温かさと苦しさが交錯し続ける約140分。ADHD(発達障害)の息子と母の不器用な愛情の物語。発達障害の当人の苦しさ、そして何よりもその親の子どもに対する深い愛情と目の前にある厳しい現実の中での激しい葛>>続きを読む
カンヌ審査員賞受賞の全編EO(イーオー)というロバ視点で描かれた意欲作。動物の視点から人間のエゴを描いた動物愛護の精神に基づく作品であることも分かるし、やや不気味ながらも美しさ溢れる映像など惹きつけら>>続きを読む
人間の嫌なところを映し出す暗めの社会派映画が続き、若干映画疲れが出始めていたなかで、私の心の清涼剤となってくれた、とにかく明るく温かい気持ちになれる作品。そうそう、こういう映画を心と体が欲していたので>>続きを読む
まさに鬼畜の所業。大人たちの勝手な都合により邪魔な存在として扱われる子どもたち。子どもたちが真っ直ぐでなんとも愛らしいだけに、観ていてただただ苦しく辛い作品だが、その中でも“親子の愛情”の深さを貫き通>>続きを読む
9.11の同時多発テロによりハイジャックされたユナイテッド航空93便での一部始終を描いた作品。
さすが「ブラディー・サンデー」のポール・グリーングラス監督。手持ちカメラを多用したドキュメンタリーさな>>続きを読む
ジョン・ヒューズ監督の作品は初めて。土曜日の補習クラスに呼ばれ図書館に拘束された家庭環境も学校での立場も大きく異なる5人の高校生たちが、最初はいがみ合いながらも、お互いの悩みを打ち明けはじめ、絆を深め>>続きを読む
あるテラスで繰り広げられる面倒くさい人間決定戦!ワンシチュエーションの会話劇作品では今まで観た映画で3本の指に入るくらい面白い!
こういったワンシチュ会話劇は演劇として観るのは大好きだけど、映画とし>>続きを読む
ATG(日本アートシネマギルド)の人気作品ランキングでたびたび名前を見かけずっと気になっていた本作。ついに鑑賞。いや~、これは楽しめなかった!
医者としての就職を控えた医大生たちの卒業までの1年を追>>続きを読む
ドイツ国内で起こった「アウシュビッツ裁判」を行うに至るまでの過程を描いた実話に基づく骨太歴史映画。レビュアーのちぃさんさんお薦め作品。
ホロコースト関連の作品は、積極的に観るようにしていますが、アウ>>続きを読む
晩年の喜劇王チャップリンが、老いて全盛期を過ぎた喜劇王を演じるトーキー作品。チャップリンのトーキーを観るのはこれが初めて。
それまで観てきたサイレントのチャップリンとは打って変わり、ほぼ笑い無しの超>>続きを読む
永遠のマイフェイバリットである「アンダーグラウンド」(エミール・クストリッツァ監督)を彷彿とさせるエネルギッシュで迫力ある劇伴は100点。その迫力に負けないスピーディーかつパワフルな乱痴気騒ぎでぶっ通>>続きを読む
この人間の憎悪や苦しみを描いたヒューマンドラマが、人を殺さずとも不気味なホラー感を醸し出すあたりは、さすが“今村節”。
偶然強盗に遭い、そのまま強姦されてしまった人妻とその強盗の腐れ縁。強い憎悪を持>>続きを読む
前回この作品を観たのは25年ほど前の学生時代。まだいわゆるエンタメ娯楽映画しか知らなかった頃。その時は、本作がSFの傑作ということは知りながらも、いわゆる“SFアクション”作品を想像して観たこともあり>>続きを読む
この作品を観ると、改めて「哀れなるものたち」や「女王陛下のお気に入り」は、ランディモス作品としては、だいぶポップで大衆性の強い映画だと感じる。
本作も、父親のコントロールにより家から一歩も外に出たこ>>続きを読む
ネットフリックスオリジナル。オーソドックスな離婚物で、内容も淡々としており、大きな波や強烈な展開がある作品ではない。
ただ、人物描写や会話一つひとつの描き方はとても丁寧。作品全体の雰囲気もあまり暗す>>続きを読む
敢えての“昭和レトロ感残し”なのか、現代を舞台にスタイリッシュに生まれ変わった「シン・ゴジラ」に比べると、妙な不自然さや古さを感じる。
特に俳優たちの演技が、非常にわざとらしく見える(悪い言い方をす>>続きを読む
原爆実験の成功シーン、原爆投下後の会見シーンをはじめとした目を見張る印象的な演出、十二分に研究された史実と科学的根拠に基づく緻密かつ巧妙な脚本など、映画としてのクオリティはさすがクリストファー・ノーラ>>続きを読む
これほどまでに1秒たりとも無駄な画のない映画、と思ったことがないほど、完璧で濃密すぎる60分弱。
無駄がないのに強烈に脳裏に焼き付くシーンの数々。そして、その1つ1つのシーンをさらに際立たせる美しい>>続きを読む
