チッコーネさんの映画レビュー・感想・評価

チッコーネ

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呪われの橋(2020年製作の映画)

2.7

後半から脚本のツイストが効いてくるのだが、そこへ至るまでの恐怖演出が凡庸。
個性やこだわり、美意識が感じられず、退屈してしまった。
スマホや手持ちカメラ撮影のグラグラ画面も頻出、とは言え画面酔いしない
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夜の珍客(2015年製作の映画)

3.0

原作はイギリス人劇作家の戯曲。
英国と縁ある香港ゆえ「内容はみんな知っているでしょう」という態プラス、賀歳片として明るくパロディ化。
とにかく美術がポップなのに目を見張る、どこまでが実写なのか判別のつ
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クロス・ミッション(2024年製作の映画)

3.0

年間で4~5本製作されているNETFLIXの韓国オリジナル作品。
撮影は2022年ながら、本作の主要キャラを務めるチョン・ヘジンの旦那が自殺した影響から、配信開始が延期されたらしい。
ファン・ジョンミ
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ゴースト・ラボ: 禁断の実験(2021年製作の映画)

2.7

前半はコメディ演出多め、テレビドラマのノリだが、後半はマッドサイエンティストSF+ホラー色が優勢に…。
またメインテーマも「教養の暴走」から「喪失」へと移り変わり、ウェットな雰囲気に満ちていく。
そう
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呪詛(2022年製作の映画)

4.0

事前に何の情報もないまま、台湾ホラーだからという理由で観始めたのだが……、世界水準のものすごい出来、二度観たくはないけど。
『コクソン』や『女神の継承』などナ・ホンジン絡みの土着エイジアン・ホラーの系
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罪の後(2022年製作の映画)

3.5

台湾の高雄出身だが国籍はカナダ、30代の時に大陸Mango TVの新人監督選抜バラエティで評価を受けたのち、2020年に大陸ドラマ『ロング・ナイト 沈黙的真相』を大ヒットさせたという、チェン・イーフー>>続きを読む

ブレスラウの凶禍(2018年製作の映画)

3.5

のっけからシリアル・キラーのものすごく凝った殺害法に、ドキドキさせられる。
そのわりに影法は普通かなと思ったけど、ヴロツワフ市内に200以上架かる橋のひとつで行われた、すさまじく動的な場面がすぐ登場、
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#彼女が死んだ(2024年製作の映画)

3.5

コロナ禍で公開が2年遅れたらしい、新進女性監督作。
大手配給作でないにも関わらず国内で100万人を動員、2024年に話題となった作品のひとつとして、成功を収めている。

韓国映画で嫌と言うほど観せられ
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誰かに見られてる(1987年製作の映画)

2.7

リドリー・スコットがアメリカで撮った一作。
何かと金のかかるニューヨークで贅沢に暮らすお嬢と、妻子持ちの新米刑事が惹かれ合う描写はロマンティック。
どこかあどけないアメリカン・ボーイの面影を残すトム・
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やがて、霞立ち込めて(2024年製作の映画)

3.2

ボルネオ島の国境地帯に潜む、人身売買の闇を描く。
インドネシア、マレーシア、そしてダヤック族という三陣営それぞれの抱える悪人が、変死体で発見されていく展開。
そんな主題自体が目新しく、実在の社会問題も
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大樹は風を招く(2016年製作の映画)

3.5

「いつまで経っても成就しない、3悪党のリユニオン」という構成が意外で、映画的な野心を感じさせる銀河映像作品。
リッチー・レンとラム・カートンはたびたび観ているが、個人的に『BE MY BOY』でのゲイ
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ホテル・ムンバイ(2018年製作の映画)

3.2

実在事件の映画化、何よりゾッとするのは中東ならぬ南アジア系イスラム過激派テロ集団の、残虐な暴力描写。
主要キャラクターも内輪もめを見せながらどんどん追い込まれ、死んでいく。
そんなホラー映画ばりの、手
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セーヌ川の水面の下に(2024年製作の映画)

3.5

シャチや白イルカが、流れ着いたことがあるというセーヌ川。
「人喰いザメ現る」の可能性もゼロではない、という発想が物見高い。
作品内では環境活動家や水上警察も活躍、リアルなトピックを積極的に盛り込んだ脚
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ルージュの手紙(2017年製作の映画)

2.7

ふたりのカトリーヌ競演、ミレーヌ・ドモンジョもチョイ役で登場と豪華だが、ほぼ郊外のロケ撮影で庶民派の脚本。
しかし欧州個人主義が濃厚に反映されたキャラクターの激しいぶつかり合い、恥や大胆と共に描かれる
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キル・ボクスン(2023年製作の映画)

