シェパード大槻さんの映画レビュー・感想・評価

シェパード大槻

シェパード大槻

吉原炎上(1987年製作の映画)

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いつも嘘が本当のことを隠す。吉原の嘘は不確かな本当より強力だった。あの環境では気合いを入れるしかなかったから、若汐の心は芯まで娼婦のように見えた。吉原の炎は映画のカタストロフィだけど、若汐には若さんで>>続きを読む

すばらしき世界(2018年製作の映画)

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美しいカットが3つくらいあった、すがる子供っぽさと諦める大人っぽさ、信頼と限界、愛着と憎悪、両者の揺れ、そこから浮いているボート、見せたいってより撮らなきゃいけなかったのかな

バグダッド・カフェ(1987年製作の映画)

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はじめは惨めな太ったおばさんに見えた主人公が、最後には彼女の心の綺麗さから綺麗な人に見えた。掃除を始めるシーンで雰囲気がガラッと変わる、あそこをポスターにした意味が分かる。どんな出会い方でも本当の友達>>続きを読む

燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)

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あのあと2回しか再会できないのが良い。絵画の28ページとコンサートの横顔、破綻する恋にありがちなこの遠さ。個人的に、同性愛とか年齢差とか不倫といった未来のない関係への偏好がある。「燃ゆる、女の肖像」と>>続きを読む

東京戦争戦後秘話 映画で遺書を残して死んだ男の物語(1970年製作の映画)

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ないものを追いかける、堂々巡りになる、わかったような口をきくのが快感なだけでなにもない、想像も映画も政治も虚構みたいで、それに比べて死は一定程度固い。私が追いかけるのは過去の私か未来の私か、モラトリア>>続きを読む

ファンタスティック・プラネット(1973年製作の映画)

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動植物、衣装、建築、瞑想のビジュアルがやばいシラフで思いつくのかあれ。人間以外の生物との関係や迫害を思い出させる内容と、知識がカギというメッセージ。欧州の哲学とか宗教とかの影響がありそうだけどあまりわ>>続きを読む

ナミビアの砂漠(2024年製作の映画)

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普通の生活は遠くから見たら砂漠の水飲み場みたいなものかな。構造的な問題(格差、貧困、孤独、性差、精神疾患)は、(私がこの映画を見たりカナが砂漠を見たりする方法で)外から知ることでしか冷静に見られないの>>続きを読む

パーフェクトブルー(1998年製作の映画)

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アイドルの話をしている群衆をグループごとに追う(アニメなのに)カメラ的な映像や横滑り、古いカメラのような色彩が面白い。
ミマの部屋は、アイコンのような四角い窓によってソフトやサイトのように世界に開かれ
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ロリータ(1962年製作の映画)

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昔から少女とおじさんの話が好きで、痴人の愛・レオン・ロリータや男の子バージョンの禁色・ベニスに死すなどを好き。耽溺と悲恋の主は老人にしか務まらないと思っている(レオンは違うけど)。未来に懐柔されない破>>続きを読む

勝手にしやがれ(1960年製作の映画)

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映画たる映画。劇伴の劇は劇薬の劇で、俯瞰で別れるところの音楽が特によかった。題名を忘れたのに開始2分で勝手だなーと思った、憧れの昔のあの適当さ。2人の対決は、他人のことを本当には分からないことと、いま>>続きを読む

止められるか、俺たちを(2018年製作の映画)

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深刻なシーンにズボンはいらないのさ。星の尻尾はなぜ生えた♪女の深化しなさと女の神秘は関係している。女だから死んだ?この社会では個人の心は女だからってことに関係する。男とか日本人とか高学歴とかよりもよく>>続きを読む

青いパパイヤの香り(1993年製作の映画)

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なんかいい。
女の子が自然をたのしむ顔がいい。昼と夜の明るさのコントラストが強い。開放的な家で、密室(ドア閉め)が目立つ。蒸し暑いんだろうけど、なんとなく爽やかな映像は監督の趣味かもしれない。シンデレ
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実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)(2007年製作の映画)

