souさんの映画レビュー・感想・評価

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愛してるって言っておくね(2020年製作の映画)

3.8

12分の映画なのにボロボロ泣いてしまった。

この映画の邦題「愛してるって言っておくね」これ以上のタイトルはないとまで思える。

ただ平凡な毎日でも、過ごせる事はどれだけ豊かなことなんだろうか。
欲を
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ゲーム(1997年製作の映画)

4.4

デビットフィンチャー監督作品。子供の頃に完璧にあらすじを覚えているくらいに大好きだった映画。
大人になって観ても相変わらず面白かった。

とにかくこの映画は主人公が不憫で堪らない。当時子供ながらに胸糞
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マルホランド・ドライブ(2001年製作の映画)

3.9

初めてのデヴィット・リンチ。
「わけはわからないけど面白い」という映画体験だった。
難解映画と呼ばれる中でもマルホンド・ドライブは特に理解出来なかったし、解説を色々調べて理解した上で、やはり「こんなの
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リリイ・シュシュのすべて(2001年製作の映画)

3.4

自殺、イジメ、援助交際、万引き、強盗など、若者を軸として様々な問題を描いている。
令和では信じてもらえないような社会の闇だけれど、それぞれ確実に世の中に存在していた問題だろう。

2000年代初頭の微
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キル・ビル Vol.1(2003年製作の映画)

4.4

人生で初めて楽しめたアクション映画はキルビルだった。
第一章からの引きが上手すぎるし、全てのカットにワクワクした。
会話劇からアクションまで、漫画のような脚本で快楽的だけれど、なんだかとても居心地が良
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愛にイナズマ(2023年製作の映画)

3.0

映画監督を目指す主人公が社会の理不尽さと戦う中で、10年ぶりに家族と再会するヒューマンドラマ。

この映画には、現実に存在する嫌な人間を濃縮して煮詰めたような人間がたくさん出てくる。あまりにもそれが噛
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シリアスマン(2009年製作の映画)

3.7

コーエン兄弟作品らしい、非常な現実が容赦なく降りかかるけれど、なんだか諸行無常を感じる物語。
主人公は真面目で誠実で努力家だけれど、ただひたすらに理不尽で救いようもないような不幸が降り掛かっていく。
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こちらあみ子(2022年製作の映画)

3.9

明確には言及されていないが、発達障害の主人公とその周りに生きる人々を描く映画。純粋無垢なあみ子が悪意なく、周囲の人間を不幸にしていく。

周囲の人間はあみ子を理解しようとせず、あみ子は周囲の人間を理解
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エターナル・サンシャイン(2004年製作の映画)

4.1

ミステリー×ラブロマンスの超名作。
記憶を喪失するわけではなく、自ら能動的に記憶を消す設定。あまりにも唯一無二…。

走馬灯のように振り返る甘苦い思い出は、大切な人と過ごす日常が如何に豊かであるか諭さ
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夜のピクニック(2006年製作の映画)

3.1

恩田陸の青春小説、夜のピクニック。
未だに書店へ足を運ぶと目立つ場所に並んでいる。すごい。

友人や気にかけている人とささやかな非日常を共有したり、困難を乗り越えたりする喜びは、青春に限らず共感する。
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Love Letter(1995年製作の映画)

3.8

同姓同名の男女と、顔が同じな女性二人の手紙のやり取りから、ある男子との思い出がノスタルジックに描かれる。

時代を超えて交わされるラブレター。
現代では到底交わされることはないだろう、なんだか不確実性
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別れる決心(2022年製作の映画)

3.7

オールドボーイのパク・チャヌク監督作品。
難解映画だった。濃厚なサスペンスとラブロマンスが綺麗に交わる映画。
淡白だけれど官能的な雰囲気の中深まる謎、みたいな空気感が独特で印象的。海や山、自然の映像も
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恋の渦(2013年製作の映画)

4.1

登場人物はほぼ全員最低。
道徳的に許せない不快感を感じつつも、人間の醜さを凝縮したような登場人物達に、今までの人生を振り返って重ねてしまうものがあった。

友達の前ではいい顔をしながらも、恋人にはキツ
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ぼくのお日さま(2024年製作の映画)

