エリオットさんの映画レビュー・感想・評価

エリオット

エリオット

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(2025年製作の映画)

4.3

監督を迎えてのティーチイン先行上映

元仏文科の大学教授は妻を亡くしてからもインテリらしく織り目正しく生活し、それができなくなったら潔く生命を閉じようと心に決めている
映画の前半、毎朝晩スーパーで買い
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室町無頼(2024年製作の映画)

4.5

IMAX先行公開にて鑑賞
結論として、分かりやすい話でとても面白かった!

ストーリーも殺陣もアクションも重くなりすぎず軽くなりすぎず絶妙なバランスで、大泉洋も堤真一も立ち姿が格好いいし、長尾謙杜が役
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コーヒー&シガレッツ(2003年製作の映画)

4.1

コーヒーとタバコが出てくるだけが縛りの短編集
ジム・ジャームッシュだけに「アット・ザ・ベンチ」よりオシャレでハイ・コンテクストな作り上がりなので敷居は高いかもしれないが、私はどちらも好きだった

イギ
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アット・ザ・ベンチ(2024年製作の映画)

4.2

2話で声出して笑ったが、後から脚本みたらダウ90000の蓮見翔とあってこのコント感に納得

監督デビュー作でこれだけ豪華なスタッフとキャストが集まったのは、ひとえに監督がこれまでカメラマンなどの仕事で
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雨の中の慾情(2024年製作の映画)

4.3

サスペンス、ホラー、エロ、戦争映画と多ジャンルごった煮状態が続くが、通して見て残ったのはとてもピュアで美しい愛の物語だった。

侘しく、切なく、エロい、つげ義春の世界を、片山監督らしく、食べる、排泄す
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死ぬにはまだ早い(1969年製作の映画)

4.0

不倫カップルの情事から始まる西村潔監督のデビュー作
男(高橋幸治)は事故で引退した元レーサー、女(緑魔子)は夫とも平穏な生活を送っている主婦
その後二人が偶然立ち寄った深夜のドライブ・インに、浮気した
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あみこ(2017年製作の映画)

4.3

河合優実が本作を見て女優になるって監督に手紙を書いたことで最近注目され再公開された山中瑶子監督の初期インディー作品!

憧れる映画を衒いなく引用するなど監督自身の初期衝動や映画を撮ることの悦びが溢れか
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正体(2024年製作の映画)

3.6

藤井道人監督は前作の「青春18×2〜」がわりと良かったので、本作の予告を見て少し危ないなぁと思いつつ見にいってみたのだが、やはり思いのほかいろんな点で薄くて、昔修学旅行で訪れた女神湖を含め冬パートのロ>>続きを読む

日本海大海戦(1969年製作の映画)

3.8

日本海大海戦とは、日露戦争の際に日本の連合艦隊とロシアのバルチック艦隊が日本海で戦った海戦で、日本艦隊は速力の優位や砲撃の熟練、下瀬火薬の威力などを活かして勝利し、海戦史上最も完全な勝利とされていると>>続きを読む

ウルフ・オブ・ウォールストリート(2013年製作の映画)

4.0

実は初見!
マーティン・スコセッシ監督が実在の証券マンをモデルに欲望に取り憑かれた者たちの栄枯盛衰のストーリーを、ものすごいスピードで、過激に、過剰に、そして善か悪かの判断をつけずに描いたダークコメデ
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動物界(2023年製作の映画)

4.2

人間が動物化する奇病が流行るなどという発想は昔からったかもしれないがVFXなど技術的革新のおかげで陳腐さを免れられる今こそ製作することが可能となったSF映画

フランスでSF映画を作るといかにもこんな
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グラディエーターII 英雄を呼ぶ声(2024年製作の映画)

4.2

ここ最近のリドリー・スコット作品のなかでは最もストレートなエンタメ大作で何も考えず純粋に楽しむことができた。

最新のVFX技術を使ってはいるがとても懐かしい感覚。

タイトルバックや本編でも要所要所
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本心(2024年製作の映画)