とてもあの「ジョーカー」の監督の作品とは思えない、おバカ痛快コメディ(むしろ、「ジョーカー」まではこちらのコメディ路線がトッド・フィリップス監督の本流?)。
結婚2日前の新郎含む男性だけの飲み旅行で>>続きを読む
「ハートロッカー」のキャサリン・ピグロー監督が描く、1967年のデトロイト暴動におけるアルジェ・モーテルの黒人3人の銃殺事件の真相に切り込んだ、圧倒的リアリティと緊張感に満ちた実話ベースの衝撃作。>>続きを読む
「鉄男」で一気に惹かれてしまった鬼才塚本晋也監督の2作目に挑戦。
終戦直後の日本の貧困を描いた本作。そこにまざまざと描かれる、戦争により命を奪われずとも、戦争で夫と子を失いまともな人生を奪われ闇娼婦>>続きを読む
「アルジェの戦い」以来、おそらく人生2本目となるアルジェリア映画。
ある事件をきっかけにバレエダンサーの夢を断たれ声も失った一人の女性の再生の物語。であるとともに、心に大きな傷を負ったアルジェリアの>>続きを読む
アメリカの黒人奴隷制度を描いた衝撃作にして、あのタランティーノの「ジャンゴ」に大きな影響を与えた(元ネタとも言われる)作品。
1975年という時期に、白人が黒人を“家畜”や“物”として扱ってきたアメ>>続きを読む
矢野顕子の楽曲「LOVE LIFE」の世界観にインスパイアされ作られた作品。音楽の世界観を映画化した作品、というのはあまり観たことがない。
温かいファミリー物のように見えて、序盤から感じるどこか陰鬱>>続きを読む
・超破壊的中毒映像。この映像世界を好むか好まぬかは、もはや“癖”の域。そしてこの作品が大好きな自分は、確実にその“癖”を持っている。
・理屈や常識を考えること自体がナンセンス。自らの思考の枠を完全に>>続きを読む
・AIとの音声での会話を通じてAIに恋をする物語。
・2013年に公開された本作を、その約10年後に登場するChat GPT等の生成AIブームの今観ると、実際に起こり得る極めて現実的な世界に見える(>>続きを読む
・ミステリー調の作品だが、人間の猜疑心を抉り出すようなストーリーラインは、さすがミヒャエル・ハネケ。
・話が進むにつれじわりじわりと感じる作品の面白さ、最後まで残り続けるモヤモヤ感と余韻もハネケ作品>>続きを読む
・青春×儚き恋×ロックンロールの爽やかストーリー。
・もっとほろ苦く抑揚のある切ないストーリーかと思ったが、思いのほか平坦な展開。
・作品としてイマイチ刺さらず感情移入できなかったのは、ペニー・レ>>続きを読む
・この生き地獄のような負のスパイラルが“実話”という衝撃。
・その負のスパイラルの元凶とも言える、最悪レベルのクズ母親。
・声に出せない苦しみと助けに気づき寄り添える存在が近くにいることがいかに大>>続きを読む
・スコセッシのマフィア映画の集大成とも言うべき、3時間半にわたる実際の人物と事件を描いたマフィア大河。
・スコセッシ作品に、あの「レイジング・ブル」や「グッド・フェローズ」でおなじみの盟友ロバート・>>続きを読む
最近、公私ともに文章を書くことが多く、レビューを書く気力がないものの(汗)、映画を観たら記録を残したいので、しばらくは箇条書きレベルのメモレビューを残します。
・噂に違わぬ草彅剛の圧巻の演技。そして>>続きを読む
約25年ぶりの視聴。前回鑑賞時はTSUTAYAの店員オススメ作品になっていたのを軽く手にとって観ましたが、後半でかなり心動かされて号泣したことを覚えています。再視聴の今回は意外にも涙は流れず、しかしや>>続きを読む
木下恵介監督の作品は、そのほとんどが苦しい状況の中でも前を向いて突き進むメッセージがが込められているという印象でしたが、本作は負の連続が積み重なった、まさに「悲劇」。戦後の貧困が生む負のスパイラルに、>>続きを読む
ジュリアというピアニストを目指した一人の女性の4つの世界線を描いた物語。4つの世界線が章立てなど明確に切り分けられて描かれるのではなく、全ての世界線が明確な場面の切り替わりがなく同時並行的に交錯して進>>続きを読む
引きこもりの男性と自称「すでに死んでいる」という小学校からの親友が、その親友をやり残したことを叶えるためのコメディックでファンタジー性ありの温かく少し切ないロードムービー。
死んでしまった友人との男>>続きを読む
フィルマのフォローしているレビュアーさんたちの高評価で知った本作。私の中の「デンマーク映画にはずれなし!」(本作はドイツ・スウェーデン共作ですが)をさらに確固たるものにする非常に面白い作品でした。>>続きを読む