こんなことを言っては元も子もないのだが、Part2は、Part1の伏線回収的な役割と、ラウラの人間性の描写でしかないように感じられて、Part1で終わった方がいいんじゃないかとさえ思った。
ラスト、シ>>続きを読む
個人的にはシタレラのデビュー作にあたる『オステンデ』の方が全然魅力的な作品として感じられた。
『トレンケ・ラウケン』では技術的な水準の高さや物語の組み立て方など、非常にハイレベルな作家の力量こそ感じる>>続きを読む
物語の内容を単純化していえば女性の視点による『裏窓』ということになるのだろうが、その映画的な文脈の流れとしての面白さよりも、ヒロインがその日の退屈なヴァカンスを主観の意識と客観の狭間で揺れ動きながら情>>続きを読む
この人のベースにはサブカル的なアニメ、漫画の影響があるんだろうということはわかった。だがあくまでサブカルな趣味であるために、人間への関心の方へは向かわず、拗らせた自意識を表出させてうちに閉じ籠る世界観>>続きを読む
藝大の『とおぼえ』上映時のトークで実験映画的なものを作っていると聞いたときにある程度予想してたが、それ以上のものにはなってないのが残念。相変わらず映像の嗅覚は驚かされるのだが。
1回目 イメフォ映画祭2023
2回目 東京藝術大学20周年記念上映
色々文句はあれど、過去に藝大で作られた修了制作では瀬田なつきの『彼方からの手紙』と並んでベストかな。
美点はとにかく小器用にま>>続きを読む
こちらも『春をかさねて』とさほど大きな印象の変化もなかったが、繰り返していうなら個人史をポエジーに語る村上春樹的なエッセイ映画の文脈(イメフォが培ってきたものでもあるか)に足りないのは本当の意味で他者>>続きを読む
作り手にとっては自分ごととして誠実な物語であることは認めつつ、正直実際の出来事を他者に演じさせて語り直す行為のうちに、ありふれた映画的なコードに自らを規定させている印象が強く、もしかしたらそのような距>>続きを読む
芝居も音響も映像も劇中カッコいいとされる音楽も全部ダセェどころかこれを働く人の映画だとか女性映画だとか言ってるとしたら本当に作り手の認識が何も足りてない。申し訳ないがバカ丸出しじゃないか。女が車に執着>>続きを読む
UFOといいつつ、ただの白く発光する球体の動力源がダイヤというのは面白い。そのダイヤを水晶に入れて保管しているのだが、この水晶を覗き込む夫が歪曲したガラスによって顔が巨大化したように写し撮られるのもま>>続きを読む
古典のロマンチックコメディを現代にアダプテーションしていて、敢えて言うなら正しく女性映画として描かれていて泣ける。
いかにもインテリシネフィルって感じだけど、不思議とそれ以上にやりたい放題本能に従って>>続きを読む
パレスチナ問題に留まらぬ、フェミニズム的な家父長制の制度への脱構築も。撮影がずっと心地よく、観ていてウットリする。家父長制の問題とパレスチナをめぐる問題を同等に見据える視点をこの時点でクレイフィが持っ>>続きを読む
『Scénarios』で記載したことに特に付け加えることはないが……
フォーエヴァー・ゴダール
「希望は夢であり続け必要なものだ」
生涯をかけて、3Dの形式も創作で経験したゴダールが最後に映画が平面でしかないことに到達したという事実自体がなんとも感動的。セザンヌやマティス、ピカソ、誰でもいいが、無理に立体へと近づける偽装を捨て去り>>続きを読む
ペッピーが純粋な眼差しのもとに社会を異化した作品であるなら、こちらは盲目のヘルマン少年の膨れ上がった眼球を通して社会のあらゆる不寛容さを盲目のもとに無化していくことを試みた批評的作品といえるか。だが、>>続きを読む
終盤にクロスカッティングされる男女の語りの背景にそれぞれBGMとして流されるハワイアン音楽とクラシック音楽の異質な組み合わせがあまりにしつこく反復されるので、ユーモアは当然のこととして、そのおふざけの>>続きを読む
イメフォ系のエッセイ映画の範疇を何も超えてこなくて、逆に驚いた。。
前作に続いて、相変わらずひたすら工場の製造過程に注視するシリーズであることには変わらないのだが、一作目とは明らかに見るものへ問いかける問題意識が違う。
第1部では義足義手の製造フローが1時間にわたっ>>続きを読む
工場での製造過程の観察映画でしかないのだが、ワイズマンのように空間の中にいる人間のコミュニティを描写するのでもなく、本当に作業による商業製品の製造フローの運動だけに注視することによって、その機械的作業>>続きを読む
