イワシさんの映画レビュー・感想・評価

イワシ

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君の忘れ方(2024年製作の映画)

3.7

山頂で岡田義徳に写真を撮ってもらう時の坂東龍汰の左向きの顔(画面上は右)、二人分のカレーを作り西野七瀬を食卓に促す場面でも反復されるが、キャンプの場面では出現した西野に誘われるように橋を渡って右に移動>>続きを読む

室町無頼(2024年製作の映画)

3.3

マカロニオマージュサントラが随所に鳴り響くだけに柄本明への修業外注にええのか?と思ったが、大泉洋が直接指導するとリー・ヴァン・クリーフよろしく倒されちゃうからまあええか。夥しい松明の火が印象的だが、証>>続きを読む

機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-(2025年製作の映画)

3.5

ワインを登場させるあからさまな誘惑の場面で口に出される「(擬似)重力」という台詞、画面外にグラスを置くこと(オフの音響のみ)で握手という関係性構築の所作を見せるためのきっかけとなる台詞だが、マチュとニ>>続きを読む

Walden(2022年製作の映画)

3.0

自然の光景と音響に『天が許し給うすべて』のソロー朗読のジェーン・ワイマンのボイスオーヴァー。ワイマンとロック・ハドソンが想像したであろう自然の光景を見ながら、ダグラス・サークの映画の場面を想像するとい>>続きを読む

天国はまだ遠い(2015年製作の映画)

4.1

再見。雲=モザイク。AVにモザイクを重ねる岡部尚もまた小川あんを玄里に可視化するための皮膜として機能。直接の視認を阻みつつも隠された存在を意識させるものとしてのモザイク。ラストのビニール傘もモザイクの>>続きを読む

永遠に君を愛す(2009年製作の映画)

3.6

脚本渡辺裕子。序盤は展開にしても演技にしてもドラマ的だと感じだが牧師の言葉をきっかけに著書で語っていたような増村/成瀬を彷彿とさせる演者たちの振り返り合戦が勃発。腕を組んで歩く男女と勝手に飛び乗ってき>>続きを読む

何食わぬ顔(2003年製作の映画)

3.8

白いシャツが黒く潰れた夜に浮き上がるサッカーの場面が素晴らしい。この場面をはじめ、移動撮影用車椅子、騎手、電車の座席など下半身が動かない/運動が見えない画面が多々あるが、劇中映画『何食わぬ顔』の移動撮>>続きを読む

はたらく細胞(2024年製作の映画)

3.6

芦田愛菜と加藤清志郎の待ち合わせ/告白の舞台となる団地/道路を繋ぐ階段と高低差演出が抜群。阿部サダヲも含めた三者が最後に場面を演じるのも階段先の道路だが、芦田の体内の白血球役の佐藤健もそれまでの落下か>>続きを読む

劇映画 孤独のグルメ(2025年製作の映画)

3.5

松重豊の食事にユ・ジェミョンが逐一コメントを挟むも異言語の為とりあえず食事を続けるというコメンタリー的状況が同フレーム内で演じられるコメディ演出に笑う。ようやく終わったかと思いきや鯖が運ばれ、耐え切れ>>続きを読む

まひるのほし(1999年製作の映画)

4.3

江ノ島のシゲちゃんの背中を撮ったフルショットが素晴らしい。波に反応する前景のシゲちゃん、遠景のウィンドサーフィンの行き来、寄せては返す波の運動がただでさえ画面のほとんどを領有する海面をさらに広げ、画面>>続きを読む

阿賀に生きる(1992年製作の映画)

5.0

再見。凄すぎ。バチバチにショットがキマる。カギ流し漁にしても川舟造りにしても、語り(インタビュー)から運動が比喩でなく蘇ってくるのが感動的。そしてその運動が継承される(三浦哲也が指摘する『真夜中のサバ>>続きを読む

ビーキーパー(2024年製作の映画)

3.5

ジェイソン・ステイサムが螺旋階段を昇りながら立ちはだかる雑兵たちを律儀に落下させていく終盤のアクション設計が最も良かった。アクションシーンはともかく蜂蜜採集の場面でもカット割過ぎな気がする。一ショット>>続きを読む

