このレビューはネタバレを含みます
まず、大前提として、私は、この映画の設定は、ペギー・スーのタイムスリップではなく、意識を失った彼女が見た夢と解釈している。その最大の理由は、彼女がタイムスリップしたと思っていた過去では、過去の彼女の体>>続きを読む
主人公が視力を失ってからは予想の範囲内のサスペンス。多くはないが、必要以上に残虐で気持ち悪いシーンがある。暇つぶしくらいにしかならない、というのが私の感想。
ほとんどが森を駆けるエイミー、そして、多くの台詞はスマホでの会話。事件そのものは見せず、観るものの想像をかき立てる形で緊張感を高めていく手法。他の映画でも前例はあるものの上手く出来ている。もう少し、ノ>>続きを読む
すれ違って成就出来なかった愛を求める心と、それに突き進んだときに自分たちや関わる人が失うものを思い躊躇する心の葛藤を描いている。長さに見合うドラマは観られなかった。
不倫相手の木村を救わず、夫文規のそれによる猜疑や困惑にかまうことの無い行動を考えると、綿子は彼らを愛してはいない、ということが分かる。文規もかつて浮気をしたということなので、それらの行動はその腹いせの>>続きを読む
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登場人物について分析してみる。
十和子・・・男の外形的なところに惹かれ恋愛を繰り返す。人の本性が見えない。その男の言いなりになる。また、クレーマーである。しつこく、クレームを仕掛けるが、必ずしもお金や>>続きを読む
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ジョバンナは、はるばるやって来た異国でやっと会えたアントニオと言葉を交わすことなく、逃げるように列車に飛び乗りイタリアに戻った。その時、彼女は号泣した。彼女はアントニオが異国で記憶をなくしイタリアに戻>>続きを読む
ダイ・ハードとホーム・アローンをパクったスプラッター映画。残虐シーンの連続だが、それをクリスマスに家族が和解する、いわゆる、いい話の筋でつないでいるのが悪趣味で気持ち悪い。私はこれを冗談として楽しめる>>続きを読む
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主人公の趙行徳は特に強い信念もなく、成り行きに対応して生きている人に思える。科挙の試験合格への執念もなく、西へ向って旅した動機も薄弱、後先考えずツルピアを助け愛し合うが、自害に追い込まれた彼女の復讐に>>続きを読む
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人が人を殺すこと、また、その行為を繰り返すことがその精神を壊していく。クリスは、国を守るため、戦場の仲間を守るため、人を撃ち、それは神に説明できると言っていた。彼の最初の狙撃のターゲットは爆弾を抱えた>>続きを読む
この映画は、ストーリーはシェークスピアの「マクベス」を下敷きにし、メイクや演出は能を取入れている。物語は、謡曲をBGMに蜘蛛巣城趾の碑を映し、それが霧に隠れ、晴れると城が現れるというシーンから始まり、>>続きを読む
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これは、野火の成長と彼女を育てようとする人たち(それは主に静だが)の物語だ。この話で、大事なところは、静はプロ=職人であり、握り合ったクライアントのオファーに対して、その結果をコミットする人だというこ>>続きを読む
上級の娯楽作品だと思う。対立する者たちが鏡写しの状況になり、双方に疑心暗鬼が走り、緊張感が長尺の150分継続する。それを楽しめばいい映画。
「1秒先の彼女」では、DJモザイクの「人生とは沢山の記憶のパズル。恋が記憶を創造するんだ。お互い、相手の記憶に刻まれていたら最高だね。でも君の大切な記憶は相手にとって無意味かも。それが人生だね。」とい>>続きを読む
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この映画をその原作としている黒澤明の「生きる」と比較せずに観ることは難しいので、その比較を行う。
黒澤は死期を知った主人公のうろたえ様をおかしみを添えて描いたが、この映画はあくまでシリアスだ。黒澤は主>>続きを読む
黙示録の一節に沿って連続殺人が起こるという設定。伝説や古くから伝わる歌の通りに殺人事件が起こるというのは使い古されたやり方だ。悪玉は善玉を殺せる時に殺さず、そして、善玉が掴んでいなかったことを説明して>>続きを読む
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この映画の水は、かなりストレートであるが、「愛」もしくは「愛し方」の象徴だろう。主人公の岩切は料金滞納者への水の供給を止める仕事をしている、一方、妻と子供の愛し方が分からず愛想を尽かされ別居している。>>続きを読む
