アンジェイ・ワイダの代表作。戦後ポーランドの反共勢力という負け組を主役にしており、ニヒルな主人公と乾いたタッチによって映画全体にただならぬ虚無感がただよう。ワイダの演出自体は見たところ古典的にとどま>>続きを読む
巷では「レビューサイトで日本人は辛口だ、外国人は加点法なのに日本人は減点法で採点する」と言われている。私は褒めて伸ばすタイプでありたいので、加点法を採用したいと思います。
・綾瀬はるか +0.2点>>続きを読む
川本喜八郎の不条理三部作のラストで、不条理感は一番。
武満徹作曲の劇伴に歌舞伎役者のナレーションと、欧米のコンテスト向けに作っただけあって、向こうの人にウケそうな要素を集めている。もちろん作品じた>>続きを読む
安珍・清姫伝説。追う女と逃げる僧。清姫の執念の鬼気迫る様が見応えあった。髪振り乱し般若になり龍になって川を渡り火をふく。安珍を隠した鐘に絡みついて蒸し焼きにしながら血の涙を流すのが、恐ろしくも悲しい日>>続きを読む
今昔物語集から。あまり幸福でなかった割に長生きしてしまった猟師の母親が鬼に変化して、息子を狙うも返り討ちに遭う。息子は鬼が母親だったことを家に帰ってから知る。「長生きしすぎると我が子も食らう鬼になると>>続きを読む
大塚康生のドキュメンタリーなんだけど、「教えることに関して言えば、宮崎駿なんて全くうまくないです」という高畑勲の証言が一番記憶に残った。まぁみんな知っていることだけど。
証言者も高畑勲や小田部洋一>>続きを読む
川本喜八郎のデビュー作で、黒柳徹子が声を当てている。後年の代表作と異なりコミカルな作風だが、アメリカンカートゥーンからそのまま演出を取り入れるあたりが過渡期的といえるだろうか。お酒にひかれる小坊主が首>>続きを読む
■老成と苦渋
本作では、チャップリンの人間としての老成と、当時の彼が陥っていた苦境の両方を見ることができる。先に後者に関して触れると、自分の信条が不当なアカ呼ばわりで迎えられていたこと、自分が拠って>>続きを読む
「ポーランド防壁論」という言葉がある。
この言葉を知ってから本作を観れば、繊細な光陰と色彩、美しい女優による良質なアート系ヨーロッパ映画という印象は様変わりすることだろう。まるで本作の中にしばしば>>続きを読む
ミッキーマウス・シリーズ初のテクニカラーであり、シリーズ最高傑作と言われることも多い逸品。例えばノーマン・マクラレンも世界のアニメーション・ベスト5に本作を挙げている。何がそんなにすごいのかを理解する>>続きを読む
追光動画の新作で、『新神榜 哪吒重生』と同じ世界観。今度の主人公は楊戩である。
『ナタ転生』同様、古典の再解釈やミックスがかなり高度で、だいぶハイコンテキスト。確かに知らなくても楽しめるのだが、>>続きを読む
前にピクサーイズデッドとか言ってすまんかった。傑作だった。
■やはり親世代向け
ただし、ピクサーの絶頂期に見られた冒険活劇ではない(そちらの良作はもう望めないのだろうか?『バズライトイヤー』は本>>続きを読む
シリーシンフォニーの第45作で、ドナルドダックのデビュー作。脇役として登場する。初期ミッキーが後年よりもネズミらしかったのと同様、ドナルドダックもまだアヒルっぽさを残し、また細身である。あの滑稽味を>>続きを読む
シりーシンフォニーの第29作で、世界初のテクニカラー映画でもある。草花や樹木、鳥やら虫やらのアイディア豊富な動きが詰め込まれており、かなり濃密な7分半となっている。まだ発展途上とはいえ、『蒸気船ウィ>>続きを読む
予想よりはずっと楽しめた。
■お話
とはいえプロットは実にステレオタイプで、「死ぬならこいつかな」と思われた人が死ぬし、「つまり最後はこうなるってことかな」と思われた通りの展開が待っている。しかし>>続きを読む
撮り溜めしすぎてHDDがいっぱいになってしまったので、気軽に観れそうなやつから処理することにした。しかしまぁ本作がきっかけで不倫からの略奪婚、からの離婚、今も続く泥沼裁判という経緯を思うと、「気軽に>>続きを読む
言わずと知れた、版権キャラクターの帝王のデビュー作(製作順でいえば3作目)。この頃のネズミはお行儀が大変悪く、本作でも動物虐待にいそしむサイコパスである。牛の歯を木琴にする場面は一度見たら忘れられない>>続きを読む
ミッキー・マウス第2作(一般公開は3作目。経緯は『プレーン・クレイジー』で書いた通り)。
ダチョウに乗って酒屋を訪れるミッキー。酒屋の看板にアルゼンチンと書いてあるのは、当時アメリカで禁酒法が敷か>>続きを読む
『ミッキー・マウス』シリーズの第1作。大西洋横断に成功した実在の飛行士チャールズ・リンドバーグに憧れるミッキーが飛行機を作り(というか献身的な動物たちに作らせ)、ミニーと共に出発するも制御が効かずに>>続きを読む
ゴダールの中でも面白い部類だと思う。序盤の田舎道の渋滞を延々とトラヴェリングするシーンや、神を名乗る男と対峙した次の瞬間羊の群れに囲まれているジャンプカット、主人公たちが事故るシーンの画面分割、モー>>続きを読む
MAO MAO!!!!
