Evansさんの映画レビュー・感想・評価

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知りすぎていた男(1956年製作の映画)

3.2

「暗殺現場のドキドキ感」

ヒッチコックが描く暗殺劇を知った夫婦の戦いを描いた作品

夫婦2人の演技が良く、とても見やすい作品となっていた。

◆劇場でも銃がゆっくり首相へと向かうシーンの丁寧なカット
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アンソニーのハッピー・モーテル(1996年製作の映画)

3.5

「行き当たりばったり」

全て感情の赴くまま、行き当たりばったりで進むクライムムービー

ウェスアンダーソンの才能が花開く予感を感じさせてくれる洒落の効いたクライム作品であった。

◆最後の強盗の全て
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(1965年製作の映画)

3.8

「侍の終わり」

桜田門外ノ変を描いた作品

侍を目指した者が、侍時代の終わりを告げる鐘を鳴らした瞬間が描かれていた。

◆首領の人の悪さや冷酷さと、三船の熱さがいい塩梅に溶け込み、深い味わいを出して
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許されざる者(1992年製作の映画)

3.3

「人の痛み」

イーストウッド主演のウエスタン作品

ウエスタン物でありながら、主人公が無双するのではなく、深い悲しみと痛みを表していた。

◆人を殺めることへの抵抗や、暴力に対して何も感じないものへ
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ぼくのお日さま(2024年製作の映画)

4.1

「冬の青春」

アイススケートを通じた縁が複雑に絡み合う青春映画

全体的に落ち着いた雰囲気で、言葉が少ないものの、演技と映像が多いに語りかけてくるものであった。

◆思春期の男女を中心に据え、揺れ動
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関心領域(2023年製作の映画)

3.6

「異常な日常」

アウシュビッツ収容所の隣に住むルドルフ・ヘスの家族と彼の日常を描いた作品

第二次世界大戦のユダヤ人の問題を新しい視点で描いていた。直接的に収容所の生活を見せるのではなく、ヘスの日常
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ゴダールの探偵(1985年製作の映画)

3.0

「音で魅せる編集」

ゴダールが描く破茶滅茶サスペンス

登場人物は皆イライラしており、会話らしい会話は出来ず、二言目には怒鳴りあっていた。

◆映像の編集よりは、音の使い方の編集に凝っており、レスト
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少年と犬(1975年製作の映画)

3.1

「ディストピアの友情」

核戦争後のディストピアを描いたSF作品

主人公とだけ喋れる犬が、荒廃した世界での生き方を教えてくれる物語

◆友情にヒビが入るのは、女性が問題としてなりやすく、性悪女が2人
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ラッキー(2017年製作の映画)

3.5

「空について」

今まで感じなかった死を感じた老人ラッキーの日常を描いた作品

主観的な見方、物事や事象は人によって感じ方が違う。それは死についても同じである。いつ訪れるか分からない死を受け入れること
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ブルー・イン・ザ・フェイス(1995年製作の映画)

3.8

「カイテルとムッシュ」

ブルックリンを愛する人達の物語

たばこ屋の店主が似合いすぎているカーテルと、彼を慕う人々の会話で成立した作品

◆最後のタバコをなかなか吸わず、うだうだと話し込むムッシュと
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ああ爆弾(1964年製作の映画)

3.5

「ジャズと狂言」

岡本喜八監督が描く爆弾のスリルを描いたコメディ作品

落ちぶれたヤクザの親分が、組を乗っ取られた仕返しに爆弾を仕掛ける物語

◆狂言から始まり、ジャズ風のミュージカルと親分を旧勢力
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RENT/レント(2005年製作の映画)

3.9

「最高の出だし」

エイズ患者と芸術家達の交流を描いた作品

エイズという病と戦う人々と、自らの思う芸術に懸命に生きている姿を映していた。

◆映画のオープニングで掴まれて非常に良かった。特に前半は、
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ヴェルクマイスター・ハーモニー 4Kレストア版(2000年製作の映画)

3.6

「素晴らしい長回し」

とある青年の視点を通し、暴動が起きた街の様子を見ていく作品

台詞が少なく、説明もあまりないので、映像の中から感じ取る必要があり、長回しのカットから色々なところを注意して見る必
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タイムズ・スクエア(1980年製作の映画)

3.0

「NYパンク」

ニューヨークを舞台に、社会からはみ出した2人の少女の友情を描いた作品

大人しい少女とヤンチャな少女が、互いに足りない部分に尊敬し、友情を深めていく。

◆心がパンクしそうな少女時代
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小早川家の秋(1961年製作の映画)

3.1

「道楽親父」

小さな酒屋さんの大旦那が好き勝手するのに翻弄され家族の物語

家族関係でそれぞれ父への思いは違えども、日本の家族形態をよく現していた。

◆ テーマとなっている結婚についての言及はあま
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.5

「歴史的意義」

原爆開発の父オッペンハイマーをノーラン監督が描いた作品

原爆開発から戦後自らの功績によって責められるオッペンハイマーを描いていた。

◆息をつかせない台詞の応酬で、見ているこちらが
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スワロウテイル(1996年製作の映画)

3.7

「オリエンタルな作品」

架空の日本、円都を舞台に描く、必死に生きる人々の物語

中国語、英語、日本語が飛び交う移民映画として非常によい試みであった。日本人らしい日本語を使う円バンド達の面々も魅力的だ
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アカルイミライ(2002年製作の映画)