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太平洋戦争の末期、主人公は敵の戦車の下に爆弾を持って潜り込む特攻作戦の隊員である。冒頭、彼は空腹のあまり倉庫で食料を探していた。彼はそれを見咎めた上官の鉄拳制裁にも平然とし「私は反芻ををしているから牛>>続きを読む
非常に良くできたブライアン・デ・パルマ風のサスペンス。鑑賞後、どこまでが企みで、どこからが成り行きなのか考えると2度楽しめそう。
2時間ちょっとの映画だが3時間くらいに感じた。抽象画を見ていて、感覚で捉えればいいのか、象徴を捉えて意味を考えればいいのかずっと分からない感じ。最後に抽象画の解説にあたるような件が出てくるが、それでも>>続きを読む
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三沢伊兵衛は剣の達人だが、諍いを好まず、仲良くして助け合う、そのような生き方をしている。また、自分に合わない役人の仕事には見切りを付けるが、剣術指南番としても身を落ち着けることが出来ず悩んでいる。彼に>>続きを読む
設定とストーリーが極めてありきたり。ときにはカタカナ語を使う現代的な言葉遣いや、現代的な歌や踊りなどのおふざけも中途半端。全く取るに足らない映画。
この映画では二つの相克が描かれている。一つは、唯一無二の高みを目指す者と平凡な幸せ求める者の間の大きく深い隔たりだ。前者はアンドリューで、後者は彼の恋人になりかけたニコルやアンドリューの家族だ。アンド>>続きを読む
この映画を観て、大きな権力を持つ者が繰り返すセクシャル・ハラスメントや性加害を起こす要因のひとつを思いついた。彼らが行ったことは彼らが支配する人間関係の中で共有される秘密となる。彼らが直接加害に及んだ>>続きを読む
私は、死後にコウタの前に現れ、彼にやいのやいの言うユーコは、亡霊ではなく、彼自身がしばしば言っているように、コウタが頭の中で描いた像だと思う。コウタとユーコは時間をかけてお互いを理解し合いお互いの人生>>続きを読む
この映画は森田芳光監督の「家族ゲーム」と同様、違和感のある演出が行われている。それは、普通とは異なるコミュニケーションの取り方だ。「家族ゲーム」の場合、有名な家族が横一列に並んでいる食卓のシーン、距離>>続きを読む
題名の「隠し砦の三悪人」とは誰なのか。やはり、太平、又七、六郎太だろう。しかし、彼らは「悪人」なのか。太平と又七は百姓だが、戦を経ての出世や、一攫千金を狙っている。彼らはただ自分の欲に正直なだけの男た>>続きを読む
この映画の残念なところ。終盤に主人公が長尺の台詞で自分のことを説明してしまう。主人公の母親は主人公の本性を見抜いていたことを匂わせるがその突っ込んだ描きがなかった。主人公の父親が動くことも喋ることも出>>続きを読む
今では巨匠のクリント・イーストウッド監督の初期の駄作のうちのひとつ。緩急がなく無駄に長い。自分の妻を奪われ子を殺された男の復讐劇のはずだが、その切迫感が感じられない。脚本に緻密な組み立てが感じられない>>続きを読む
この映画の理解には、キリスト教、新約聖書、黙示録などに関する知識が必要なようだ。鑑賞後黙示録に関して少し調べてみたが、私の理解力のせいかこの映画への考察を深めることには繋がらなかった。単純なホラーとし>>続きを読む
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一番心に残ったのはヴァディムの葛藤だ。無防備で原子炉の修理にあたることは死を意味する。ヴァディムは仲間が入れ替わり立ち替わり果敢にそれに臨む中、泣き震えながらそれを拒む。文字通りの決死の作業に挑むヴァ>>続きを読む
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冒頭とラストに同じ絵がでてくる。男が鏡の方を向いている。しかし、鏡に映っているのは男の正面ではなく後ろ姿だ。ということは、それは鏡ではなく、別の誰かがそこにいるということか。しかし、これが合わせ鏡でそ>>続きを読む
謎めいた物語が淡々と進み最後にえげつないバイオレンスとモヤモヤのクリア。いつものタランティーノです。舞台がほとんどひとつの部屋なのは「レザボア・ドッグス」式。「淡々」から「バイオレンス」の切り替えの角>>続きを読む
少年期から音楽を浴び浸ってきた私だが、この映画を観て、改めて音楽が人間の本性に深く結びついて、その感情を動かしたり、記憶を呼び覚ましたりする強い力を持つことを実感した。それは、匂いにも通じるが、それと>>続きを読む
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この映画の原題は「mass」で、直訳では「質量」「かたまり」というような意味だ。登場する二組の夫婦は、一方は理由もなく殺され、一方はその殺人を行い自殺するという形でそれぞれの息子を失う。そしてそのこと>>続きを読む
設定のみで強引に押し切った映画。とってつけたような伏線や、易々と成功するエスターの凶行に安っぽさを感じる。深く考察したくなるようなポイントは掴めなかった。