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実録!前半の映像が良かった。後半は映像はあんまり。あさま山荘以前の方がやばい。善悪を断言する人と権力を持つ人が同一の組織では上層部の内面が不透明になると読んだことがある。過去に逃げた森のコンプレックス>>続きを読む

アイスクリームフィーバー(2023年製作の映画)

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20'sTokyo系として30年後に好まれそう。役が人(にん)に合ってる。丸角と女性とアイスのかわいさに似合って深化しない群像劇。店番と100万年(一万年)愛すは恋する惑星のオマージュかな。

PicNic(1996年製作の映画)

5.0

塀の上に天使と悪魔。
混沌の現実でも秩序の施設でもないところ(塀)に、彼らの信じることだけが法則の本当の世界があってそこは不便だけど、閉じた世界は青春の宝物。
ココが施設外の塀に飛んだ時の嬉しさ、こう
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化身(1986年製作の映画)

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痴人の愛みたい。飽きられる前に去る女。映画はこれくらい悲しくなくちゃね。やっぱり悲恋の主になれるのは老人だ。すごい面白いわけじゃないけどなんとなく好き。霧子がファッション系になっていく変遷がリアル。藤>>続きを読む

恋愛寫眞 Collage of Our Life(2003年製作の映画)

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別れも殺しも嫉妬かよと思うけど職業芸術人にとっては生活と自意識に関するのっぴきならない問題なのか。広末涼子の透明感と無邪気さと自分の前だけでこの感じなのかも感がgood!

溺れる魚(2000年製作の映画)

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色とか広角とか差し込まれるイメージとか繰り返しのカットとか画質とか、、いやもっと全体の、、この時代のこの感じの感じが、、若さと舐めプにアングラが混じるのがいい、これは未来を想定しない平成世界。(冷笑な>>続きを読む

いますぐ抱きしめたい(1988年製作の映画)

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ブランケットの良さを描けるのはこの人だ。少しの怠惰とそれを繰り返す若い生活。或る温度と質感が保たれている。色と会話によって。
監督は女選び、男選び、室内選びがピカイチ!正面からシンメトリー構図でも堅く
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逆噴射家族(1984年製作の映画)

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手製のまじないで生活をもダメにする人間の精神の複雑さといえば手のつけようがない
家の壊落と外の暮らしが良い
変なものはクリエイチブだ

ユリゴコロ(2017年製作の映画)

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数千年後の人類が現代の書物や映像を見たら、命の重さと善の仕組みに戸惑うと思う。
面白くない
個人的には愛が倫理観と病気を凌駕してほしかった。
鉄板溝事件の相手と偶然橋で出会うのと、息子の婚約者と偶然知
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BULLET BALLET バレット・バレエ(1999年製作の映画)

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モンタージュと点滅で1秒前の像も覚えていられない。白黒の淡い街。意味がなくても身を挺している感じが必要。男一人の密造現場はなんといっても楽しい。引き金、引き金、引き金→Music!!!! 銃という強力>>続きを読む

初恋(1997年製作の映画)

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雑と自由で救ってあげる
精神病の男と夢遊病の少女
監督は少しも支配者じゃないこと
女の子可愛い

シン・ゴジラ(2016年製作の映画)

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 国のかっこよさは忘れがち。庵野監督のカメラ位置。漢字とカタカナのかっこいいセリフが大量、静かなフランス映画の300倍はセリフあるね。良い作家は手を抜くところと凝るところが他人と違うと思う。
 映像の
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[Focus](1996年製作の映画)

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なんかいい。嫌な感じが現実と地続きで募って、、臨界!引き金の引き金たる役割。ラストに異質の海が良い。いつも、映画の中で映像に挑む映画人は鬼才だろうと思う。

ゲームのカードを落としてしまったのですが
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ギルバート・グレイプ(1993年製作の映画)

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愛と閉塞の暮らしに、ベッキーが自由さをくれた。理由の無い愛には疑いも義務感も無い。家が燃えたのは、あれは愛のために家が燃えたんだから兄弟の顔はオレンジに見えた。死と解放が同時なのは物語的ではなくて現実>>続きを読む