事実上のジブリ第1作だが、ジブリ設立後の『ラピュタ』以降と比べると良くも悪くも違う。
■作画とか美術とか
制作のトップクラフト社のスタッフでは足りず外部に依頼している。作画は金田とか なかむらた>>続きを読む
アカデミー賞「こういうのでいいんだよこういうので」部門ノミネート作品。
でも最近の米製アニメにありがちなメタ台詞で最後ぶち壊された(ディズニーも結構多いんだよな。本当やめてほしい)。例外も多数ある>>続きを読む
脳をいじって超人的反射神経←分かる
脳をいじってサイコキネシス←まぁ分かる
脳をいじってコンクリート素手でぶち抜いても平気な肉体←分からない……
というわけで魔女(コマンドー)、超能力(物理)なネタ>>続きを読む
■経緯とか
1978年4~10月まで放送された『未来少年コナン』の後、宮崎駿はふたたび高畑勲のもとで世界名作劇場のレイアウトに戻っていた。『赤毛のアン』(1979)だが、宮崎は15話で離脱してしまう>>続きを読む
改めて観ると、僅かに毒っ気を感じないこともない。パパンダに「親がいないのはよくない。子どもは親がいて育つものです」と言われたミミ子が、「そりゃいないよりマシかもしれないけど」と返したり(ついでに付言>>続きを読む
2本目の「B作」。というか、『どうぶつ宝島』が特撮映画に負けただか何だかの理由でA作自体がもうつくられなくなる。世評とは対照的に、湯浅政明が「僕的ベスト20」に挙げている作品で、確かに湯浅作品に通ず>>続きを読む
『長靴をはいた猫』と並んで東映動画の長編アニメーションの最高傑作との呼び声が高い作品。『猫』に比べるとだいぶシリアス味が増しているが、動物を擬人化した海賊たちと、全編に散りばめられたギャグによって、「>>続きを読む
Blu-ray入手困難だからこれだけ観ることにしたけど、誇張なしで体感時間4hでした。
本作は実際はアンヌ=マリー・ミエヴィルの短編『マリアの本』とのセット。こちらは多感な時期に両親の別居で混乱し>>続きを読む
この頃から東映動画は長編の制作体制を2ラインにし、従来通りの本格長編をA作、もうひとつの60分程度で実写映画の前座扱いをB作とするようになった。これは最初のB作。石ノ森章太郎が原作だが、池田宏監督が>>続きを読む
『どうぶつ宝島』と並んで人気の高い作品。特徴としては、従来のややもすると生真面目だった漫画映画と違い、全編にわたってアクションコメディである。ヴィランにもちょっと愛嬌がある。
高畑がスタッフをみ>>続きを読む
高畑勲の監督デビュー作であり、最初で最後の冒険活劇もの。公開当時の興行収入が示すようにエンタメとしては失敗だった。
その理由は、限られた上映時間のなかで以下の3つの課題を同時に達成しようとしたこと>>続きを読む
東映漫画映画は『ホルス』以前/以後にざっくり分けられるわけだが、本作は『ホルス』以前の作品では最も興味深い。まず、アートスタイルが1つの個性を表現するべく統一されていること。それは平面性の強調である>>続きを読む
『ちいさなプリンセス ソフィア』中のエピソードとして放送されたが、全3シーズン放送された『アバローのプリンセス エレナ』の0話でもある。
この『エレナ』はちびっ子向けながら結構見所がある。何と言っ>>続きを読む
東映の「長編漫画映画」の第3作で、手塚治虫の『ぼくのそんごくう』が原作である。本映画自体にも関わった手塚はしかし、自分のストーリーに相当手を加えられた、アニメは漫画と違ってクリエイターの個性が生かさ>>続きを読む
■戦後初の和製長編アニメーション
日本初のカラーによる長編アニメーションでもある。★5の理由はもっぱら、本作が①戦後商業アニメの“実質的な”始点であり、そして何より②高校生の宮崎駿にアニメの道を決意>>続きを読む
チャニメ。主人公の白澤(瑞獣の擬人化キャラ)は神獣・妖怪たちの病気を治す医者で、唯一崑崙の医学で歯が立たない黒霊という病気を研究している。この黒霊というのがヴィジュアル的には瘴気の類で、もちろん攻撃>>続きを読む
最後まで何ひとつハッキリしないまま破綻と感じさせない、不思議な感触の映画である。映像としてはアピチャッポンの影響が明確に窺える一方、登場人物の曖昧な象徴性や全体に漂う空虚感は村上春樹を連想させる。同>>続きを読む
ディズニー・ピクサーが、「前近代西洋風ファンタジー世界を舞台にしたバトル主体の冒険活劇」という王道ジャンルをやってくれないので、その辺りの心の隙間を埋めてくれる作品。元々この方面はドリームワークスが>>続きを読む