リュミエール!リュミエール!(2024年製作の映画)

3.7

シネマトグラフ開発史や上映に至るまでの過程にも触れ、世界各地へのカメラマン派遣を経て、臨界点を越えてしまった最後の作品まで到達する歴史編という趣き。ガブリエル・ヴェールやコンスタン・ジレルの名前も挙げ>>続きを読む

ウォレスとグルミット 仕返しなんてコワくない!(2024年製作の映画)

3.8

グルミットが牛乳を浴びた瞬間をウォレスが見逃したり、なでなで期待の切り返しショットもボタンに手が伸びて視線が流れたり、具体的な視線のスレ違い演出が見事だからこそ宙吊り状態での真摯な切り返しとミスディレ>>続きを読む

陪審員2番(2024年製作の映画)

5.0

トニ・コレット訪問場面での単純な切り返しが心底恐ろしく、ゾーイ・ドゥイッチの嘘によって背景の写真が焦点が合わないままなのに際立つ。しかし真に戦慄すべきはニコラス・ホルトがSUVの前に屈み込む場面。この>>続きを読む

The Halliday Brand(原題)(1957年製作の映画)

4.5

二階建てという珍しい構造の保安官事務所にクリストファー・ダークをリンチしようと民衆が押し寄せる場面が超絶。ワード・ボンドが一階のドアを開けた瞬間に映る影、階段を駆け上がる足、画面外からジョゼフ・コット>>続きを読む

めいとこねこバス(2002年製作の映画)

4.3

強風を真正面から受け咄嗟に身体を回転させ風に背中を預けるかたちで45°の姿勢を保つメイの姿はバスター・キートン的でありながら、つむじ風そのものであるこねこバスに乗車し飛行する様子も先立って描き込まれて>>続きを読む

クレイヴン・ザ・ハンター(2024年製作の映画)

3.0

ライオンと少女との切り返し、ライオンのクロースアップが挿入されるタイミングは無いだろと思うし他の場面でも編集はガタガタ。それなりにキマった画面はあるが。フレッド・ヘッキンジャー拉致の際、アーロン・テイ>>続きを読む

セキュリティ・チェック(2024年製作の映画)

3.5

仕分けエリアのベルトコンベア上での格闘は『マイノリティ・リポート』の自動車工場の場面を思い出して楽しい。化学兵器収納のキャリーケースが機械に押し出されて別ルートに分岐していく様子は豪快かつ爽快。後を追>>続きを読む

悪魔のサンタクロース/惨殺の斧(1984年製作の映画)

3.2

チャールズ・ディアコップが店主の脳天をきっちり撃ち抜く描写があって非常に良かった。ロバート・ブライアン・ウィルソンのトラウマになるディアコップには理由もなく唐突に残酷。橇に乗ったまま滑り降りてくる首無>>続きを読む

脱獄者の叫び(1953年製作の映画)

3.8

独房での殴り合いで向かい合う両者を捉えたフルショットが挿入されて驚く。脱獄前から煙草を分ける『マンハッタン無宿』関係。事故直後、ヴィットリオ・ガスマンがトンネルから飛び出して速度を落とすことなく身体を>>続きを読む

In A Violent Nature(原題)(2024年製作の映画)

3.5

ガス・ヴァン・サント『エレファント』ほか死の三部作参照のスラッシャーだが移動はジャンプカット多用で元ネタほど長回しは一箇所あるくらい。続編が決定してるらしいのでもっと先鋭的な演出はそっちに期待か。通称>>続きを読む

私、ピエール・リヴィエールは母と妹と弟を殺害した(1976年製作の映画)

4.1

フィリベール『かつて、ノルマンディーで』を観た後だと、農民役=農民たちの顔にすごく見覚えがある。鉈を振り上げ、妹の頭を掴む瞬間がめちゃ怖い。リヴィエールの手記で言及されていた過去の暗殺事件や殺人犯を図>>続きを読む

老婆らしからぬ老婆(1965年製作の映画)

4.1

夫を亡くした老婆シルヴィがいつものように買い物に出かけたとき、その横を通り抜ける若者達の爽やかな運動感は何事かが起きるような予感を喚起させる素晴らしさ。実際、老婆は若者の跡を追って奥まった路地にある小>>続きを読む

