意外にも、ほどよい加筆修正を施した「ふつうの実写化」だった。予告編の雰囲気、主役や家具たちのヴィジュアルからは、かなりシリアス度の高い別物になるのかと思っていたが。野獣の見た目が面白くない、エマ・ワ>>続きを読む
■映画人としてのコクトー
詩人であり、ほか戯曲・小説・評論などマルチな才能を発揮したジャン・コクトーも、この新興の「第七芸術」に取り憑かれた。『美女と野獣』はそんな彼の監督作品のひとつであり、お>>続きを読む
本作は『パパはグーフィー(Goofy Troop)』というテレビシリーズの映画化なのだが、その際にマックスが小学生から高校生に成長するなど変化がみられる(心なしかグーフィーも老けて見える)。制作スタ>>続きを読む
全体的に異化効果が目に付いた。寡黙で無表情であり、カメラに背を向けることの多いシャロンの主観世界を、おそらくは反映させたいのだと思われる。音楽については、前半のクラシック・現代音楽の多用や音楽をブツ>>続きを読む
ファンサービス的な『有頂天』『四畳半』ネタが多くて大いに笑わせてもらったけど、知らない人には「何のこっちゃ」だろうな。それがなければ、初期作品に色濃いエログロや酷薄さを差し引いたうえで、アニメーショ>>続きを読む
とにかく「アニメ」をやるぞ!という気迫がすごい。神様とのやりとり、カーチェイス、鯨体内の祝祭そして脱出。躁病者の観念奔流のように、繰り出されるアイデアの乱打が、その落書きのような絵と塗りとあいまって、>>続きを読む
『リトル・マーメイド』『美女と野獣』以来の衝撃だった。こういう、段違いのレベルを突然見せられると反応に困る。今までのが急にチャチに見えてしまうではないか。
監督のクリス・バックは言わずと知れた『ア>>続きを読む
※もう1回観て、だいぶ考えが良いほうに変わったのだが、書き直す気力は湧かないのでこのままにしておきます。
1989年に誕生したフロリダの「ディズニー・MGM・スタジオ」が主導した最初の作品。この新>>続きを読む
WDFA35作目の長編で、マスカー&クレメンツの4番目の監督作。明らかに『アラジン』の二匹目のドジョウを狙っている。彼ららしい、ナンセンス、内輪ネタ、風刺・パロディ等々の無節操なギャグは、もはや手が>>続きを読む
『美女と野獣』の監督らとプロデューサーによる作品であり、『ポカホンタス』につぐ「意識高い系」ディズニー作品。『美女と野獣』の作品賞ノミネートが、よほどジェフリー・カッツェンバーグの意欲に火をつけたも>>続きを読む
休憩なしでの4時間。睡魔との戦いになるかもしれないという不安は外れた。主人公をひとりの少年にはっきりと定めつつも、『恐怖分子』同様に、しかしはるかに多様な人物に焦点を移しながら、来たるべき出来事に収>>続きを読む
観ていて少しだけ大友克洋のマンガのようだと思ったのは、作品の根底にある感情が「退屈」だからである。
不良少女のイタズラ電話も、女流作家の急な心変わりも、ボンボン息子の余計なお節介も、すべては深い思>>続きを読む
冒頭の馬車で「ん?」
次の水兵で「おお?」
所変わってインディアンの森で「アイヴィンド・アールじゃん!」
奇しくもディズニーの衰退のきっかけという歴史的位置づけまで一緒だし、アイヴィンド・>>続きを読む
『美女と野獣』『アラジン』そして本作『ライオン・キング』は、アニメーション映画の世界興行収入の記録を更新しつづけ、2Dに限定すれば未来永劫破られることはなさそうだ(悲しい)。なお、物価上昇率を調整し>>続きを読む
マスカー&クレメンツ・コンビの3作目は、ある意味で正統派なつくりの『美女と野獣』から打って変わり、彼ららしいハイテンションかつカートゥーンな娯楽作品となった。ジーニーを演じた超大物コメディアン俳優の>>続きを読む
ディズニーの長編アニメーション第30作。そして、「最高傑作」との誉れも高い。
実際、物語、作画、演出、美術、演技、そしてもちろん音楽、すべてにおいて傑出している。ほとんど全ショットが感動的だ。こん>>続きを読む
■初めての続編
90年代、アイズナー独裁体制下のディズニーは、ヒット作の続編シリーズをビデオ媒体で売り出していく。さらに2000年代になると黄金期の作品にも手を伸ばし、ピクサー合併後にジョン・ラセタ>>続きを読む
本作をもって、「ディズニー・ルネサンス」の幕開けといわれる。この言葉の意味は、単にディズニーブランドの復活というだけではない。本作は『ジャングル・ブック』から20年ぶりの童話原作ものであり、『眠れる>>続きを読む
