MIDNIGHTさんの映画レビュー・感想・評価

MIDNIGHT

MIDNIGHT

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ストーカー(1979年製作の映画)

5.0

““小さな希望を抱き、絶望の中に生きる””

恐るべきショットの数々と、胸の奥で木霊するような台詞たち。
突き付けられる遠大な哲学と、絶望の狭間に垣間見える救い

…やはりタルコフスキー、どこまでも別
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15ミニッツ(2001年製作の映画)

4.6

““凶悪犯の歯牙が狙うは敏腕刑事!バディが翔ける社会派クライムアクション!!””

まさかの隠れ胸糞映画だった。意外性◎

多くを語るとネタバレになるので伏せるが、
「え?まさかね?」
と思わず唖然と
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ブレインウォッシュ セックス-カメラ-パワー(2022年製作の映画)

3.8

““「その撮り方、男性主観じゃね?」””

あらゆる映画に潜む【male gaze(男性の眼差し)】についてタップリと教えてくれる講義映画

不朽の名作からカルトまで、様々な映画を例に挙げて「男性主観
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ルックバック(2024年製作の映画)

4.8

““ルックバック。過去を見て、未来へ進む””

原作ではボロボロ泣いた自分。
しかし、映像化された本作には今ひとつノりきれなかった

何故だろう?と思っていたが、他の方のレビューにとても的を射たものが
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ハート・ロッカー(2008年製作の映画)

4.5

““爆弾大好き男の♡ドキドキ♡爆弾解除録””

イラク戦争におけるアメリカ軍の爆弾解除班の活躍を描いた作品

観てるだけでHPが削られる系の映画筆頭

主人公らが相手取るのは人ではない。「爆弾」だ。
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他人の顔(1966年製作の映画)

5.0

““人の本質はどこに宿るのか?『他人の顔』を貼り付けた男が奏でるは悲劇の円舞曲!””


安部公房の長編小説『他人の顔』が原作

人の自我の希薄さ、孤独の病理に迫った哲学的な一作


…詩的で崇高な作
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第七の封印(1956年製作の映画)

5.0

““神よいずこに?モノクロの映像美と死神が織りなす神秘的寓話!””

ペスト蔓延る中世ヨーロッパを舞台に、神の実存に肉薄した古典映画の傑作。
『ヨハネの黙示録』における7つの封印(世界の終末)がモチー
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トレインスポッティング(1996年製作の映画)

5.0

““クソったれな青春を鮮やかに生きろ!最高にハイなドラッグムービーの金字塔!””

イかした音楽にクールな演出、それとヘロイン。
他に何がいる?最高の「映画」はこれだけで完成しちゃうのさ

カッコいい
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バスケット・ケース(1982年製作の映画)

5.0

““暴れろシャム双生児!進撃のキモかわ奇形児お兄ちゃんinバスケットケース!!””

バスケットケースの中に収納されたシャム双生児の片割れ(兄)が暴れるB級ホラー

笑えば良いのか、怖がれば良いのか、
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地獄の門(1980年製作の映画)

4.8

““喰らえ脳みそ鷲掴み!血肉湧き躍る超ド級のスプラッターホラー!””

普通のゴア描写に飽きてしまった?
なら『地獄の門』を観るべし!!

…舞台はラヴクラフト作、『ダンウィッチの怪』に登場する“あの
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不思議惑星キン・ザ・ザ(1986年製作の映画)

5.0

““傑作注意!色物の皮を被った社会派ゆるふわ異星旅行記!””

おいおい素晴らしい作品を観てしまったぞ!

「“虚構”を通じて現代社会を批判できる」
というSFの強みを良く突いている作品

人を惹き付
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ジャッカルの日(1973年製作の映画)

5.0

““ド・ゴール暗殺を企む「ジャッカル」と彼を追う警察の戦いの行方とは!?””

