さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち(1978年製作の映画)

2.3


たんなる総集編にすぎない劇場版第1作からすれば、さすがに映画としてはじめから企画されただけあって見ごたえがある。

第1作またはテレビ版第1シリーズのファンからすればこの悲劇的展開にはこころを揺さぶ
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宇宙戦艦ヤマト <劇場版>(1977年製作の映画)

1.6


ある意味その後おおくの類型を生むことになる伝説のアニメ初の映画版。

仕方のないことだが、半年にわたるテレビ放映版の出来の悪い総集編の域を出ることのない出来が残念。
それどころかテレビ放映時の作画の
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セーラー服と機関銃(1981年製作の映画)

3.6


無名の作家・赤川次郎と原作をもとに若き薬師丸ひろ子を得てつくられた名作。

粘るような独特のカメラワーク、乱暴なまでに勢いのある長回しをはじめ、随所に意欲的な演出がみられ見どころ満載。
ただし、中盤
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二代目はクリスチャン(1985年製作の映画)

3.5


いかにもつかこうへいらしい世界。
突拍子もない構成なのに妙なリアリティ。

素晴らしいのはベタなまでにエモーショナルになっていく終盤の圧倒的な盛りあがり。
兎にも角にも志穂美悦子の濃い演技も。
問題
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騙し絵の牙(2021年製作の映画)

3.5


出版業界や文学の世界がかかえる問題点のみならず、日本という国そのものが孕んでいるそれを、大上段に構えることなくさりげなくえがいた習作。

演出、カメラワークがていねいで古典的なのがよい。
大泉洋、松
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