くさむすびさんの映画レビュー・感想・評価

くさむすび

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アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方(2024年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

今作はニクソンの演説から始まり、その一節に「国民には大統領が悪党であるかどうかを知る権利がある」みたいなのがあって、そこからオープニングタイトルに入っていく構成がもう素晴らしい。トランプ自身が「この映>>続きを読む

トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦(2024年製作の映画)

4.8

めちゃくちゃ面白くて、年初だけど既に今年のベスト10入りは確実と思えるくらいの映画。純粋にカッコ良いと思えるようなアクションばかりで胸が高鳴る。
冒頭のロッグワンが九龍城砦に流れ着いた後のアクションか
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INTERFACE 知能機械犯罪公訴部 01 ペルソナ(2022年製作の映画)

-

知人にレコメンドされたので鑑賞。上映終了日だったので前作を見ずに鑑賞したのだけど、それがダメだったかも。世界観が全然理解できなかった。
自分が追いつかなかった以外にも映画として難がある点が多々見受けら
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オークション 〜盗まれたエゴン・シーレ(2023年製作の映画)

4.4

期待以上に面白かった。なぜ永らく行方不明だったエゴン・シーレの『ひまわり』が普通の家にあったのかのドラマは最小限に、略奪品である絵画を巡る謀略を描く本筋に複雑な人間ドラマが交錯していき、そして見事にこ>>続きを読む

聖地には蜘蛛が巣を張る(2022年製作の映画)

3.4

『アプレンティス:ドナルド・トランプの作り方』予習③
明らかに社会が悪いのに、まるで娼婦たち自身に原因があるかのように振る舞い続ける一般社会の病理を克明に写してはいるけれど、映画としての面白さは微妙。
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ボーダー 二つの世界(2018年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

『アプレンティス:ドナルド・トランプの作り方』予習②。
同じような見た目でありながら、人間に対して性善説か性悪説かで対立しているティーナとヴォーレの行末。冒頭は虫を掴んで離すシーンから始まり、ヴォーレ
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FPU 〜若き勇者たち〜(2024年製作の映画)

3.2

作り手が国連の警察官のことをリスペクトしているのは十分に伝わるんだけど、批判的目線が欠けているので、それ故に善悪を単純化しすぎている気がする。現地の警察官自ら「私たちは善人です!」と言う所や、地元の兵>>続きを読む

アイアン・スカイ/第三帝国の逆襲(2017年製作の映画)

1.5

真面目になりすぎてつまんない。ヒトラーはともかく、サッチャーとかザッカーバーグは出しときゃウケるだろみたいな浅はかな考えが滲み出ているような気がする。際どくも独創性のあるナチスネタを盛り込んでいた前作>>続きを読む

アイアン・スカイ ディレクターズカット版(2012年製作の映画)

3.6

途中までめちゃくちゃ面白かったけど、DC版特有の問題なのか終盤の戦闘シーンが長すぎる。金かけてるんだから長々と見せたい気持ちも分からなくはないが、大して面白みのないバトルに時間を使われても…と思う。序>>続きを読む

NO(2012年製作の映画)

3.5

序盤の広告代理店の観点から政治を動かそうとする展開から、意外にも広告を通じた両陣営のバチバチのバトルが繰り広げられていて面白い。実話ベースらしく『夢のアンデス』でも使われていた映像が出てきていたり、ど>>続きを読む

処刑山 -デッド・スノウ-(2007年製作の映画)

3.8

2しか見たことなかったけど、1も面白い。最初の方はかったるくてつまらなかったのが、白昼堂々ナチゾンビと戦い始める所からはとにかく笑えるホラーコメディを見ているようで楽しかった。とにかく腸が出てくる。「>>続きを読む

エマニュエル(2024年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

途中まではいつ寝てもおかしくないくらいだったのだが、話が進んでいくにつれて面白いと思い始めてきた。2作しかまだ見ていないけど、オードレイ・ディヴァン監督はマイフェイバリット監督入りです。『あのこと』と>>続きを読む

