富士山さんの映画レビュー・感想・評価

富士山

富士山

M3GAN/ミーガン(2023年製作の映画)

3.0

ビジュアルの映え具合とキャラ立ちの強さが秀逸ですが、中味はふつうの作品でした。ホラーとして楽しめなくはないですが、ビジュアルに見合ったおもしろさかと言えば微妙です。そもそも、何であんな高性能のロボット>>続きを読む

スパイダーマン(2002年製作の映画)

3.0

アメコミを調べていたので、このくらい見ておかないとと思って。よく知らなくても、これぞアメコミというイメージに合致した作品でした。余計なものを足さず、引かない作品なのでしょう。力の多面性と責任をテーマに>>続きを読む

らくだい魔女 フウカと闇の魔女(2023年製作の映画)

2.0

作画と演出はいいけど、まったく印象に残らない。悪くもなく良くもない。ということはつまりパッとしない。原作持ちなのでしょうがないけど、ストーリーと設定は既視感しかなく、プリキュアの映画でなら許されるレベ>>続きを読む

とつくにの少女(2022年製作の映画)

4.0

グラデーションのある絵作りとブレを活用した動きが特徴的な演出で目を引く作品でした。アナログ制作のアート作品を思わせるもので、意欲的な実験作です。ふつうの商業作品を制作しているスタジオが作ったというのが>>続きを読む

リボルバー・リリー(2023年製作の映画)

3.0

戦闘美女とオネショタ。ざっくり考証と映え優先の設定。爽快感重視の軽いアクション。東映らしいB級アクションを現代風にしたらこうなりましたという感じです。物語が深く考えずに見れるのと、とりあえずちゃんとつ>>続きを読む

サカサマのパテマ(2013年製作の映画)

4.0

監督の前の作品が合わず、食わず嫌いで毛嫌いしており、今まで知っていたのに見て来ませんでした。正直、ストーリーについては予感が当たっていました。星新一のSFみたいな設定の意味もよくわかりませんでした。し>>続きを読む

大雪海のカイナ ほしのけんじゃ(2023年製作の映画)

2.0

設定や演出の枝葉は凝っているけど、ストーリーの幹はどこかで見たことがあるもの。テレビ版は誓ったのかもしれませんが、こちらは何度似たものを見たかわからない作品でした。CGアニメの動きもビジュアルもいまだ>>続きを読む

ARIEL エリアル(1989年製作の映画)

3.0

最近リマスターが出たらしいので。この作画、この演出、この安易さ、この下品さ、このマニアックさ、まさにOVAでした。オネアミスを意識したのでしょうか、さすがに難しかったようです。注目すべきは、実制作がJ>>続きを読む

フラグタイム(2019年製作の映画)

4.0

一応ファンタジーですが、やっていることは実に真面目なレズものでした。百合と言えるほどソフトではない。生き方や人格を含んだハードな部分にちゃんと触れています。リアルな問題としては、その後がまた大変なんで>>続きを読む

Garden of Remembrance(2024年製作の映画)

3.0

山田尚子さんらしい作品でした。こういうセリフのないアート系な感じもありです。サイエンスSARUに制作拠点を移されたからできたことでしょう。商業もやりつつ、こういうのも作れる、おもしろいスタジオです。ほ>>続きを読む

綿の国星(1984年製作の映画)

3.0

昔見たことあるような、ないような。ネコ耳少女の最初期例として有名な作品。ネコのそれなりにリアルな日常を単に擬人化した作品なので、可愛くはあるが萌えない。

少女は卒業しない(2023年製作の映画)

3.0

朝井リョウ作品を一度は見てみたいと、見てみました。特段おもしろいものでも、刺激的なものでもなかったですが、堅実に映画していました。もっと何かがあれば、という残念感がありますが、青春映画+B級映画+アイ>>続きを読む

シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

2.0

シンゴジラでは成功した演出や設定が、全部逆転して、作品の魅力を決定的に損ねていました。気持ち悪さとスケールの小ささしか感じないイレギュラーな構図、不自然なセリフ読み。科学特捜隊の制服も基地もメカも出て>>続きを読む

Midnight Crazy Trail(2018年製作の映画)

2.0

作品はふつうで、現代にいる魔法使いものとしてどこかで見た感じ。もっと興味を持てば何か見つかるのかもしれませんが、特に感慨はありませんでした。この企画って、CGアニメもいいんでしたっけ。CGのスタッフは>>続きを読む

劇場版 うたの☆プリンスさまっ♪ マジ LOVE キングダム(2019年製作の映画)

3.0

これってアイドルライブだったのですね。ストーリーがないというのがストーリーで、劇映画でなくなっているのです。新しいのかわかりませんが、はじめてこの手の作品を見たので、純粋に驚きでした。でも、これは既存>>続きを読む

博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか(1964年製作の映画)

3.0

確かにおもしろいけど、言うほどか?という、名画あるある。どうせ全部吹っ飛ばすなら、大統領もイギリス武官もみんなそれぞれの立場から頭おかしい感じにすればよかったのにと思ってしまいました。シリアス企画のな>>続きを読む

メタルスキンパニック madox-01(1987年製作の映画)

3.0

メカと若者と陰謀と戦闘。OVAの典型フォーマットを一作品に詰め込み、異様な作画密度で描いた、初期OVAの熱気と狭さがよく現れたこの時代らしい作品でした。もしかするとパトレイバーのようになることもあった>>続きを読む

シン・エヴァンゲリオン劇場版(2020年製作の映画)

5.0

やっと完結。庵野さんも行き着くところまでいったら富野さんになってしまうのですね。河森さんが軽やかに通り抜けたセカイ系からの脱皮を何十年もかかってやったというのが、庵野さんらしくて愛おしいところです。し>>続きを読む

