とぽとぽさんの映画レビュー・感想・評価

とぽとぽ

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Super/Man: The Christopher Reeve Story(原題)(2024年製作の映画)

4.0

彼は確かにスーパーマンだった

本物のヒーローとは、壁に直面しても諦めずに越えようとする普通の人のこと。
父から自分が父になる番、自分は父のようにはならない。その強い思いゆえに、家族というものへの人一
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Flow(2024年製作の映画)

4.2

監督らしい動物疑似家族による、言語も種も越える流浪の舟旅はぼくらの今これからのようだ

ぼくらが生きる現実世界を映し出すように人類の文明が滅び、洪水で水位は上がった(現実に直面している海面上昇)後に、
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ロングレッグス(2024年製作の映画)

3.5

脚を縛っても子供は大きくなる

当選おめでとう!おどろおどろしい雰囲気ありありで、特に作品中盤くらいまでビビりまくっていた…。アートホラーっぽい雰囲気のくせして、割としっかり音でもビビらせてきたのちょ
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そして、バトンは渡された(2021年製作の映画)

2.5

笑っていればラッキーが転がり込む

現代らしい疑似家族モノだけど、題材に対してキレイにパッケージされすぎて、邦画メジャーらしいクサさ・無害さ。意図的かもしれないけど、現在と過去が分かり辛くて、そこに作
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悪い夏(2025年製作の映画)

4.0

いけないことはいけない、それって"普通"のことじゃない?だったら助けてよ

ぼくは見てます。人の弱みに付け込んで、利用するなんて最低です。権力や文字通りの力、必ず強い立場の人間から弱い立場の人間へと行
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ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦(2024年製作の映画)

3.0

ゲームオーバーよりゲームクリアのほうが悲しい

たのしー…。一見さんでもわかるように回想シーンも挟みつつ、"ザファ"こと『THE FIRST SLUM DUNK』宮城リョータのポジションに研磨。ただ、
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Away(2019年製作の映画)

3.5

死から逃れて

生への執着。輪郭線を描かないで境界が溶けるような(ゲーム画面みたいな?)アニメーションで綴られる、この寓話的な美しい物語にはセリフもなく、まるで「ワンダと巨像」でも見ているような気持ち
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ウィキッド ふたりの魔女(2024年製作の映画)

4.5

重力に抗う必然の超大作

満を持しての映画化は、素晴らしいキャストとスタッフによって目も耳も心も奪われる、今の時代にも十分刺さるテーマを問う映画の魔法だった。鑑賞後もまさしく重力のように引き戻されては
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ナミビアの砂漠(2024年製作の映画)

4.0

なにこれ、どういう状況?わかんない

「拾えよ」
寄りと緑、言動と思考、あるいは感覚。リビールショットのように観客には何が起こっているのかわからない既成事実として一種のドキュメンタリー性を帯びて描かれ
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ミッキー17(2024年製作の映画)

4.0

悪夢を跳ね除ける力が僕らにはきっとある

ワン・アンド・オンリーなポン・ジュノ監督のフィルモグラフィーにおいて本作は新鮮さよりコレコレという安定感に似た興奮と確かな映画的カタルシスを与えてくれる、混沌
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教皇選挙(2024年製作の映画)

4.0

確信は罪…悩めるローレンス!

それは進化を止め、退化させる。祈っても祈っても祈りは届かない、教会(組織)の腐敗。そんな絶対的男性社会の中で、(未だに!!)何者でもない女性という存在。従来の体制や社会
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サンクスギビング(2023年製作の映画)

3.2

ブレないイーライ・ロス流ホラーコメディ

タイトル前のアバンパートから腹抱えて爆笑!いや、そこまでしてワッフルメーカー要るか?人間の醜さアホすぎるって…。グロと笑いを量産してくれる、『スクリーム』的ミ
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愛にイナズマ(2023年製作の映画)

3.0

理解不能なことが相次ぐこの世の中、みんな俳優だからムキ出しに言い争って嘘(デマ)や人としては恥ずべきことはやめよう!コロナでみんな辛くても、そこで人として退化するのでなく、ピンチのときだからこそより良>>続きを読む

プチ・ニコラ パリがくれた幸せ(2022年製作の映画)

3.8

自分の創造物が自分を救ってくれる

そして、自身の生い立ちや今までの人生の道程と向き合う追体験。それはきっと本人が亡くなってからも、君を通して僕らは生き続ける。後世に残る表現の力が、多くの人の心の中で
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碁盤斬り(2024年製作の映画)

3.5

切り捨て御免に御免の、前言撤回御免!たとえ発言を翻してでも、正々堂々嘘偽りのない"清廉潔白"より、人としてもっと大切なもの

正々堂々嘘偽りなく打ちたい「碁」とはまさしく生き方そのもので、「碁盤」は人
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マダム・ウェブ(2024年製作の映画)

3.0

彼女の真の能力は予知能力じゃない!運転スキルと無謀なカースタントへ挑む度胸・肝っ玉だ!!

ラジー賞受賞の結果発表タイミングと見放題配信開始タイミング合わせた?いやいや、まさかそんなこと〜…けど正直そ
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ANORA アノーラ(2024年製作の映画)

4.2

あらゆる差別と密接に関わる性産業における表層のシンデレラ・ストーリー、その見せかけっぷりをブチ壊して告発する

セックスワーカーコミュニティに降りかかる幸運と悲劇、夢の続きとその残酷さ。市井の人々とい
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ゴールド・ボーイ(2023年製作の映画)

2.5

こじらせ厨二病の筋書きなんてどうでもいいけど、金子監督らしい作品で岡田将生がノリノリに吠える!両者の持ち味が存分に生かされた作品

(※スティーヴン・キングの『ゴールデンボーイ』は関係ありません)
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ソウX(2023年製作の映画)

3.5

「趣味:トンデモ処刑マシン作り」なジグソウ、弟子への2代目ジグソウ襲名・伝統芸引き継ぎ期間に開催された処刑マシン展示会24SSコレクション!

