スガシュウヘイさんの映画レビュー・感想・評価

スガシュウヘイ

スガシュウヘイ

ハッピー・デス・デイ(2017年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

ちょっと怖くて、ちょっといい話。

ホラー✖️タイムリープを軸に、ラブロマンスやコメディの割合もちょうど良い。


最初めっちゃ嫌な感じの女だったツリーだが、何度殺されてもめげずに頑張る気合いはすごい
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ラストエンペラー/オリジナル全長版(1987年製作の映画)

4.3

「愛新覚羅溥儀」という名の悲劇。
なんと壮大な大河ドラマ。
皇帝から戦犯、そして一市民へ。
あまりにも悲しく不自由な人生へのノスタルジー。


戦後、捕えられた溥儀が自殺を図る中、己れの過去を顧みると
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めがね(2007年製作の映画)

3.5

ゆるい空気の中にも、研ぎ澄まされた映像センスが光ってみえるのが、荻上直子監督作品の特徴なのかな。

かき氷屋に5人が集まったときのシーンとか、すごかったな。完璧なロケーションに絶妙な座り位置。
“完璧
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かもめ食堂(2005年製作の映画)

3.5

おしゃれな食堂だなー。
こんなキッチンダイニングのある家に住めたら、それだけで幸せかも。


🍙🍙🍙

あと私も、ウメ・鮭・おかかのおにぎり大好き。あと、海苔もパリパリじゃなくて、しっとり系が好きなん
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四畳半タイムマシンブルース(2022年製作の映画)

3.5

本家『サマータイムマシン・ブルース』よりスタイリッシュになっている印象。私はこっちのが好き。


「私」「明石さん」「小津」「樋口師匠」「城ヶ崎さん」「羽貫さん」などキャラクターが魅力的。
ただこれら
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彼らが本気で編むときは、(2017年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

カラフルに弾けるち◯ち◯のスローモーション。幸せの風景。
求めていたのは、ささいな家族のかたち。
空泳ぐ3匹のこいのぼりのような。


「一緒に暮らそう」


でも、それは難しいこと。
法律が追いつい
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家族ゲーム(1983年製作の映画)

4.0

唯一無二のヘンテコ映画。

横一列に並んだ奇天烈なダイニングテーブル。
家族はいつも横一列に並んでご飯を食べる。


家庭教師の松田優作は、なぜかいつも船でやってくる。
飲み物はワインだろうが紅茶だろ
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阿修羅のごとく(2003年製作の映画)

4.0

是枝版『阿修羅のごとく』が来年から配信されるということで、森田芳光監督『阿修羅のごとく』を復習&再視聴。
てか、こんなおもしろい話だったっけ!?



俳優の演技が、みんな魅力的で見入ってしまう。
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クローンは故郷をめざす(2008年製作の映画)

3.0

“僕がノボルだよ。
死んだのはコウちゃんの方だよ。”

—————

ヴィム・ヴェンダースがエグゼクティブ・プロデューサー、ということだが、そもそも私は“エグゼクティブ・プロデューサー”という役職が
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ラブ・アクチュアリー(2003年製作の映画)

5.0

🩷🎄🎸🎄🎁🎄✨🎄🌃

この世は愛で満ちている!
ラブイズオールアラウンド!
まさにそのことを強く魅せつけた作品。

ヒーローじゃなくても、
ヒロインじゃなくても、
歳を取っても、子どもでも。


この
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アバウト・ア・ボーイ(2002年製作の映画)

3.5

ウィルは38歳独身。
シングルマザーと関係を持つため、自分も子どもがいると嘘をついて、シングルの会に参加する無責任ナンパ男。

まぁ、それでもヒュー・グラントだからな笑。ダメ男なのにカッコいいという奇
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テトリス(2023年製作の映画)

3.0

任天堂のオフィスの受付にデッカく漢字で
「 受 付 」
と書いてあって笑った。
あんな受付ないだろ笑。

これを含め、日本の描き方がへんな感じで、ちょっと違和感。
子どもの発表会とか、何あれ?
あれは
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PLAN 75(2022年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

本筋と関係ないどうでもいいことなんだけど、ミチさんはプラン75に申し込んで給付金10万円もらったわけだけど、結局死ぬのをキャンセルしちゃったわけだから、あの10万円どうなんだろ笑。

申し込む→10万
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あんのこと(2023年製作の映画)

4.0

「この映画は実際にあった事件に基づいている」

というテロップが初めに出る。
“事実”ではなく、“事件”である。

しかもこの映画は「あんのこと」というタイトルなので、つまり本作は、杏に何かしらの“事
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ニュー・シネマ・パラダイス(1989年製作の映画)

5.0

映画と少年のノスタルジー。

時が流れ、
多くのものは失われ、
ある人は去り、ある人は老い、
思い出は爆破され、
それでも。

僕はずっと、映画が大好きだった。


映画史に煌めく傑作。


🎞️🎞️
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花様年華(2000年製作の映画)

3.5

匂い立つトニー・レオンの色気。
ふりしきる雨。煙るタバコ。

色彩の魔術師マティスの絵のような赤い部屋、赤いカーテン。
濃密な空間。


冒頭タイトルやエンドクレジットの文字が、エヴァンゲリオン明朝み
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天使の涙(1995年製作の映画)

3.5

“殺し屋も保険に入れるんだろうか?”