劇映画 孤独のグルメ(2025年製作の映画)

3.9

孤独のグルメはシーズン5、6辺りは見ていたけどそれ以降は見ておらず、たまたまやってる再放送を流し見する程度の知識量なのだが、そんな自分でも楽しめた。
食事は人生であるということをひしひしと感じさせられ
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マザーズ(2016年製作の映画)

3.2

『アプレンティス:ドナルド・トランプの作り方』予習①。日本版ポスターの大部分を陣取っている赤ちゃんを抱えた金髪女性、本編には一切出てこないのだが宣伝はなぜこのポスターを作ったのか。生成AIにでも作らせ>>続きを読む

夢のアンデス(2019年製作の映画)

3.3

私的な部分が強くて、「あの時チリでは何が起こっていたのか」というより「あの時我々はどう感じていたのか」みたいな作品だった。抗議集会を行う群衆に向かってものすごい水圧で放水する衝撃的な映像を筆頭に興味深>>続きを読む

フィッシュマンの涙(2015年製作の映画)

2.9

魚人間の自身の苦悩というより、一人の記者の目線から見た魚人間の話で、どちらかと言うと彼を取り巻く利己的で暴力的な社会の方にクローズアップした作品。だから彼の生態をほとんど描いていない分、気になってノイ>>続きを読む

デュアル(2022年製作の映画)

3.6

意外とアート寄りの映画。殺しに慣れるためにゴア描写が酷い映画を見せたり、死体の画像から死因を特定する訓練、校外学習と銘打った死体の解剖見学と言った様子のトレーニングシーンがユニーク。非現実的な世界でギ>>続きを読む

パンチドランク・ラブ(2002年製作の映画)

3.9

『I Like Movies』で参照されていたので鑑賞。対話の多い映画だったから、ローレンスには「この映画好きなんだったら反省できるでしょ」と思える。
変な映画だけど、愛の力(好きな人ができたから鍛え
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あのこと(2021年製作の映画)

5.0

『エマニュエル』予習。これは傑作。
前途有望という言葉が出てくる所で『プロミシング・ヤング・ウーマン』を想起。相手がいるから妊娠するのに、他人事かのようにして体裁を気にするマキシムの無責任さ、妊娠状態
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レオノールの脳内ヒプナゴジア(半覚醒)(2022年製作の映画)

2.2

色々な人が2024年のベスト10に入れていたので見てみた。終盤で今作の世界観は理解できるようになるも、そこに至るまでの荒唐無稽が過ぎるようなストーリーがマジでつまらなかった。妊娠する男性、半透明だけど>>続きを読む

胸騒ぎ(2022年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

私としては序盤のコメディ要素が面白くて好きでした。「少し出そうか?」と言ったらクレジットカードの読み取り機が出てきて全額奢らされることになる所、置いてきたと思ったうさぎのぬいぐるみがすぐ見つかるスピー>>続きを読む

ビーキーパー(2024年製作の映画)

3.7

余計な回想とかもないし、事態がひと段落すればすぐ様エンドロールに入る潔さなど、アクションの快楽性に特化したような作品。ステイサムが養蜂家であるだけでなく、主人公の過去に行っていたことを比喩的に表すため>>続きを読む

フェイク シティ ある男のルール(2008年製作の映画)

3.0

これがサーチライト製作であることに驚いた。気楽に見られるやつかと思いきや、硬派なサスペンスだったので今の気分とはちょっと違った。
色々と説明不足じゃないかと思う。自分が怪しまれる映像ディスクの隠蔽と真
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サイコ(1960年製作の映画)

3.8

予想と全然違う映画で面白かった。ノーマン・ベイツが完璧な犯罪者じゃないからこそのストレスと怖さがあったし、アンソニー・パーキンスをキャスティングできた時点でもうこの映画は勝ちだったと思う。

