政治的な事や犯罪の意味合い的な事はとりあえず横に置き、ひたすら逃げるだけの半生を送る羽目になり愚直に初志貫徹した桐島に恐る恐る応援しながら‘迷走‘を疑似体験してきた。ロックを聴くというささやかな楽しみ>>続きを読む
リリアン演じる女優さんの魅力も手伝い彼女の不思議な旅を一応楽しめたつもりが実は殆ど理解できていなかった事が上映後の町山さん解説動画により判明。というかこの作品のジャンルはコメディらしく、あのマニアック>>続きを読む
全編通じて応援しているのは間違いなくエルフォバなのだが、グリンダのあの腹グロキュート且つ若干儚さが漂う迷いの笑顔に実は心掴まれてしまった。いったいどうやってあそこに辿り着くのだろうという気持ちしか湧い>>続きを読む
「ウィキッド」前に鑑賞。これが1939年?と見ながら何度も思ったのと同時に「ジュディ•虹の彼方に」で描かれた撮影時期にジュディ•ガーランドが受けた虐待が思い出され手放しで良かったと言い難い複雑な思いが>>続きを読む
なんなんだ、この理不尽さは。「聖なるイチジクの種」と公開日が重なるのは結果的には大正解。イランという国の国民から自由を奪う恐ろしさが本当に身に染みた。我が国にも不満はあるが、とりあえず自由が確保されて>>続きを読む
文字通り転がる石の如く変わり続ける若きボブ•ディランをシャラメが爆演。歌や演奏も吹き替え無しらしいが本当であれば凄まじい憑依だ。ギターをアコギからエレキに変えた時の大ブーイングにびくともしない表情がな>>続きを読む
ポスターイメージと前半の駆け上がるようなキラキラ感を浴びたあとのあの終盤の流れは本当に心に突き刺さった。そして我々観客のこうした心境を狙い撃ちするかのようなあの無音エンドロール。凄い。真逆の目的なのに>>続きを読む
主人公が幽霊おやじの笑いのセンスに徐々に引き込まれていき気づけば没頭していたシーンが最高だった。成仏しかけては戻ってくる成仏詐欺の幽霊おやじも憎めない。唐田えりかはやはり邦画会の至宝。ヨガのインストラ>>続きを読む
建築家の半生を描いた映画だが作品全体が
建築物そのもののような映画だった。
インターミッションそのものが作品の一部のようにあんなにかっこよく溶け込んでいたのは衝撃的だった。
逆さまの自由の女神やゲ>>続きを読む
ロボット版「そして母になる」の如くただの固形物に母性のようなものが芽生えるプロセスの描き方が素晴らしかった。キラリが飛べるようになるまでの特訓は「ロッキー」風味まで貰えてしまう。動物達が今は分断してい>>続きを読む
とくダネに対する独占や手柄というワードが浮かびまくりの展開に苦い思いで感情移入しながら物語を追いかけた。得点を挙げる事に焦ってろくなことはない。第二次対戦からまだ30年弱という時代を考えると、あのドイ>>続きを読む
長谷川泰子が中原だけでも小林だけでも上手くいかず、結局両方からのつっかえ棒で支えられてなんとか精神のバランスを保つことができる感じを広瀬すずが絶妙な演技で魅せてくれた。
彼らふたりがおとこトークで大笑>>続きを読む
試練を浴びれば浴びるほど色気が溢れ出すマッツ•ミケルセンの表情がたまらない。最初は自分本位なキャラがじわじわと人間的な温かさが備わりいつのまにか感情移入させられていた。彼女たちと家族になっていく過程が>>続きを読む
イランという国は怖いところだなと見ていたら知らぬ間に家族の方がもっと怖い展開になっていた。見終えて色んな事が頭を巡ったが、まずは普通に優れたスリラーであり、ラスト10分に至ってはホラーと呼んでよいくら>>続きを読む
普通であればドン引きされるような事を友人にお願いし、あの時点で最も好きな場所で最高に着飾って自ら幕引きというある種自分の死を完璧にコントロールする光景に震えてしまう。生前自分が娘に言いたくても言えなか>>続きを読む
ネット社会における情報操作の恐ろしさ。操作する側にも操作される側にもどちらにもなれそうな気にさせられた。いずれにしてもネット空間に溢れるコメントというのは嘘だらけだと思えばそんなものに心を占拠されて具>>続きを読む