3.3

「クラゲが繋いだもの」

浅野忠信とオダギリジョー共演の、黒沢清監督作品

核心や目的をはぐらかす浅野忠信が謎めいた存在で、オダギリジョーがそれに呼応し、行動をしていた。

◆夢で未来が見えるオダギリ
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コンパートメントNo.6(2021年製作の映画)

3.3

「くたばれ」

長距離列車で同室になった男女の淡い恋を描いた作品

出会った時の関係性は良くなかったが、徐々にお互いを理解することが出来た。

◆リョーハの人懐っこい様子が、良くも悪くも彼という人間を
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パーフェクトブルー(1998年製作の映画)

3.5

「本物と幻想の間」

アイドルから女優に転身した女性が、ドラマか夢か現実かの境界が曖昧になり、苦しんでいく作品

態度の悪い客、騒ぎを起こす客、好きなところより悪いところや、嫌なところでした人を語らな
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夜は短し歩けよ乙女(2017年製作の映画)

4.7

「素直で甘酸っぱい恋」

長い長い不思議な一夜の出来事を辿りながら描く大学生の恋物語

不思議な登場人物たちと、それに翻弄されながら思い思いの時を過ごす2人。キャラクター達が生き生きと青春の不思議な一
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リトル・ミス・サンシャイン(2006年製作の映画)

4.0

「家族だから乗り切れる」

ミスコン出演の為に、家族で支え合うロードムービー

家族という言葉だけに甘えそうになるが、それぞれ個々が家族を思うことで、互いを支え合い困難を乗り越えていく。

◆印象的な
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.0

「変わり続ける日常」

トイレ清掃員の変わらない日常を通して、変わりゆく日々を描いた作品

ヴィム監督の日本への尊敬が感じられる程、日本の日常や風景をありのまま映し出してくれた。木漏れ日の優しさが、本
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はなればなれに(1964年製作の映画)

3.1

「実験的映像作品」

ゴダール監督のクライム作品

手際の悪い強盗作品であったが、対照的な男との色恋を描いた作品でもあった。

◆無音の時間、ダンス中の心理描写、ルーブル美術館の疾走など実験的映像表現
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インソムニア(2002年製作の映画)

2.5

「アラスカの白夜で」

アルパチーノがアラスカで殺人事件を捜査する作品

白夜で寝られず、過去の自分の行動を悔い、それでも自らの正義を信じて行動をした。

◆ノーラン監督、アルパチーノ主演で、見る前の
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彼岸花(1958年製作の映画)

3.3

「決定と責任」

小津安二郎が描く結婚の責任と自己決定の大切さを描いた作品

親は自らの思い通りにならないと、すぐに不貞腐れて、子どもの話を聞かないし、理解しようとしない。そのくせ、自らの主張は、心配
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マッドマックス:フュリオサ(2024年製作の映画)

3.3

「マッドマックス愛」

マッドマックス愛に満ちている作品

荒野を走るバイク軍団、爆破の炎が派手に響きわたる。マッドマックスを愛する人のために作られた作品である。

◆会話よりも爆破音やエンジン音に力
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ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア(1997年製作の映画)

5.0

「海を見に行く」

死期が近い2人の若者が、最期に海を見に行くために旅に出る物語

2人のキャラクターや行動、周りの登場人物がコミカルであり、テンポも非常に良くまとまっていた。時折クスッと笑えるやり取
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CURE キュア(1997年製作の映画)

4.2

「真面目な奴が損をする社会」

記憶障害の催眠術師を捜査する刑事との対峙を描いた作品

捜査を進めるうちに、犯人にのめり込み、目が虚になっていく人々の様子に寒気を覚える仕上がりとなっていた。

◆役所
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シビル・ウォー アメリカ最後の日(2024年製作の映画)

3.5

「アメリカ内戦」

アメリカで内戦が起こったと言うifの物語を描いた作品

戦場記者の視点で描かれているため、市民の困惑や戦争の悲惨さを市民目線で映し出されていた。

◆西から東へと進むロードムービー
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

3.0

「ティモシーのアクション」

デューンの第二部

物語はより壮大な展開を見せるように動いっていった。

◆ティモシーのアクションシーンが多く、可憐に舞うようにアクションをする姿が見れるのは、本作の注目
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プレステージ(2006年製作の映画)

3.8

「奪い合い」

マジシャン同士が互いのタネを、仕掛けを、技を、幸せを奪い合う作品

最後まで飽きさせず、展開が読めないストーリーテリングは、さすがノーラン監督である。

◆テスラが出てきたあたりで、科
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お早よう(1959年製作の映画)

3.5

「無駄の中に」

小津安二郎が描いた日本の隣人関係と高度経済成長期

長屋の家の付き合いの面倒くささや、大人がする中身のない話に、子供たちをはじめ、大人も少し飽き飽きしていた。

◆小津安二郎が描く高
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キングダム エクソダス〈脱出〉(2022年製作の映画)

4.0

「完結」

キングダム三部作の完結編

第二部から長い歳月をあけて迎えた第三部と言うこともあって、第二部で未回収だった謎を丁寧に回収しながらも、時に謎を増やしていっていた。
今までのキャラクターたちは
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キングダム II 第3章/第4章(1997年製作の映画)

4.0

「絶句」

トリアー監督キングダムの第二部

制作された時期としては一部、二部が近く、25年の歳月が経って三部となっているため、ある一定の結末を迎えるかと思っていたが、絶句してしまうエンディングを迎え
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キングダム(1994年製作の映画)

4.0

「トリアー劇場」

キングダム病院を舞台にしたホラー映画

病院が舞台ということで、医学的な部分もあるが、その要素より、人間関係や、自身のプライド、傲慢さや、色恋といった部分が多く含まれていた。

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