———-

監督ウォン・カーウァイ✖️
撮影クリストファー・ドイル
による仲良しタッグ。
相変わらずの浮遊感、疾走感。
暗闇とネオンと残像。
印象主義。


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恋する惑星(1994年製作の映画)

4.0

刹那的な恋の物語、ということで、映像もひとつひとつがなんだか刹那的だった。
疾走する印象、色と色、喧騒。


ストーリーは全然普通、大した起承転結もないんだけど、映像とか空気感とか、またはカリフォルニ
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こちらあみ子(2022年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

純真無垢、天使爛漫なあみ子。
初めはみんなおおらかな気持ち。
でも、普通とは違うあみ子といると、だんだん気持ちが逆撫でされていく。
「人の気持ちを考える能力」「気を遣う能力」が欠けているあみ子は、自由
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正体(2024年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

60年前の袴田事件じゃないんだから、21世紀の警察がこんなに適当に犯人でっちあげて逮捕するわけない。
裁判所も、推定無罪の原則があるのに、あんなに簡単に死刑判決するわけない。また重大な判決のあとには、
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エッシャー通りの赤いポスト(2020年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

園子温作品、『愛のむきだし』『冷たい熱帯魚』『地獄でなぜ悪い』などに共通するのは、序盤〜中盤にかけて、じっくりコトコト鬱屈をためて行き、終盤でドカンと解放する、という型があるかな、と思うんだけど、本作>>続きを読む

ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ(2024年製作の映画)

4.0

なるほどー!
こういう感じになるのか!
これはよかった!
賛否両論で見るのを躊躇っていたが、見てよかった。そして評価が分かれている理由もちょっとわかった。


“ジョーカー”といえば、“最狂”という枕
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美女と野獣(1991年製作の映画)

3.5

“何かが芽生えているから”


✨💙💛🫖🕯️🕰️💛💙✨


美しい青と黄色のダンス。

王道プリンセスラブストーリー。

野獣の頭に小鳥がむらがっているの見て微笑むベルのシーン好き。


男女の恋愛を
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アラジン(1992年製作の映画)

4.3

完璧だと思う。
何から何まで。
アラジン、アブー、ジャスミン、ジーニー、魔法の絨毯、そしてジャファーとイアーゴ。
みんなちがって、みんないい。


アラジンとジーニーの友情に涙。


ジャスミンとのラ
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ルックバック(2024年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

マンガ読了済みなので、この先どうなるか知った上で見たから、序盤から涙が込み上げてしまった。
マンガ賞受賞後、楽しそうに街を走る藤野と京本、、泣。

このまま、メロドラマとして進むかと見せて、終盤SF的
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(1960年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

えー!
トンデモないどんでん返し映画だった!
脱獄できないんかい!
鏡ごしに大勢の看守が映される衝撃の結末。

冒頭、自動車の前でロランが話してたのは何だったんだ。あれ脱獄に成功した後日譚じゃなかった
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(2023年製作の映画)

4.0

「みんなアホか」

劇中で曾呂利がつぶやいていたが、これが正にこの作品を表現しているなぁ。

とにかくみんなアホ。
戦国武将をこんな風に描いたら「不謹慎」だ。

でも、それが北野映画らしくて、私は結構
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ムーンライズ・キングダム(2012年製作の映画)

4.0

ウェス・アンダーソン!
私は『グランドブダペストホテル』を見たときから、勝手に「ポップなスタンリー・キューブリック」と呼んでいるんだけど、2012年の本作品にもその萌芽が見られた。
うっとりするほど完
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青春18×2 君へと続く道(2024年製作の映画)

4.0


ー 僕はアミに何か残せたのだろうか ー


18歳、淡い想いを、眩しい恋を。
36歳、柔らかな後悔を。


流れる車窓の風景をバックに二人が聞いていたミスチルの曲はなんだっただろう?と考えると、
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恋わずらいのエリー(2024年製作の映画)

-

ずっと前から小学生の娘が観たいと言っていた映画。ついにレンタルできたので一緒に見た。

ただまぁ、30代のおじさんは対象年齢ではないので、もう展開が痒すぎて見てられなかった。

痒すぎる。


娘はケ
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ピカドン(1979年製作の映画)

-

「苦しい」いう叫びすら溶かしてしまった
一瞬の閃光。

阿鼻叫喚とは、このこと。


日常から地獄まで、
移ろいゆくピアノの不思議な旋律。


平和を希求する紙ヒコーキ。


———-


お気に入り
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灰とダイヤモンド(1957年製作の映画)

-

強烈なジャケットが印象的。

このシーン以外にも、逆さ吊りになったキリスト、光差す部屋、背後を走る蒸気機関など、監督のこだわりを感じる映像は枚挙に暇がない。

光と影のコントラストが鮮やかで、
これは
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大空港2013(2013年製作の映画)

3.5

ノーカット一本勝負、第二弾。
空港だけに、いろんな意味でぶっ飛んだ作品✈️


三谷幸喜すごい。
俳優も撮影スタッフも全員すごい。

前作『short cut』より、脚本も舞台も動線も複雑になっており
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short cut(2011年製作の映画)

2.5

山の中をワンカットで撮影しきった心意気は凄すぎる。
三谷幸喜、中井貴一、鈴木京香の熱い魂に感服。
汚れたり濡れたり転んだり、、、見てるだけで「お疲れ様です」って気持ちになる。

おそらくアドリブのセリ
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魔女の宅急便(1989年製作の映画)

4.0

魔女宅は、ファンタジーに見せかけて、実はわりと現実的な物語。
キキがホウキで空を飛ぶこと以外は、現実的な社会を描いている。

そして、キキは“魔女”というよりは、ひとりの“人間”として成長していく。
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川っぺりムコリッタ(2021年製作の映画)

4.0

きゅうり、トマト、すき焼き、、
幸福のASMR連発。


「食べること」と「死を悼むこと」の大切さが伝わった。
父親を悼む山田(松山ケンイチ)。
子を失った島田(ムロツヨシ)。
未亡人の南(満島ひかり
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