3.9

映画の出来としては散漫な印象を受けたが、とにかく見ている間中いろんなことを考えさせられた作品

いま何か検索すればまず一番上に生成AIが出した答えが表示されるし、Fimarksの作品欄を見ても少し古い
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ルート29(2024年製作の映画)

4.1

前作「こちらあみ子」がキョーレツだった森井勇佑監督が大沢一菜と再び組んだ新作。
今度はなぜか綾瀬はるかもお仲間に。

原作が詩集ということもあってかなりファンタジーな作りで、あえて理路整然とした物語に
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ロボット・ドリームズ(2023年製作の映画)

4.4

評判の良さに全く前情報なしに鑑賞
劇場がほぼ満席だったので驚いた

孤独な犬と友だちロボットとの出会いとその後のお話
犬の部屋に昨年見たピエール・エテックス監督の「ヨーヨー」のポスターが貼ってあって本
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若き見知らぬ者たち(2024年製作の映画)

3.8

「佐々木、イン、マイマイン」がとても良かった内山拓也監督ということで鑑賞

後半、総合格闘技の試合をかなりの長さでワンカットで撮っていて、そこだけでも十分見る価値がある
但し、それだけにそこまでの4分
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HAPPYEND(2024年製作の映画)

4.1

冒頭、ゴミ処理場跡で行われる会員制のライブに制服のまま潜り込み警察の手入れを逃れて夜道を駆け抜ける若者たちの姿に心を掴まれた…

画作りや音楽使い、若者たちのスタイリングやルックなど空音央監督はセンス
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十一人の賊軍(2024年製作の映画)

4.1

大好物の、自分的にはこう呼んでいるいわゆる「DIRTY DOZENもの」即ちはぐれ者たちによる反抗活劇の時代劇版。
既に飛び道具もある時代の話なので大砲は飛ぶし爆弾は破裂しまくるしの派手なドンパチも多
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櫻の園(1990年製作の映画)

4.5

シネ・ヌーヴォ 80年代映画祭にて
中島ひろ子さん、梶原阿貴さんのアフタートーク付き

何度も見返している我が偏愛映画
オジサンたちが創り上げた妄想女子高生像であることは重々承知しているが好きなものは
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ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ(2024年製作の映画)

3.8

確かに作り手の誠実さは感じるし決して悪い映画ではないが面白いかどうかと聞かれたら正直面白くはない

この世にカタルシスのない映画は数多く、その中にも面白い作品はたくさんあるのだから例えジョーカーがしょ
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くちづけ(1957年製作の映画)

4.2

増村保造の監督デビュー作

真夏のある日の拘置所、青年・欽一(川口浩)と少女・章子(野添ひとみ)は偶然出会う。バイクに乗って海へと向った二人は魚のように泳ぎ戯れ心を通わせあうが・・・という話

監督曰
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憐れみの3章(2024年製作の映画)

4.0

ヨルゴス・ランティモスは「女王陛下〜」「哀れなるものたち」のほか「ロブスター」「アルプス」を鑑賞済み。本作は後ニ者寄りか…

ジェシー・プレモンスは先に「シヴィル・ウォー」を見ていたので本作で出てきた
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シビル・ウォー アメリカ最後の日(2024年製作の映画)

4.0

過去一製作費を投じてかなり派手な銃撃戦を展開しているとはいえ、そこはA24スタジオ、メジャーのブロックバスター作品とは異なりフォトジャーナリストの卵の成長をロードムービーとして描く

内容的にもカリフ
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ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ(2024年製作の映画)

4.2

これも前作、前々作と見ているシリーズの最新作

私自身は映画作品としてお気に入りのシリーズなのだが、思ったより混雑している劇場に駆け付けている観客からは本シリーズというかあのふたりの殺し屋の推しが多く
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Cloud クラウド(2024年製作の映画)

4.5

既に巨匠でいいのに菅田将暉使って撮りたい映画がアメリカ70年代B級ガン・アクション映画っていうのが黒沢清監督が映画ファンから信用されているところ

いつもより広い廃屋で人が動きまくって(画面の端から端
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犯罪都市 PUNISHMENT(2024年製作の映画)

4.2

我らのマブリー兄貴が拳ひとつで悪人たちをぶちのめしまくるシリーズ第4弾!