ライブシーンまでがなんとか観てられるが、それでも相変わらずシャラマンは物語の都合に合わせて人物やその他のシチュエーションも含めて装置化させるため、商業に毒された人間の意地悪さを感じる。ラストでもあんな>>続きを読む
視覚で言うと固定の長回しの中でズームイン/アウトを多用して、そのことによって視界が広がっていく高揚感が生み出されていくあたりに形式的な面での新鮮さは感じなくもないのだが、聴覚的にはそのカメラのズームイ>>続きを読む
水の中の音であったり、浮かび上がった水面から周囲を見渡す光景によって、ふと異界が立ち現れてくる感覚はたしかに見応えはあるのだけど、正直それ以上に何か訴えてくるというものはなく、現代のアート系映画の典型>>続きを読む
駅のターミナルという時間が綿密に設定された空間をあえて最小限の自然光とおそらくちょっとした人工照明で捉えることで、夜なのか夜明けなのか、よくわからない時間が延々に続いていくような不思議な異空間の時間と>>続きを読む
素晴らしい。見事なタイミングで挿入される「andata」。坂本龍一の音楽を最も巧く使った映画じゃないかという気がする。
バカンス映画でお決まりの、一つ屋根の下で繰り広げられる恋愛についての4角関係のも>>続きを読む
フィルムの撮影や音響の質感はたしかにどれも見応えがあるのだが、現代でフィルムの撮影をやる場合に陥るノスタルジーなアウラに囚われた懐古趣味からは結局抜け出せてない。最後の宇宙まで到達するドローン撮影が辛>>続きを読む
冒頭のZODを象徴する灯台を煽り背後に広がる青空の雲の動きを捉えた固定長回しショットに続いて、庭で朗読をする女の横顔を捉えたクロースアップに繋がり、且つこの同ショット内で途中途中謎の呻き声が響くかと思>>続きを読む
マルチカメラの撮影も録音も技術的な力量は相変わらず凄いのだが、正直セラが闘牛を撮ると聞いて想像したものの範疇を超えず、いかにも現代映画の規範にまとまったものに留まるし、野蛮なようでいて実際のところお行>>続きを読む
冒頭の横移動から、清水宏の技術の結晶のような作品であることはわかるのだが、大映の技術スタッフの力量の凄さがむしろこの映画を窮屈で堅苦しいものにしてると思う。これほど滑らかに、人物の動きを捉えること自体>>続きを読む
桜映画の繋がりで引き受けたという大阪母親プロダクションという独立プロの仕事であるとはいえ、雨を降らせたり、撮影の質感含めて技術的な面においても今作の完成度の高さには驚愕せざるを得ない。
前半の圧縮した>>続きを読む
地方へやってきた赴任教師が主人公であるかのようで、特に何かをするでもない。彼の目線から磯っ子と山っ子で分断された社会を見つめるというだけで、謂わばこの教師は子供たちの喧嘩の出来事を見つめる目撃者として>>続きを読む
なんといっても海辺のシーンの時間感覚にビビる。この時点でネオレアリズモの作品などを木村が見ていたのかどうかもわからないが、あの海辺のシーンは脚本上では半日もなく数時間程度の出来事であるのだろうが、砂浜>>続きを読む
フランス人の父を失った息子と暮らす母の入江たか子というキャスティングのセンスに唸る!無言のフランス人息子の代わりに集団的な敵意に対して怒りを露わにする入江たか子の日本語の美しさはこの時点で際立っている>>続きを読む
初めてみた木村の作品が今作だったが、ウェルメイドな成瀬版を見ていたこともあり、とにかく歪で変な作品という印象であったが、正直なところ日本家屋の描き方に典型だが、そうした人工建築に限らず、多摩川と家を繋>>続きを読む
父と母がいなくなり、一人水商売を厭わずに生きるヒロインに対して、木村版では同僚の女たちが、彼女の経済的不援助を助けようとして声を掛け合うという構成(演出)がなされており、単なる労働を超えて女性同士の結>>続きを読む
ドイツへ移住して撮った直近の新作ではあるが、正直現在作られているヨーロッパ圏のつまらない国際映画祭のフォーマットにハマった作品だと思う。『古典時代』のように、せめて形式的な面での実験的な、人間にただ従>>続きを読む
端正なカットの積み重ねと、冒頭の玄関前から歩いて行くヒロインを追ったカメラのパンの光の捉え方など、さりげなく目を惹く映像を撮っているのは流石なのだが、海外の映画祭とかでよく見るタイプの映画という印象で>>続きを読む