3.0

これまでにソン・ガンホ、チェ・ミンシク、ハン・ソッキュ、ファン・ジョンミン、そしてイ・ビョンホンと、大物を総ナメにしてきたチョン・ドヨンが、ソル・ギョングと初競演しているのが、物見高い(ファン・ジョン>>続きを読む

密偵(2016年製作の映画)

3.0

朝鮮人でありながら日本の警察組織に所属した主人公と、日本統治時代に暗躍した実在の独立運動団体『義烈団』の接近を描く歴史大作。
故ワーナーブラザーズ・コリアの制作であり、数多のヒット作を誇る監督作ゆえ美
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ニュー・オリンポスで(2023年製作の映画)

3.2

本作も『ムーンライト』や『君の名前で~』のトレンド系譜にある、ゲイ監督の青春ノスタルジア映画。
監督は『明日のパスタはアルデンテ』などを撮り、カミングアウト済みのフェルザン・オズペテク。
安手のメロド
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ダークサイド(2018年製作の映画)

2.0

乱歩の『屋根裏の散歩者』に似た設定、また個人的に数年前、ネット記事で読んだことのある『ジェラルド・フース事件』のエッセンスが、取り入れられている様子。
主演のニコラス・ケイジは灰汁の強いタイプキャスト
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ゴースト・ストーリーズ 英国幽霊奇談(2017年製作の映画)

2.5

英ワープ・レコーズってグループに映画会社ありなんだと初めて知った(グザヴィエ・ドラン監督作を観ていたのに、気付いていなかった)。
オムニバスホラー調だが、冒頭の命題が文字通り夢散する結末で期待外れ。
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6時間(2015年製作の映画)

2.7

画面加工に迫力ありだが、基本的に1台のカメラで撮影されているほか、役者陣はほとんど10代から20代前半の若者と、チリの生々しいインディ精神を感じる一本だ。
原発パニック映画でバッドエンド。
また作中に
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悪魔がみている(2020年製作の映画)

2.5

現役女優の監督作。
設定の中に架空の前戦や、キリスト教以前の女神信仰が盛り込まれている割に説明不足が目立つ。
そして基本的にミサンドリー色が濃厚、男性の女性に対する暴力的な性支配を、過激に告発するホラ
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ブルジョワジーの秘かな愉しみ(1972年製作の映画)

4.0

お高く止まったブルジョアの慇懃無礼や裏の顔を、全編に渡って戯画化、笑いが止まらない。
かと思うと突然現れたキャラクターの過去や夢エピソードも挿入されるという、シュールな作風。
目先の目的しか見当たらぬ
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クロユリ団地(2013年製作の映画)

3.7

中田秀夫の2013年作。
ロングショットに観る団地はかなり大きかったので、全体を巻き込む呪いかと思いきや、意外な展開へ……、しかし大きな破綻はなくまとまったJホラー。
感銘を受けたのは、脚本。
内外で
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テュ・ム・モンク あなたが恋しい(2019年製作の映画)

3.2

「アメリカ人はアフリカの一国だと思っている」。
そう本作の台詞で揶揄される輩と同レベル、恥ずかしながら「ボリビアってどこ?」と調べてから観た。
同性愛嫌悪が根強く残る南米出身ゲイの苦悩をベースに置く作
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偽りの隣人 ある諜報員の告白(2020年製作の映画)

2.5

民主化プロセスを辿る時代の韓国を描いた映画のひとつ。
前半はあまり面白くないコメディ演出が頻出、感動強要演出のラストも蛇足。
『レッド・ファミリー』では北朝鮮のスパイを演じたチョン・ウが、本作では南朝
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ラブレター/誰かが私に恋してる?(1999年製作の映画)

2.7

香港を主戦場としていたピーター・チャンがアメリカ製作で撮った、唯一の作品。
監督にはアメリカ在住経験があるせいか、気負いや違和は感じられない出来。
メインキャラクターたちは皆一様に愚直だが、香港流のド
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テンタクルズ(1977年製作の映画)

2.5

『ジョーズ』の亜流と思しき一本。
冒頭の、幼児が消える場面で蛸足がチラリとも映らない撮影から予想は付いたが、特殊技術は迫力不足が否めない。
特に巨大タコの「サイズ」を、視覚的に実感できる場面がほとんど
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熱砂の秘密(1943年製作の映画)

3.0

大成前/戦中のワイルダー作品で、北アフリカが舞台。
同エリアにまでナチスが触手を伸ばしていたとは知らなんだ。
冒頭の砂漠ロケはすごい迫力、砂丘に合わせて高下する戦車内部の様子もうまく撮っており、臨場感
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