前作は残念なことにせっかく日本のキャストが出ていたのに少々あっさりめの出来上がりだったが、本作は敵がITカジノを操る悪者とい
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ぼくが生きてる、ふたつの世界(2024年製作の映画)

4.3

久しぶりの監督作とはいえ、場所や時間の隔たりを省略する際の繋ぎとか音(無音)の使い方とかもちろん光の当て方などさすがに巧み

それより何より、耳が聴こえる聴こえないに関係なく、個人的に自分の一人娘が東
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ラストマイル(2024年製作の映画)

4.0

本作は映画か?テレビか?と尋ねられればテレビ寄りの映画というあたりの答えになるだろうか

この監督・脚本・プロデューサートリオがオリジナル脚本でかつこの規模の予算で映画を作って興行的にも成功させようと
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ソウルの春(2023年製作の映画)

4.2

韓国現代史のどちらかといえば負の部分をどエンタメで描くシリーズの最新作!
おそらく「タクシー運転手」の興行と批評の成功が大きいと思うが、次々と様々な実際の事件が映画化され、そのどれもが興味深く面白いの
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ぼくのお日さま(2024年製作の映画)

4.3

穏やかな陽射しに包まれた北海道のどこかの街での少年と少女と彼らを見守る青年(池松壮亮はそろそろ中年?)との一冬の物語

少年は吃音を気にしてか自分の思っていることを表に出せず、フィギュアの練習をしてい
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エイリアン:ロムルス(2024年製作の映画)

4.1

「ドント・プリーズ」の1作目が好きだったフェデ・アルバレス監督作品。
登場人物たちのいる場所がどんどん移り変わって行くのに観客が全く混乱しない設計と撮り方をしているのはさすが。
さながらお化け屋敷を怖
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ナミビアの砂漠(2024年製作の映画)

4.2

主人公のカナは自分の感じたことを言動や行動に表さずにはいられない人物で、必ずしも共感できる人ではないが、とにかく現代の都会に暮らす若者が抱えている生きづらさや閉塞感、モヤっとした毎日に対する怒りややり>>続きを読む

エル(1952年製作の映画)

4.0

ルイス・ブニュエルのメキシコ時代の作品

「エル」とは「彼」のことらしく、おそらく本当に敬虔な信仰者で40代になるまで女性には奥手だったのだろう中年男が主人公
教会のミサ(?)で(脚を)見染めて「お前
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夜の外側 イタリアを震撼させた55日間/夜のロケーション(2022年製作の映画)

4.4

6話のドラマを3話ずつ前編後編に分けて上映していてそれぞれが2時間50分ずつあるので、とりあえず前編だけ見て面白ければ別日に後編を見ようと思っていたが、あまりに面白すぎて30分の休憩を挟んで後編も一気>>続きを読む

美しき仕事 4Kレストア版(1999年製作の映画)

4.2

「美しき仕事」というよりは「美しき肉体」

こちらも大変美しいジプチの自然を背景に、フランス外人部隊の若い傭兵たちが訓練、食事、夜の遊びをひたすら繰り返す…その日常が官能的に描かれる

途中から隊に加
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デッドプール&ウルヴァリン(2024年製作の映画)

3.7

デッドプール2作とロキは見ているくらいの状態で鑑賞。
X-MENシリーズを見ていないのでファン・サービス映画としては楽しめなかったが、ドギツさと多彩なアクションという普通のデッドプール映画としてはまず
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