No.10(2021年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

超変な映画。序盤の演劇要素が後半にほとんど出てこなくなるのは、世界が一変したことを観客にも味わせるためか。上手くいってない稽古シーンを楽しんでいた自分としては、どんでん返しの楽しさよりも、「あの演劇の>>続きを読む

ハードエイト(1996年製作の映画)

3.3

初監督作にしては堂に入りすぎているような出来の作品だったけど、ストーリーテリングに余白がないからこそ遊び心のない堅苦しい作品のように自分は思ってしまった。ラストは好き。

美しい星(2017年製作の映画)

2.8

中学生の時に見てめちゃくちゃ好きな映画だったんだけど、今再見すると好きになれず、好きな映画が一本減ってしまったようで残念。
自らが地球人ではない存在に気づいていく過程や、佐々木蔵之介とリリー・フランキ
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グランメゾン・パリ(2024年製作の映画)

3.7

2024年の映画納め。
連続ドラマ版の最初の方で「フランスよりも東京で三つ星を取る方が難しい」みたいに言われていて、なら「ドラマの方がハードル高いじゃん」とか思っていたんだけど、フランスでは食材が手に
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ソニック × シャドウ TOKYO MISSION(2024年製作の映画)

3.9

本筋はアクションアドベンチャーなんだけど、このシリーズはコメディとして笑える箇所が多くてとても楽しい。相変わらず映画ネタは多く、某他社ゲームの映画タイトルやトム・クルーズ、Mr &Mrsスミスネタet>>続きを読む

I Like Movies アイ・ライク・ムービーズ(2022年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

こんなタイトルだけど映画讃歌じゃなくて、「映画って別に人生救わないし、性加害の問題とかもあって、諸手を挙げて素晴らしいとは言い切れないものだけど、使い方を間違わなければ人生を豊かにしてくれるよね」みた>>続きを読む

ソニック・ザ・ムービー/ソニック VS ナックルズ(2022年製作の映画)

3.6

新キャラのテイルズが可愛いし、イドリス・エルバのナックルズも愛嬌があり、悪役が変わらないことによる新鮮さの欠如という欠点を補えている。グータッチとハンドシェイクの使い分けも素晴らしい。
「チャニング・
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大きな家(2024年製作の映画)

3.7

『どうすればよかったか?』に続きこの冬の配信・ソフト化されないドキュメンタリー。
迂闊なこと言うとプライバシーに引っかかりそうなのであまり詳細には言及しないけど、途中までは「子供たちよりも大人たちの方
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ソニック・ザ・ムービー(2020年製作の映画)

3.8

個人的な好みだけど、キアヌ、メン・イン・ブラック、ワイスピネタを筆頭にギャグを全く外してなくて笑えるのが多かった。最初のQueenの『Don’t stop me now』が流れる所から最高で、ソニック>>続きを読む

羊の木(2018年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

ひょっとしたら更生を否定する話になるんじゃないかと途中で感じて身構えたりしたのだが、のろろ祭の時にタガが外れた水澤紳吾と松田龍平の行末が異なるという点でそれを回避していたのはお見事だと思った。元受刑者>>続きを読む

ニッツ・アイランド 非人間のレポート(2023年製作の映画)

2.6

まず門外漢に対してはかなり不親切な設計。DayZというゲームを扱っているんだが、どういうゲームかの説明は一切無く、ゲーム性は感じ取れと言わんばかりなので、ゲームを知ってる人向けの映画だなと感じる。そし>>続きを読む

恋わずらいのエリー(2024年製作の映画)

3.6

実写版『推しの子』を見てから、原菜乃華さんが良い俳優だなと思い始めたんだけど、今回は顔芸含めて演技巧者ぶりが堪能できる。
恋愛の素晴らしさよりも、恋愛関係そのもので人生が好転するのではなく、恋愛によっ
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