ジョンレノン偽物さんの映画レビュー・感想・評価

ジョンレノン偽物

ジョンレノン偽物

太陽を盗んだ男(1979年製作の映画)

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これは……圧巻としか言いようがない2時間半。東京を「死んだ街」と表現して、作り直そうとして原爆を作ったのかもしれないが、それは大して重要ではない。東京を消し飛ばす力を持ち、国家に立ち向かう狂気の沢田研>>続きを読む

ノーカントリー(2007年製作の映画)

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難しい映画で考察とか見てしまったけど、それらを抜きにしても面白かった。音楽が流れず、緊張感のある駆け引きにとにかく引き込まれる。特に、殺し屋のシガーの狂気の演技が凄すぎてそれだけでも目が離せないし、最>>続きを読む

欲望の翼(1990年製作の映画)

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群像劇なので、ごちゃごちゃしてるし少しわかりづらいけど、それがまさに60年代の香港であったように感じた。前作と比べたら随分スタイリッシュになったが、人間の泥臭さは前作に増して強くなっている。

いますぐ抱きしめたい(1988年製作の映画)

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クサイセリフに音楽がいかにもアジアっぽい。でもそれが楽しくもある。どうしようもないチンピラだが、一生懸命生きてることは伝わってきた。紙飛行機のジャンプカットなど、ウォンカーウァイの映画力は初期から感じ>>続きを読む

第七の封印(1956年製作の映画)

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中世ヨーロッパの時代。疫病が蔓延しても神に祈るしかない中で、儀式を行い罰を与え、それでも止まない苦しみの連鎖を神はただ見ているだけだったのだろうか。
難しい内容だが、終わりゆく命の無力さと新しい命の将
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ブレックファスト・クラブ(1985年製作の映画)

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「自分とは何か」という課題に対して、大人が考えさせることの無意味さ。そして思春期の不安定さの中で自ら突き詰めて変わろうとすること。カーストや家庭環境が違う5人が、お互いを認め合って、挫けて折れて涙を流>>続きを読む

二十四の瞳(1954年製作の映画)

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日本は、隣人への思いやりと引き換えに何を失っただろう。現代の方がずっと豊かなはずなのに、戦争や貧困によって夢も命も確かなものではないのに、こんなに心を揺さぶるものは何だろう。
ネットで流れてくる情報や
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ジョー・ブラックをよろしく(1998年製作の映画)

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こういう90年代以前の名作を見ると、最近の映画は重箱の隅をつつくようなものが多いと思わされる。もちろん、しょうがないことだし、面白いものもたくさんあるが、ここまで人の営みにロマンを感じるのは昔の映画な>>続きを読む

ゲット・アウト(2017年製作の映画)

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新年1発目なので、ハズレないだろうと思って鑑賞。世間のめでたい雰囲気には到底相応しくないが、ちゃんと面白かった。
黒人差別への切り込み方がちょうど良く、重苦しい雰囲気にならずにホラーの緊張感はあって、
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

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ドイツ人のヴィムヴェンダース監督作品。前半はスカイツリーから飲み屋から、海外に向けた日本というパッケージがされているように思った。トイレ清掃を丁寧にこなし、まじめに生きる様は日本人の"らしさ"とされて>>続きを読む

ダウン・バイ・ロー(1986年製作の映画)

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脱獄モノにしては緊張感がなく、ただただ楽しい映画だった。ロベルトベニーニのアイコニックな演技が最高に光ってる。この才能を見つけて世に送ったのがジム・ジャームッシュなのかな?
イタリア人の言葉遊びだった
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あのこと(2021年製作の映画)

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最初から最後まで苦しくて痛々しかった。命をかけてまでなりたい作家や勉強への情熱に自分が追い詰められているような気がしていた。時代のせいと一括りにできないこともないけど、やっぱり1人で抱え込むにはあまり>>続きを読む

最後にして最初の人類(2020年製作の映画)

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20億年後の未来から語りかける地球の終わりと人類の行く末。抽象的な映像が続くので、壮大な想像を掻き立てる感じはアーサーCクラークや藤子・F・不二雄を彷彿とさせる。ナレーターが話している内容はとても興味>>続きを読む

天国の日々(1978年製作の映画)

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広大な麦畑の映像美は、私の地元を思い出させる素晴らしい景色であった一方で、下層階級が安く働かされている現実は、ミレーの「落穂拾い」を彷彿とさせる。この絵画は落穂を拾う事でしか生きていけない下層階級の人>>続きを読む

怪物(2023年製作の映画)

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別に反道徳的な人もいなければ狂ってる人もいない(虐待はあったけど)。それでも、少しずつ何かが違ってみんなが苦しむことになる。何が原因かと言われれば1つでもなければ、どこからかヒーローがやって来て解決で>>続きを読む

正体(2024年製作の映画)

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もう1人の主人公の山田孝之にずっと引き込まれていた。表情はほとんど変わらないのに良心の呵責と自分の責任の対立に挟まれる苦しみが表現されていて見入ったし緊張感もあった。鏑木を撃ったのは部下だが、引き金を>>続きを読む

バグダッド・カフェ 4Kレストア(1987年製作の映画)

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ブレンダとジャスミン、2人は出会った時一方は涙を拭き、一方は汗を拭いていた。お互いに夫と離れ、喪失感を抱えていたに違いない。それが印象的だった。2人は随所で繋がっているようなシーンがあり、お互いがお互>>続きを読む

クリード チャンプを継ぐ男(2015年製作の映画)