かつて、ノルマンディーで(2007年製作の映画)

4.0

ルネ・アリオ『私、ピエール・リヴィエール(…)』の助監督だったフィリベールが30年振りにロケ地訪問、出演した住民へのインタビューやアリオの撮影日誌、犯人の手記などを参照しつつ、消息を絶った主演クロード>>続きを読む

ぼくの好きな先生(2002年製作の映画)

3.5

フランス農村の少人数クラスを受持つ小学校教師ジョルジュ・ロペスと生徒達を捉えたドキュメンタリー(後に訴訟騒ぎになるが…)。高学年男子2人のケンカの理由を尋ねるというごく当たり前の場面の直後に先ほどの男>>続きを読む

僕たちの舞台(1998年製作の映画)

3.0

演劇学校の学生達がストラスブールを主題にした即興劇を作り上げる様子を捉えたドキュメンタリー。『すべての些細な事柄』とは対照的に夜、室内、真っ黒の背景が一貫。演者と観客が流動的なのは明らかに前作から発展>>続きを読む

すべての些細な事柄(1996年製作の映画)

3.7

フェリックス・ガタリとジャン・ウーリー設立のラ・ボルド診療所で恒例の演劇上演の企画、稽古、上演までの記録。陽光と自然の下での演劇はどこか60年代的。本番前の歌の合唱練習の場面が超素晴らしい。衣装室のミ>>続きを読む

動物、動物たち(1994年製作の映画)

3.7

フランス国立自然史博物館の改修と展示物の修復、移動の記録。剥製の修復、製作の様子は興味深いがそれよりホルマリン漬けの動物標本を映したショットは完全にホラー。切り裂き、継ぎ接ぎ、ピン刺し。『獣人島』のチ>>続きを読む

音のない世界で(1992年製作の映画)

4.1

手話講師ジャン=クロード・プーランの映画再現動作に由来する聾者=視覚優位者という主張は、聾学校生徒フローランが聴き取れない母親の言葉をカメラレンズにする反射する口の動きから発見する場面でまさしく証明さ>>続きを読む

行け、ラペビー!(1988年製作の映画)

3.0

自転車競技選手ロジェ・ラペビーの晩年を撮影した短編ドキュメンタリー。同年『バケのカムバック』でも先達の過去と現役の競技者との対比は、後の作品に見られる教育者への興味の眼差しへと発展するものか。

バケのカムバク(1988年製作の映画)

3.3

56年にモンブラン山系エギーユ・デュ・ミディにガストン・ルブッフェと共に初登攀を果たした俳優兼チェリストのモーリス・バケがクリストフ・プロフィと共に行った再登攀の記録。現在/過去のモンタージュは前作よ>>続きを読む

たった1人のトリロジー 〜クリストフプロフィのアルプス三大北壁単独登攀(1987年製作の映画)

3.5

題名通りの挑戦を登山家クリストフ・プロフィが行う姿を捉えるがストイックかつ孤独な印象の『クリストフ』と異なり、プロジェクトの協力メンバーや新聞、雑誌記者、TVクルーの取材や中継の様子も捉える。『クリス>>続きを読む

カマンベールの北壁(1985年製作の映画)

3.5

映画『Billy ze Kick』のためにスタントを担当するクリストフ・プロフィの姿を捉えた短編ドキュメンタリー。『クリストフ』のモンブラン登攀と異なり、幾何学的な構造の建造物なので攀じ登りに一定の振>>続きを読む

クリストフ(1985年製作の映画)

3.5

クリストフ・プロフィのモンブラン登攀を捉えた短編ドキュメンタリー。ロープ無しの岩壁攀じ登りは凄まじいものがあるが、登攀以外の場面は微妙にフィクション的なショットやカット割。無事に下山した登山家が施錠さ>>続きを読む

文学賞殺人事件 大いなる助走(1989年製作の映画)

3.8

直本賞選考委員を射殺する場面で全員分しっかり弾着描写があるのが最高。佐藤浩一の顛末は『バニシングIN60"』じゃなくて『バニシング・ポイント』。筒井康隆の長台詞とビール瓶殴りにめちゃくちゃ笑った。>>続きを読む