無駄な要素を排した硬派なクライムサスペンス

「追う」と「追われる」の見せ方がとてもしっかりしていて、淡白ながら緊張感が
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レクイエム・フォー・ドリーム(2000年製作の映画)

5.0

““崩れ行く夢に贈る鎮魂歌!ヤクが導く破滅の果てとは!?””

薬物による絶望的な破滅を、奇抜な映像表現と共にリズミカルに描いた傑作

「『トレインスポッティング』鬱マシマシで!」と注文したら出て来そ
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L.A.コンフィデンシャル(1997年製作の映画)

5.0

““暴けL.Aの「confidential(機密)」!50年代薫る重厚ミステリードラマ””

…あまりにも映画!これぞ映画だよ!!

今にもスクリーンから飛び出して来そうな50年代のL.A!

あなた
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フォーリング・ダウン(1993年製作の映画)

5.0

““全ては「太陽の暑さ」のせいだ!不条理に抗う現代の『異邦人』ここにあり!””

A・カミュの『異邦人』の主人公、ムルソーは「太陽の暑さ」を殺人の動機として答えた。
『フォーリング・ダウン』の主人公も
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ヒストリー・オブ・バイオレンス(2005年製作の映画)

5.0

““男の中に眠りし「血」の記憶が今蘇る!””

クローネンバーグ版『ジョン・ウィック』

彼の作品らしからぬ癖の無さで、万人が楽しめる良作になっている

しかし流石のクローネンバーグ、緊張感が別格。
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宇宙からのツタンカーメン(1982年製作の映画)

5.0

〜愛すべきクソ映画!笑撃のラストを見届けろ!〜

B級カルト愛好家超必見の一作

ラスト!!ラストを観ろ!もうそれだけ

ここが凄いぞ『宇宙からのツタンカーメン』

1.「城之内 死す」も真っ青なタイ
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ナイト・オブ・ザ・リビングデッド 4K リマスター版(1968年製作の映画)

4.8

“古いからって舐めるなよ!原点にして頂点、ゾンビ映画の金字塔!”

すっかり油断していた…
50年以上も前のゾンビ映画がこんなにも面白いだなんて!

原点とだけあって、無駄が削ぎ落とされた展開が気持ち
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博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか(1964年製作の映画)

5.0

“「ユーモア」と「シリアス」の不気味な同居。セラーズの怪演光るブラックコメディ”

最高に“笑えて”最高に“笑えない”作品

「コメディ」だと笑い飛ばすことができない確かな「リアリティ」
どちらに振り
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夕陽のガンマン 4K復元版(1965年製作の映画)

5.0

“モリコーネの音楽が魅せる不朽のマカロニウェスタン”

カッコいい。とにかくカッコいい。

ヒリヒリと焼け付くような鋭い眼光、

砂埃を上げて走る疾風の如き馬、

銃口から吹き出す火花と轟音、

ピカ
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クライムズ・オブ・ザ・フューチャー(2022年製作の映画)

5.0

〜気軽に観るな!?グロテスクに捻れた超ハイカロリー哲学映画〜

クローネンバーグ・ワールドここに極まれり

超キモい! 超不快! 超意味わからん!


………でも楽しい、面白い!


難解なストーリー
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ビデオドローム 4K ディレクターズカット版(1982年製作の映画)

4.6

観た人を狂気に陥れる過激な裏ビデオ

     “ビデオドローム”

から産まれし怪物「ビデオ人間」の、産みの親に対するエログロ反逆劇!!


「刺激のオーバードーズ」への警鐘を鳴らす、エログロの皮を
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キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

5.0

〜アカデミー賞待った無し!アメリカの闇をえぐる実録犯罪劇〜

スコセッシ流映画術の集大成ともいえる作品。
彼が築き上げてきた映画論が特濃でスクリーンにカムバック。
身体が麻痺するほどの緊張感に包まれた
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許されざる者(1992年製作の映画)

5.0

〜西部劇の終わりと善悪の彼岸〜

(午後ローで観たので再レビュー)

全ての「西部劇」を「神話」だとしてかなぐり葬り去ってしまった衝撃の一作

「許し難き敵を華麗に捌くことによるカタルシス」という西部
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フランケンフッカー(1990年製作の映画)

5.0

おっぱいの画面占有率高し!最高にブっ飛んだ現代版フランケンシュタイン


芝刈り機に巻き込まれて死んだ婚約者。残ったのは頭部だけ。どうしよう…
そうだ!娼婦の身体をくっつけて復活だ!!