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ロッキーは私にとって、ヒーローであり生きることそのもののエネルギーとなっている。40年ほどの時を経てアポロの息子のアドニスの登場でロッキーが帰ってきた事が嬉しい。
金も学もあるのにリングへ突き立てる想
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野いちご(1957年製作の映画)

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処女の泉は面白く見れたんだけど、これは難しかった。集中力が足りなかったかもしれない。老人が抱える恐怖や孤独は今の私には理解が及ばない部分がある。
でも、医者となり、それなりの地位を獲得しながらも子供時
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モネ・ゲーム(2012年製作の映画)

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完全に騙された。
序盤、空想するシーンが入ったので勝手にこの映画の終わり方をこちらで想定してしまった。この映画はこういう風に進んで、ここが面白くて…
映画をたくさん見るようになると、勝手に見定めてしま
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ジャッキー・ブラウン(1997年製作の映画)

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タランティーノは本当にセンスが良い。それも、映画や本や音楽などにたくさん触れて来た人のセンスの良さで親近感がある。ここでこの音楽が来るかというタイミングでバチっとハマる気持ちよさ。サミュエルLジャクソ>>続きを読む

ニキータ(1990年製作の映画)

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レオンとは違い、感情的で粗暴な殺し屋のニキータ。恋をしたり、人が殺されるのを見るのが嫌だったりと人間らしい一面があるのが魅力的だった。最初のヤク中のところ、訓練中の暴れっぷりから殺し屋として外に出るま>>続きを読む

(1955年製作の映画)

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90分という短さは見やすいが、端折りすぎて何がどうなったのかあまりわからないまま終わってしまった。確かに3人の人生は取り返しのつかない崖を転がり落ちているものだが、もう少し崖に捕まって這いあがろうとす>>続きを読む

青いパパイヤの香り(1993年製作の映画)

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1951年、独立して戦争が起きるまでの平和な時代のベトナム。「ポトフ」と同じ監督だったことは後から知ったけど、納得できるくらい映像が自然と共生していた。色んなことが周りで起こっていても、ムイと自然だけ>>続きを読む

グレイテスト・ショーマン(2017年製作の映画)

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ミュージカル映画はあんまり見たことないけど、ララランドとオズの魔法使は好きだ。
ショービジネスが題材の映画なので、ミュージカルとの相性は良いけど、やっぱり歌ありきなのでそれが好きな人じゃないと、あまり
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ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー(2017年製作の映画)

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ホールデンコールフィールドは親友だ。そして「ライ麦畑」はホールデンからの手紙だと思っている。
この映画を通してどのようにして「ライ麦畑」が生まれたのかがわかったし、半自伝的なのも納得した。そんな気がし
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インターステラー(2014年製作の映画)

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前にアマプラで見て、その時はよくわからなかった。また見直そうと思ってたらIMAXで見られるなんて!
小さな画面とIMAXでは没入感から迫力から何から何まで天と地の差。ノーランはこの画面で見ることを計算
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キツツキと雨(2011年製作の映画)

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沖田修一の映画は作家性のようなものはないけど、自然でほんのり温かい。日本に生きてる日本人が感じ取れる、おれが思う邦画の良さがある気がする。
主役2人の関係性や心情の変化が自然でわかりやすく、それでいて
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処女の泉(1960年製作の映画)

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敬虔なキリスト教徒だが、人間の醜さ、貧しさの業の中(仏教用語だけど)で娘が乱暴に殺されてしまう。この映画の中で神が何か豊かさを与えるように捉えられる場面は一切ない。それが神の信仰に対する否定と、それで>>続きを読む

ストレイト・ストーリー(1999年製作の映画)

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デビットリンチはカルト映画ばっかりかと思っていたけど、こういう映画も撮れるんだ。幅を見せつけられた。おじいちゃんが芝刈り機で遠いところまで行くというだけなんだけど、道中で色々明かされる過去やトラウマが>>続きを読む

チョコレートドーナツ(2012年製作の映画)

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ゲイカップルと引き取ったダウン症の子供は法律上では認められない、空想の家族。
でも、血の繋がりとか世間の偏見ではなく、この映画は徹底的に"人"にフォーカスしていた。
最初ルディは家族という形態に憧れて
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蛇にピアス(2008年製作の映画)

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おれの知らないアンダーグラウンドな世界。今の渋谷にはルイの言うパンクな人はいなくて、外国人とヤクザみたいな人とラッパーかぶれの若者しかいない。それに嫌悪感を覚えていた。それだけカオスで落ち着きがない街>>続きを読む

(1954年製作の映画)

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「この世にあるものは何かの役に立つんだ。例えばこの石」「これが無益なら全てが無益さ」
この石というのは色んなものに置き換えられる。ジェルソミーナ、大道芸人という存在、この映画そのもの。
ジェルソミーナ
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死刑台のエレベーター(1958年製作の映画)

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いい意味でフランス映画っぽくなくて、誰が見ても面白いはず。難しい表現やセリフもあまりない。とにかく緻密な脚本と絵のかっこよさで勝負する感じがとてもいい。
エレベーターに閉じ込められる男とそれを探す女、
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ダーティハリー(1971年製作の映画)

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最初から異常者として、変に深みを出さずに同情の余地がない犯人が良かった。序盤に顔が出たのもあり、ずっと犯人とハリーに集中できた。
でも釈放なんてあっていいのか?70年代といえども流石に許されないだろう
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イレイザーヘッド(1976年製作の映画)

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ETとエイリアンを足してもっと気持ち悪くした赤ちゃんはどうやってできてるんだろう。トラウマ級に気持ち悪かった。そのせいか、親からの愛のかけらもなく、最後は殺されてしまう。
流産、受精、生理に関するメタ
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