日本航空と政府の腐敗を描く。主役の恩地(渡辺謙)のキャラクターにいまひとつ共感できない。非常に青臭く、ナイーブで甘い。ケニアではイキってハンティングなどしてむしろ楽しんでいるようにすら見える。劇終の心>>続きを読む
痛快娯楽時代劇というところか。忠義や仁という点での人々(映画を愉しむ側の)の価値観を知る意味で興味深い。戦闘シーンの背景がクラシック音楽というのは多分ポップな演出だったのだろう。
鉄道利権と復讐を描くスケールの大きな西部劇。エンニオ・モリコーネの音楽がもう1人の主役。後の『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』で再現されたシーンもちらほら見える。セルジオ・レオーネらしく長>>続きを読む
元FBIの凄腕プロファイラーが自分の心臓のドナーの殺人事件に挑む。クリント・イーストウッド作品にしては目立たない小品。
『地獄の黙示録』撮影の地獄。コッポラ監督には不満でも我々凡人からすれば傑作。世の中は凡人が大部分だからとりあえずは不満でも撮り切ることだ。
異なる文化の地で孤独を感じるアメリカ人男女の短くて微妙な恋愛。テンポが悪く冗長。コッポラ監督の娘であり気鋭のソフィア・コッポラ監督作品ということで下駄履かされているような気がする。特に日本人にとっては>>続きを読む
AIDSのため不当に解雇された弁護士の、人権を守るための闘い。病にやつれていく主人公をトム・ハンクスが熱演。
最初は同性愛やAIDSに偏見を持っていたデンゼル・ワシントン演じる弁護士も、そこにあるのが>>続きを読む
刑務所でカードをマスターした男。何かトリッキーで痛快な物語が始まるのかと思えば、アブグレイブの捕虜虐待と関係が。とは言えストレートに復讐に向かうでもなく何やらもやもやした展開。スッキリしない作品。
終盤は滅茶苦茶になるがそこに至る緊張感、ワクワク感はさすが。エンニオ・モリコーネは敢えて交響曲を提供したが、タランティーノとしてはもっとベタでキャッチーな西部劇風音楽が欲しかったんだろうな。さすがにマ>>続きを読む
生まれてから一度も陸に上がることなく大型客船の中で生きた数奇な男の人生を描いた壮大なお伽噺。スケールが大きくきれいな影像と美しい音楽。なぜ突然ピアノが弾けるようになったのかは全くスルーされているが。
セルジオ・レオーネ長過ぎる。ケチな賞金稼ぎのストーリーが超大作並。少年時代から老年期までを描いた『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』があの長さなのも今なら納得できる。
元はシンプルなストーリ>>続きを読む
話が込み入り過ぎ。もっとシンプルな勧善懲悪アクションを期待したがセルジオ・レオーネにその気はないようだ。
キリスト教会の欺瞞。人間の残虐と野蛮がエンニオ・モリコーネの美しい音楽を背景に描かれる。
公開当初は、冒頭の、十字架に縛られた神父の滝落ちが人形でなく人間で撮影されていることが専らの話題だったが全くの>>続きを読む
刑務所での非人道的な虐待を描いた映画は少なくないが、本作は軍人向けの刑務所という店で異色。虐待ぶりも想像したものよりはソフトであり、これを問題視しているという意味では健全。この終わり方はシドニー・ルメ>>続きを読む
娘がタイムスリップして若き日の母親と交流するお話。途中ダレたり、終盤では設定がよく分からなくなって取っ散らかった感があるが、最後に本作が監督自身の母親への想いであることが解りしんみり。
ジョン・ウィリアムズと並ぶ映画音楽の巨匠エンニオ・モリコーネのドキュメンタリー。馴染みの音楽と新鮮な驚きに彩られる2時間半は長く感じられない。モリコーネと言うと『ニュー・シネマ・パラダイス』が代表曲の>>続きを読む
今日、世界の病巣であり最も好ましくない国アメリカの闇のほんの一部。レベルが高ければ高いほど、内容が酷ければ酷いほど犯罪を公表した時のネガティブな影響は大きくなる。しかしそれを理由に公表を控えれば、国家>>続きを読む
同性愛が認められていない社会で平穏に生きるために偽装カップルとなるゲイとレズの若者。本人たちは真剣であり深刻。コメディなんかではない。何か「である」ことを理由に差別する世の中がおかしいのだ。本作は男の>>続きを読む
実の父娘でも痴呆症によって他人になり、偽りの母子でも愛情によって真の親子になる。親と子の結びつきとは本当に血や先天的なものなのか?母は母であるのではなく、自ら母になることで母足り得るものかも知れない。
物語の作家はどんなストーリーを考えることも可能だが、都合の良過ぎる話は見る側には苦痛でしかない。シナリオも一言一言が陳腐。林遣都や波瑠の大根演技が光るがそれにしてもマスターはなぜこの人だった?こんな映>>続きを読む
飛行機事故で生き残った男が、乗り合わせた3人の遺族を訪ねる内に自分自身の大事なものに気付く物語。
一世を風靡したSF映画。さすがに古臭さは否めないが、人類の文明、その野蛮さを諷刺している。とは言え些かテンポも悪く、まあ古い作品だからこんなものかと我慢していたら最後に一本取られてしまった。いずれにし>>続きを読む
序盤はどうかと思ったが、尻上がりに面白くなった。男はつらいよシリーズのくるまやのバイト三平ちゃんが掃除業者の社長として良い味を出している。この人全然年取らない。
右翼発狂必至の反日復讐ドラマ。それ自体は構わないのだが、作品として面白くない。話は長いし都合が良過ぎ。何より主人公が老人に見えない。
よくあるハッピーなシェフ物でもなく、『バベットの晩餐会』スタイルでもない。フランス革命は起こるべくして起こったというお話。自然がとても美しい。
悪役がいてヒーローがいて古代ローマの街やコロッセオが再現されていて、正に映画の醍醐味といった作品。よく出来た映画は2時間半も長く感じない。
繊細で無垢な天才ピアニストの人生。独占欲の強い父親が彼の精神に暗い影を落としていく。
移民支援施設で働かざるを得なくなったシェフと若者たち。感動を呼ぶために物語に必要な要素は「人が変わる」こと。シェフが変わり、若者が変わった。終盤には意外な見せ場も用意されている。
トム・ハンクスにしてはベタベタで安易な小品。なんでもいいから1本撮らなきゃいけない事情があったのかな。
大手スーパーで優秀な店員として働いていた主人公が、大学に入った途端に急に世間知らずキャラになるの>>続きを読む
奇跡の発展を遂げた焼肉屋の話かと思ったが違った。高度経済成長から取り残された在日朝鮮人家族の物語。迫害されながら日本で生きざるを得ない彼らの苦労や苦悩が描かれており、日本人も知るべき物語ではあるが、と>>続きを読む
ザ・角川映画。音楽が横溝正史シリーズにも通じる独特の雰囲気。本作は何と言っても薬師丸ひろ子衝撃のデビュー作としての価値が大きい。同時期にテレビドラマでも野性の証明をやっていたが女の子がかわいくなかった>>続きを読む
ヘタレ王子が他国の人妻を奪ったために国が滅ぼされる物語。国民はたまったものじゃないがいつの世も戦争なんてものは為政者の無責任な行動から起こるもの。
スケールは大きい作品。