松たか子が若き松村くんに言われた「これ以上、ぼくをドキドキさせないでください」をもう一回聞きたいがために何度もタイムリープするシーンがなんとも言えないくらいいい。「恋は盲目だが結婚したら逆に解像度上が>>続きを読む
韓国オリジナルにはやはり届かずだが阿部さんひとりで一定のレベルまで引き上げられていたのは流石のひとこと。終盤、あの犯人をもドン引きさせていた独白にご馳走様でした。
人間の厭な部分の展示会のようで心底勉強になった。程度の差はあれ全員クズだがすべて自分にも心あたりがあるのが苦々しい楽しい。学校だけでなく、人生のすべての場所において存在する「序列」について考えさせられ>>続きを読む
あんな上司になりたい。あんな上司になってはいけない。不思議と身近な会社生活に投影しながら感情移入させられた。そして中盤における彼らたちの退場即ち世代交代も。前半ではいかにもすぐに殺されてしまうような薄>>続きを読む
映画なしには生きていけない人間にとっては答え合わせのような映画。色んな映画が同窓会のように集う映像は永遠に眺めていたい。
真逆な性格のふたりの言動や表情のそれぞれにいちいち考えさせられた。いずれもわかるし、いずれもわからない。まるでカウンセリングを受けているような気分になる映画だった。彼らが従兄弟の関係という設定が絶妙な>>続きを読む
村社会あるあるが最初は控えめだが徐々に覆いかぶさるように連打され苦味満載だった。田口トモロヲは演技が仰々しい分客観的に眺める事ができたが、杉田かおるのあのテンションでの赤ん坊奪い取る感じかは本当に気味>>続きを読む
たった4年ほど前のコロナ禍の光景はまるでコントのよう。前半はそういう笑いに包まれたが中盤以降の展開には些細な台詞に泣かされてしまった。やはりクドカンは凄い。井上真央が醸し出す地方のマドンナ感の説得力た>>続きを読む
耐えて耐えて最後に爆発するスカっと系の最高峰に位置する出来だった。いじめ描写も韓国映画らしく妥協ない壮絶さ。最後の試合は観客全員で全力であの先生を応援した。主演のシン・ヘソンはつい最近見た「#彼女が死>>続きを読む
新しいことを周りに理解させ自らが成し遂げたいことを推し進める際に必要なことを教えてくれる映画だった。あの時代に種痘の概念を普通の人々にわかってもらうのは大変だっただろうな。夫婦揃って隠れ格闘家のような>>続きを読む
人間ってつくづく難しく且つ恐ろしいという事を心に叩きつけてくれた。何かをきっかけにころころ変わるそれぞれの正義。「兄貴、やっと俺の気持ちがわかってくれたか」とはいかないどころかああいうところまで行き着>>続きを読む
映画の入口は何やらゆるい感じだったが出口は苦かった。あの女性刑事のひとことでこちらも目が覚めた思い。こういうクズたちの物語は他人の写真一枚に一喜一憂するくだらなさを教えてくれる素晴らしい教材だ。(シネ>>続きを読む
前半の「PERFECT DAYS」的風味から中盤以降の予測不能な展開に思わず前のめりになってしまった。どこまでが夢か妄想かわからない。年老いて孤独になればなるほど妄想に支配され頭の中は常に賑やかなのか>>続きを読む
カエルの成長する過程が微笑ましくも頼もしい。仕上げは姐さん直々の筆下ろし。すぐさま察する大泉洋に笑ってしまった。70年代風味を醸し出すふわっとした音楽も印象的。面白かった。(TOHOシネマズ新宿)
ロイと出会っていなければ現在のドナルド•トランプは出来上がっていなかったのではと心底感じさせるような3つの教えに震えた。劇中強烈な覚醒シーンはなかったが気がつけば今に通じるモンスターに変貌しており、さ>>続きを読む
悪くないが、どうしてもオリジナル「エマニエル夫人」のシルビア•クリステルと比べてしまうのが凶と出てしまう。終始不穏だが安易な謎解きやオチに依存しない文学的な作風には不思議な心地良さを貰えた。(TOHO>>続きを読む
8割方、久我美子を愛でながら久我美子に引っ張られる映画であったが、終盤の有馬稲子と高千穂ひづるの数分のやり取りがこの物語の本質だった。この上映時間であれだけの顛末と心情を伝えきるあの時代独自の作り手の>>続きを読む