プロジェクトA子 完結篇(1989年製作の映画)

1.0

当時のオタク的なものを煎じ詰めたような作品。今見ると共感性羞恥が半端ないものです。設定、ストーリー、動き、ギャグすべてが「時代」なのです。しかし、作品全体が当時の空気であり、資料的な価値は高いように思>>続きを読む

ディセンダント(2015年製作の映画)

4.0

アメリカも、ディズニーも変わったなと感慨深い作品。正義の味方が悪を倒すのが大好きで、清く正しく美しくを伝統的に貫いて、アメリカ的お上品を体現してきたディズニーがこれを作ったということが注目すべきことか>>続きを読む

関心領域(2023年製作の映画)

4.0

テーマも演出もはっきりした良い作品でした。もう語りつくされている感がありますが、ナチの動物愛護的なスタンスが丁寧に描かれているのもよかったです。さすがよく調べられていると思いました。全体的にレベルが高>>続きを読む

オーディーン 光子帆船スターライト(1985年製作の映画)

4.0

ヤマトよ再びということで制作されたにもかかわらず、思うようにならず、西崎さんがヤマトをこすり倒すだけの人になったきっかけの作品だと記憶しています。何の期待もせずに、資料的な意味で見てみたのですが、裏切>>続きを読む

Away(2019年製作の映画)

1.0

アート作品以外として評価するのはむつかしい作品でした。ちょっと前に流行ったパイナップル・オン・ピザを思わせるビジュアルで、インディーゲームのイベントムービーならあるかな思いますが、商業娯楽作品のレベル>>続きを読む

砂の器(1974年製作の映画)

3.0

加藤嘉さんの名シーンは確かに感動的だったでした。丹波哲郎さんの絶妙なソフトさと善良さとまじめさと厳しさをかもしだしている演技はとてもいい感じで、その後の2時間サスペンスものの主役のイメージの原型を思わ>>続きを読む

グッドバイ、バッドマガジンズ(2022年製作の映画)

5.0

うわさは耳にしていましたが、広島ではやってない、レンタルビデオにも置いてない。どうしても見たくて、しびれを切らして楽天で見ました。思った通りの良作でした。ポルノを仕事としてちゃんと描いており、立派なお>>続きを読む

偽りの隣人 ある諜報員の告白(2020年製作の映画)

5.0

日本だと三谷幸喜さんあたりがやりそうなシチュエーションコメディですが、クオリティや格調はこちらのほうがはるかに高い。はじめの方は、ドタバタ感やギャグテイストが時代設定と合わないかなという感じはありまし>>続きを読む

よなよなペンギン(2009年製作の映画)

1.0

すべてが微妙な、すべてを狙ってどこにも当たらない感じの作品でした。過度に一般や世界を狙った作品あるあるでしょう。CGアニメの実地訓練教材以外の意義が見出せません。

きかんしゃやえもん D51の大冒険(1974年製作の映画)

3.0

いかにも企画ものといった感じですが、ご都合的なオチはともかくお話はそれなりにシビアで身につまされます。しかも、アニメはかなりこだわった自己主張が見られておもしろい作品でした。アメリカの非ディズニー的カ>>続きを読む

タクシードライバー(1976年製作の映画)

3.0

オチはこれでいいのでしょうか。ラストまでは、大成功したわけでもないけど、落ちぶれたわけでもない、ヒーローにも極悪人にもなり得ない、その他大勢のアメリカ人が漠然と行う、説得力のない暴力を見事に描き出して>>続きを読む

風の大陸 The Weathering Continent(1992年製作の映画)

3.0

作品紹介程度の作品なのでしょうが、IGなだけあってすごい作画でした。今後10年以上アニメ界を引っ張っていく人たちが集まっています。こういう作品にストーリーを期待するのは間違っているのですが、キャラの立>>続きを読む

ファイブスター物語(ストーリーズ)(1989年製作の映画)

3.0

さすが作画がすごい。正直サンライズ作品として見ようと思っただけで、原作にまったく想い入れがなく、むしろ絵柄が受け付けないくらいなのですが、伝説的な作品の映像化としては名に恥じない質なのではないでしょう>>続きを読む

あなたの番です 劇場版(2021年製作の映画)

4.0

テレビ版のファンからは微妙だと聞いていたのですが、テレビ版をネットのうわさ程度しか知らない者にとってはそれなりに楽しめました。ただ、この設定でこのキャラなら、もっとおもしろくなりえた作品だったのではな>>続きを読む

海底3万マイル(1970年製作の映画)

4.0

ジュール・ベルヌっぽさと言えばSF冒険ものくらいですが、個人的には好きでした。特撮怪獣ものとして作られていますが、ファンタジー的なメカも含めて、出てくる兵器にどことなくリアルさがあります。ヒロインの王>>続きを読む

宇宙皇子(1989年製作の映画)

1.0

角川映画らしいですが、このクオリティで?と思わざるを得ません。物語から作画まで、凡作OVAといった趣でした。カナメプロ的な、当時の流行を感じるとともに、流行は過ぎてしまえばこはずかしいの最たるものです>>続きを読む

妖精フローレンス(1985年製作の映画)

3.0

サンリオクソハイクオリティアニメの末期の作品。お金がかかっているのはヒシヒシと伝わってきますが、それに見合った内容かと言えば微妙な感じです。ストーリーは少年が一皮むけるという堅実なものですがとにかく無>>続きを読む

六神合体ゴッドマーズ(1982年製作の映画)

3.0

いろいろな意味で80年代前半といった作品でした。見る前はそんなイメージはなかったのですが、70年代から続く美形キャラの系譜の最末端にいるのがこの作品なのではないかと感じました。キャプ翼やら聖闘士星矢や>>続きを読む