猟奇的でエロ
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インナースペース(1987年製作の映画)

2.0

サタ☆シネで少し前に視聴

吹き替えがウンチ。
というよりウンチ以下。
そこら辺に転がってる声優気取りの小学生の方が100倍上手い

『ミクロの決死圏』を薄味にした、くだらないコメディ映画

内容や特
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裸のランチ 4Kレストア版(1991年製作の映画)

5.0

〜グロテスクな幻覚の中で男は妻を2度殺す〜 

バロウズの『裸のランチ』をクローネンバーグが映画化。
クローネンバーグ×バロウズ、奇跡の融合。
この奇っ怪な世界をその目に焼き付けろ!!

文学的な魅力
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デッドヒート(1995年製作の映画)

3.8

ジャッキー・チェンによるカーアクション映画

主役機は三菱『GTO』。他にも『GT-R』や『RX-7』を始めとする日本車が沢山登場する。
『FTO』などのマイナー車も登場するので、カーマニアには嬉しい
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風の谷のナウシカ(1984年製作の映画)

5.0

もうね、何回観ても面白い。言葉不要。
小さい頃から2、30回は観てるけど、その度に面白くなっていくんだから凄い


地を這い空を翔ぶ『蟲』の圧倒的な迫力とパワフルなビジュアル

『メーヴェ』や『バカガ
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ソナチネ(1993年製作の映画)

5.0

なんて美しい映画だろう

「ゆるさ」とは違う、巧妙な「脱力感」

そこから垣間見えるは「死」への達観した無常観

いつ誰が死ぬかも分からない緊張感の中、砂浜で子供の様に遊び続けるヤクザ達

『人間紙相
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月に囚われた男(2009年製作の映画)

4.4

月の裏側で採取したエネルギーを地球へ送る仕事を、3年契約で行う男。
偶然発生した事故から、男は思いもよらぬ事実を知ることになる……

全体的にキュッとしていて、派手さは無いけどパンチのある作品

演出
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ゴースト・ドッグ(1999年製作の映画)

4.9

〜ダウナー系HIPHOP侍、ここに参る〜

「武士道」に心酔するヒットマンが組織のボス達に復讐を誓い、いざ出陣!

不思議な作品。

シュールというか何というかか、本作にしかない空気感が魅力的
何とも
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ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア(1997年製作の映画)

5.0

『天国で流行ってることは、海を話題にすることだ』

死期が迫った男達が、海を一目見たいが為にギャングに追われ警察に追われる映画


湿っぽいテーマなのに、コメディタッチで重苦しさが全く無く、むしろ爽や
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ジェイコブス・ラダー(1990年製作の映画)

5.0

これは悪夢か現実か

おもしろい……。マジで良かった

外っ面は精神衰弱系ホラー
    but
蓋を開ければ多層的で神秘的な映画

終盤まで気付かなかった見事なミスリード

ゲーム『サイレント・ヒル
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インセプション(2010年製作の映画)

4.9

〜人の夢に潜って“アイデア”を植え付ける〜

二転三転する驚異の映像マジック

「夢」の世界をこれでもかと活かした怒涛のアクションシーン。
無重力空間で殴りあうなんて現実じゃ出来ないからね!

「夢ダ
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インターステラー(2014年製作の映画)

5.0

いい。凄く良い。めっちゃいい。

壮大なスケールのSFに、親と子の時空を超えた愛の物語を落とし込んだ傑作

SF造形の説得力が半端じゃない。
飛躍してるんだけど、とても現実的。
専門家とか集まって、い
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