本作のあとゴダールは五月革命そして<政治>にのめり込んでいくが、本作自体は茶化しているんだか何だかよく分からない距離感で、フランスの若いマオイスト(毛沢東主義者)たちを捉えて>>続きを読む
村人がみんな同じ俳優だと気づかなかった私は、この映画を「観た」と言えませんね……
アメリカで撮ったアジア映画みたいな? ほんのり良い話という感じでわりかし好みだったが、あまり画面が面白くないので少し退屈だった。ただ、父親を訪れるシーンでいきなりカメラがイマジナリーライン越えてきてか>>続きを読む
60年代ゴダールの代表作として名が挙がるのも納得の傑作。ただ、ずっと独立したシークエンスの連なりで持ってきていたのに、終盤になると話をまとめようとして、妙に綺麗というかこぢんまりしてしまった憾みがあ>>続きを読む
ベベの愛称で知られるブリジット・バルドーを主演に迎えた、ゴダールの長編第6作。例によって複数の主題を併走させる手際が見事である。まず「裏切る女」のモチーフが倦むことなく反復されている点が目につくだろ>>続きを読む
ゴダールのこの時期をよく「アンナ・カリーナ時代」と称するように、この映画においても彼のミューズであるこの女優に、かなりの意識が向けられている。いろんな風に彼女を撮りたいという作り手の欲望が伝わってく>>続きを読む
時間合わなくて映画館に行けなかったのでアマプラで観た。パワーアップしたモルドールの攻城戦兵器、群れるワイバーンやらマンモス、アラビアンな服装の弓兵等々、敵側のほうが格好良く見えるのはフィクションの常>>続きを読む
チャップリンが放浪者チャーリーの姿を脱ぎ捨てた作品であり、強烈な反戦メッセージや、それゆえのバッシング、そしてアカのレッテル貼りとアメリカからの追放といったエピソードで有名。
とりわけ「1人を殺>>続きを読む
戦時中に作られた大日本帝国製プロパガンダ・アニメーション。大戦初期のオランダ領インドネシア攻略戦に基づいている。以前アマプラで観たときは画質が悪すぎて評価不能だったが、U-NEXTでリマスター版を鑑>>続きを読む
日本のアニメーションの父と称せられる政岡憲三の代表作で、日本初の完全セルアニメ。
パイプふかした紳士然としたクモさんが、糸でハンモックを作り、幼女テントウムシを誘う。振られたので追いかける。チュー>>続きを読む
タイトルとかキャラデザとか宣伝のせいで悪い印象を持っている人も多そうだが、3軍サイズのスクリーンでしか観れないことが残念に思うくらいには面白かった。最近会社のほうがてんやわんやだが、アニメーション映>>続きを読む
■born slippy nuxx
born slippy nuxxを流行らしたドラッグ・カルトムービー。Underworldは一時よく聴いていたけど、JumboとTwo Months Offのほう>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
何も考えずに眺めている分にはそれなりに楽しめるのだが、帰り道で少しでも思考を働かせた途端にそんな印象も消し飛んでいく。元ネタは『かえる君』だと思うし、他にも天皇制がー神道がー中沢新一がーとか一部で言>>続きを読む
ヴェネツィアで金獅子。旅というか放浪する女の話。若い女性がさまよいながら行き当たりばったりの野宿生活の果てに凍死する。フランスの冬の田舎の荒涼とした景色にところどころで目を奪われる。特に荒野に一本の>>続きを読む
フロドや騎士王やゴラムにイラつかされた谷間のシリーズ2作目。舞台も谷間だ。この2作目でサムの株が爆上がりするわけだが、3作目でも彼は素晴らしいので、おそらく意図的なものだろう。
今観ると、騎士王の>>続きを読む