いろいろ元ネタがあるらしいが、全く未見のまま突撃。
結局、悲しいことに心からノレないままエンドロールを眺めることになった。多分だけど、予習しておいても変わらなかっただろうどころか、いっそうネガティ>>続きを読む
■ミュージカル完全復活
世間様がミュージカル映画で盛り上がっているので私も観ました。
主題歌も挿入歌もいっさい排した『コルドロン』から一転してミュージカルを取り入れた前作『オリビアちゃんの大冒険』>>続きを読む
■救世主再び
アイズナー、ウェルズ、カッツェンバーグの新しい経営陣を迎えて最初の、またマスカー&クレメンツのコンビが監督に加わった最初の劇場アニメーション作品。
前作『コルドロン』の大敗、>>続きを読む
やや肩すかし。引き込まれたのは塚本監督たちの処刑シーンまでで、ロドリゴが捕まって以降はいまいち盛り上がらない画面が続く。原作は書簡体小説で、届くかどうか不明の一方的で饒舌なモノローグが神の沈黙を際立>>続きを読む
オールドスタッフ去りし後の初作品は、いわゆる「暗黒期」を象徴する失敗作となった。とはいえ、久々の本格的なハイファンタジーだし、剣と魔法で戦うのはこれまで『眠れる森の美女』の終盤しかなかったので目新し>>続きを読む
とうとう長いこと活躍し続けたベテランたちの引退するときが来た。しかし制作の初期段階で、後継者扱いだったと思しきD.ブルースがJ.ポメロイ、G.ゴールドマンらを率いてスタジオを飛び出してしまう。スタッ>>続きを読む
これはBDで観たかった。めちゃくちゃ面白い。ディズニー長編のなかで、ここまで目を引くアクションと本物のサスペンスに満ちた作品は初めてだ。最大のヒット作になったのも頷ける(では、なぜ日本版BDがないの>>続きを読む
1977年公開だが、「プーさんとはちみつ」(1966)、「プーさんと大あらし」(1968)、「プーさんとティガー」(1974)のテレビ用アニメーション3作をまとめて、中間と結末だけシーンを付け足した>>続きを読む
本作含め、この頃から日本版BDが未発売の作品が増えてくる。BD画質・音質に慣れていると、DVDはちょっときついものがある。
■また「軽い」作品
あまり期待していなかったが、意外と面白かっ>>続きを読む
とにかく電話に出ない映画だった。
何者かに自宅の窓に投石された朝、愛人の元へ早く行きたいがために、ロメオは校内に入る前に娘エリザを車から下ろす。愛人宅でいちゃついているとスマホが鳴る……促され>>続きを読む
ウォルトが制作にほぼ関わっていない最初の作品となる。「ほぼ」というのは、企画を立ち上げ、ストーリーボードを指示するところまでは生前にやっていたため。本作に始まる70~80年代がのちに「暗黒期」と呼ば>>続きを読む
ウォルトが製作に関わった最後の作品で、当時ディズニー最大のヒット作となったのも納得の素晴らしい出来だった。
ジャングルで狼に育てられた子ども、モーグリ。ところが、そこに人間を憎むトラ、シア・カ>>続きを読む
■日本版BDがない
ここにきて日本盤BDの存在しない作品が登場(DVDすらまともに入手できない『オムニバス・シリーズ』は除く)。US盤はあるが、品質はよくないらしくAmazonのレビュー欄が炎上して>>続きを読む
レビュー101本目になるよう調整すればよかった笑。前作『眠れる森の美女』は相当高くついたようで、公開年(59)の冬にアニメスタッフは551人から75人にまで減ってしまった。ウォルトの兄ロイは、劇場用>>続きを読む
ディズニーの全身全霊が込められた文句なしの名作。(オムニバスシリーズは途中飛ばしたが)ここまで観てきたディズニー・クラシックスはどれもオリジナルな輝きを放っているが、本作の徹底的なこだわりには初期5>>続きを読む
盲目の退役軍人の家に3人の泥棒が忍び入る。簡単に終わると思いきや、このジジイがただ者じゃなかった! こわ~いワンワンもいたよ! という話。力関係が大逆転することで、物語は入居者による侵入者撃退ものか>>続きを読む
なんかスター・ウォーズで初めて感動させられた気がする。『ディープ・インパクト』懐かしいねぇ……。
過去作品へのオマージュについても、「ファンへの接待」なんて揶揄もされたSW7のサービス過剰感は>>続きを読む
男が『リラクタント・ドラゴン』という絵本をディズニーに売り込みに行く。本社に通してもらえるが、案内役をほったらかしにしてスタジオの各部門を回っていく。社内の美術学校では本物の象を教室に連れてきてデッ>>続きを読む