■『やぶにらみの暴君』と『王と鳥』
日本の戦後アニメーションに多大な影響を与えたフランスの作品。「搭乗型巨大ロボットが出てくる世界最初のアニメーション作品」と言えば、その重要性を伝えるに十分だろう。>>続きを読む
なんか最近ピノキオが話題になったので、ロシア版ピノキオをば。原作はかの文豪トルストイ……と同姓同名の赤の他人が1936年に書いた童話で、『ピノキオ』の翻案というと聞こえはいいが、要するにパクリである>>続きを読む
アフリカを舞台にした本作は、イオセリアーニ異色作という位置づけになるだろう。とはいえ、同じようなテーマを扱っているように思える。主人公であるアフリカのある部族は監督にとって他者ではなく、むしろ近代化>>続きを読む
『落葉』の次作であり同作との共通点もあるが、つかみどころのない作品。ひとつ言えるのは、本作も都会という舞台が強く意識された作品であることだ。結末も主張はしないが示唆的である(あの駆り立てるような時計>>続きを読む
イオセリアーニの第2作、長編では第1作。ラジオで政府広報が「計画」「計画」というので、旧ソ連時代を否応なしに彷彿させるが、ストーリーもこの計画に対する批判を込めたものだった。生産計画の達成のために質>>続きを読む
アンデルセンの最も長い童話を割と忠実になぞったアニメーション作品であり、『イワンと仔馬』と並んでソ連のセルアニメーションを代表する作品と言って差し支えないだろう。他にも多数童話原作ものがつくられてお>>続きを読む
何ともコメントが見つからない映画。21世紀先進国のひとつの風景として、超越論的審級がない中で選択肢が爆発的に増えた結果、すべてが等しく無価値に見えるという消費社会の末期的現況があり、それをマルチバー>>続きを読む
ヴィルヌーヴの映画は観れば観るほど失望が深まっていたので避けるべきだったが、録画リストから適当に選んでしまった。まず、単純にストーリーが一本調子で面白くないし、(例によって)アクションも全然撮れてい>>続きを読む
スターリン時代後期を代表するソ連の長編アニメーション。監督のイワノフ=ワノーは20年代から活躍している、ソ連のアニメーション史の最重要人物と言ってよい存在だ。ノルシュテインの『ケルジェネツの戦い』(>>続きを読む
ディズニーが第二次大戦中につくったプロパガンダ作品は数あれど、おそらくこれと『空軍力の勝利』が一番有名だろう。当時は例えばポパイも日本兵をぶっ殺していたわけだが、ディズニーの場合はウォルト本人がかな>>続きを読む
エイゼンシュテインが書いた、正直ちょっと引くくらい熱いディズニー礼賛文。断続的に書かれ続けた諸エッセイのなかで何度か本作も言及されている。曰く――
「このようなものを作るためには、なんと純粋で澄み>>続きを読む
ポランスキーがイギリスで撮った長編第二作は、前作でわずかに感じられたヒッチコックの影響はより明瞭になっている。要するに心理主義的なサスペンス(人物のリアクションに焦点を当てた恐怖演出)ということだが>>続きを読む
一見、いかにもヌーヴェルバーグですという感じ。先輩たちがヒトラーとスターリンの悪夢の記憶にとらわれ続けるなかで、ポランスキーは明らかに自覚的にブルジョワ的現代劇をデビュー作として選択した。
観てい>>続きを読む
ディズニー初のマルチプレーンカメラ使用作品というか、その実験作。最初は5枚、その後7枚の層があり、そこのガラスに背景の一部分を描くことで実写映画のような遠近感を演出するというもの。といっても本当に実>>続きを読む
父親の肖像画がソーセージ(『ピーターラビット』のキャラクター紹介かよ)。『三匹の子ぶた』はディズニーが重要な一歩を踏み出した作品として、ものの本では必ずと言っていいほど登場する。主題歌の『オオカミな>>続きを読む
ホウ・シャオシェンや特にジャ・ジャンクーの影響を濃厚に感じさせつつも、より自然体でまろやかな口当たりが好感度高い傑作だ。川沿いの都市の大変化を長回しでとらえると聞けば、もちろんジャ・ジャンクーの名作>>続きを読む
この作品の女神(ペルセポネ)は白雪姫の習作だったが、その出来は無残なものである。冒頭の子どもに率いられて歩いていくアニメーションなんて、「おたく軟体動物ですか?」とからかいたくなるほど気味悪い動きを見>>続きを読む