真面目に生きる市井の人々をカモにする輩は言語両断許せない
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ニッケル・ボーイズ(2024年製作の映画)

3.7

"結局他人事"に挑む追体験!『それでも夜は明ける』『ムーンライト』のPLAN Bらしい黒人史映画、つまり自分にとって特別になる作品ではないけど今を生きる私たちが一度は観るべきよくできた作品

毎年のよ
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ノー・アザー・ランド 故郷は他にない(2024年製作の映画)

4.0

カメラが映し出す理不尽で悲痛な記録の数々から平和な未来への希求へ ― 微かな一筋の希望を与えれてくるのもまた人だ

故郷=生まれた場所はひとつ、覚えている私たちの家、草、山、鶏小屋、学校…なぜ奪う?イ
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リンダはチキンがたべたい!(2023年製作の映画)

3.8

ママン お願い!

貸して!どこかもかしこもストライキの日に限って食べたくなるパパの味、思い出の料理。美しいアニメーションに生き生きとしたキャラクターたちによるかわいらしい物語、そして包み込まれるよう
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ファーストキス 1ST KISS(2025年製作の映画)

3.5

「大丈夫、未来は変えられる」― だれも"運命の人/赤い糸"だなんて言わなくなった、夢も見れない今日に坂元裕二さんが描くこと。おかげで僕らはまた恐竜とその先の真実の愛を発見できる!

恋は盲目、結婚は4
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ドライブ・イン・マンハッタン(2023年製作の映画)

3.5

社会(制度)がいくら変わっても、男の性がいつまでも残念ながら変わらないのなら、女性が変わるしかない…のか

(本当はそうならない世の中であるべきだが)
今この時もどこかで悪い恋をしている世の女性たちに
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Broken Rage(2024年製作の映画)

2.5

北野武の暴力✕ビートたけしの笑い

混ぜもの=暴力と笑いという2本軸を殺し屋の理想(フィクション)と現実のギャップを明確なコントラストで描くチャレンジングな中長編映画で、日本の配信映画への取り組み方と
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キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド(2024年製作の映画)

2.5

話せばわかる?新世界と銘打つにはまるで不十分で、何をしたいのかわからない(アンソニー・マッキーは悪くない、むしろ本作の中で数少ない良い点だ)

傑作『ウィンター・ソルジャー』を踏襲・彷彿とさせる展開が
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愛を耕すひと(2023年製作の映画)

3.9

マッツに耕せないものはない!北欧の荒野と観客の心をマッツ・ファミリーが力強く豊かにするエピック

今度のマッツは、開拓不可能な荒野開拓ミッション!"王の家"で見捨てられた人々が身を寄せ合う反骨の ―
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セプテンバー5(2024年製作の映画)

4.0

だれの事件

だれの責任?報道の功罪。緊迫の映像と、1時間半の短い尺を無駄にすることなく濃密な時間で駆け抜ける編集で、報道の義務と責任を描く実話モノの報道スリラー。"実話"モノとは言っても、例えば『大
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聖なるイチジクの種(2024年製作の映画)

3.8

パパの言いなり

神への服従と信仰心、父権制・夫への忠誠心。ヒジャブに象徴される国家や文化が求めてくる(その多くは女性に強いてくる)、体制への疑問符と大文字の"NO!"を突きつける。作品が見せる表情が
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あの歌を憶えている(2023年製作の映画)

4.0

記憶が邪魔になること、傷ついた魂が惹かれ合うこと

家族が「あなたはこうすべき(あるべき)だ!」と枠にはめてくること。シルヴィアとソール、彼らを取り囲む周囲(家族)の環境など一見鏡写しのようでもある2
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真心を込めて招待します(2025年製作の映画)

2.8

ウィル・フェレルの微笑み

コメディとは対立である!…という大原則に則った、ありがちな展開に終始する本作。だから全編にわたって「コレ(以前に)観たって」という既視感がスゴいけど、それでもやっぱりウィル
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ナイトビッチ(2024年製作の映画)

3.2

子育てに忙殺されるすべての女性とその夫に捧ぐヘンテコな家族応援讃歌

"ビッチ"=俗・軽蔑的に使われるその言葉の本来の意味は、雌犬。芸術家としての夢や自己実現を諦めた専業主婦エイミー・アダムス✕マリエ
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愛に乱暴(2024年製作の映画)

-

「私ね、わざとおかしいフリしてあげてるんだよ」― 江口のりこ劇場

あんのこと(2023年製作の映画)

3.5

河合優実がすごい

入江監督特有のクサさは本作でも消えないが、目先に囚われない本質的な一筋の希望にリーチしようとする作り手のスタンスと映画としての構成を損なってでも伝えたかったこと…。気になりつつ、ヘ
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アンストッパブル(2024年製作の映画)

3.5

運命は人柄が作る

いかなる逆境にも決して諦めない不屈の精神、継続は力なり。ロッキーを生んだフィラデルフィアから、またしても胸をアツくさせるスポーツ映画が届いた感動の実話!我らがJ. Loジェニファー
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ドライブアウェイ・ドールズ(2023年製作の映画)

3.5

最高にバカバカしくて好きなハマる人にはハマる深夜映画枠

バカみたいに笑えるというか本当にバカげた話!お下品ながらテンポのいいユーモアのセンス。大袈裟オーバーな演出など見方によっては小ザムいけど、その
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