4.1

あらすじから思っていた映画と大きく違った。
セクシャリティの苦悩と思春期の揺らぎが交わる、成長の物語。
ただ擦れ合ってそれぞれの人生が変わっていく。

コーチである荒川は最後まで子供を否定することはな
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サユリ(2024年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

前半のしっかり怖いホラーパートからハイパー除霊アクションに変わる。
そしてめちゃめちゃ笑えて泣けた。後半から白石ワールド全開。

幽霊は死んでいるのだから当然行きている人間の方が強くて、「生命力」が霊
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セイント・フランシス(2019年製作の映画)

4.3

大学を1年で中退して34歳で独身の主人公を描くヒューマンドラマ。
妊娠・LGBT・中絶・育児ストレスなど、目を瞑りたくなるような精神的なプレッシャーは見ていて心苦しかったが、とても前向きな映画だった。
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MEN 同じ顔の男たち(2022年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

モラルハラスメントや異性に対する嫌悪、女性軽視などの社会問題をアーティスティックに描いたホラー映画。

A24らしい不穏な空気感と美しい風景が良い。
台詞が極端に少ない映画ながらも、とても難解な映画だ
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ロスト・ボディ(2012年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

ホラー映画と見せかけた骨太サスペンス映画。オリオル・パウロのどんでん返し脚本。

真犯人が判明したとき、今まで腑に落ちなかったシーンが走馬灯のように流れながら繋がっていくシーンが良かった。
復讐の為に
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イディオッツ(1998年製作の映画)

4.5

身体障碍者・知的障碍者の真似をして無銭飲食をしたり、善意を煽ったりする団体「イディオッツ」に出会った一人の女性の物語。
団体の当人たちは愉快犯に見えるようで、様々な葛藤と向き合う。

すべてロケのみ、
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ボーイズ・オン・ザ・ラン(2009年製作の映画)

4.3

なにをやっても勝てないどうしようもない人生だから、走りたくなるような日は来るよね、という映画。

コミカルに描かれていた弱者男性の描写が心に響きすぎて一つも笑えなかった。峯田和伸主演だったし、銀杏BO
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苦役列車(2012年製作の映画)

4.3

苦役列車は西村賢太氏が芥川賞を受賞した文学作品を映像化したもの。
「それでも人生は続く」と言わんばかりの展開に心が削り取られるような気分だった。
絶望的な現状や、嫉妬、失うものが無い状況から自暴自棄に
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アメリカン・ビューティー(1999年製作の映画)

4.6

幸せを再定義したくなるような作品。
様々な悩み抱える登場人物達の空虚な心と、その場凌ぎの行動が只管続く。
愚かで救いようもないストーリーであるのに、なぜどこか希望や救いを感じるのだろうか。何かが解決さ
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カルト(2012年製作の映画)

4.1

白石監督「カルト」。
しっかりとした怖さと間抜けさの両面性が魅力。あまりにも唯一無二。

霊能力者ネオ様が、とてもダサ格好いい。
果たしてこのキャラの濃さは必要だったのだろうか。
(必要不可欠である)
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ソウルメイト(2023年製作の映画)

4.3

「私以上にあんたを愛してる人はいない」なんて言葉を一度言ってみたい。家族でも恋人でもない相手に対して、ここまで真っ直ぐな感情を伝えられるのだろうか。

キム・ダミの自由奔放な姿にコンプレックスを感じて
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ザ・ウォッチャーズ(2024年製作の映画)

3.6

なんとシャマランの娘が製作した映画。
感じる…同じ遺伝子を感じる…!!

終始漂う不穏な雰囲気。ダークな雰囲気でありながらも、なんだか詩的でファンタジックなホラー映画だった。

2001年宇宙の旅(1968年製作の映画)

4.3

機械音や、空気が一定の間隔で噴射される宇宙船の「環境音」みたいなものが良い。

映画全体に漂う不穏な空気と、どう考えてもセンスが良い映像がキューブリックすぎる。

この映画の間の使い方が大好き。
「木
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12モンキーズ(1995年製作の映画)

4.0

ブルース•ウィルスの尻が何度も拝めるありがたい作品。
テリー•ギリアム監督の12モンキーズ。
重厚なSFタイムトラベル映画。

主人公が現実か妄想か葛藤するシーンや心的不安が映像からドクドク伝わってく
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