鹿苑寺と慈照寺さんの映画レビュー・感想・評価

鹿苑寺と慈照寺

鹿苑寺と慈照寺

デリカテッセン(1991年製作の映画)

3.7

めちゃくちゃ変な映画だし、世界観も独特だけれど、嫌いになれない、そんな作品。開始4分でもう変な映画ってことが分かるのもなんか良い。

性行為のベッドの軋みのリズムがすべての生活音などと呼応するシーンや
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隠された記憶(2005年製作の映画)

3.7

朝の風景を定点カメラで映し出すオープニングが爽やかに見えるが、その尺の長さのせいでどんどん不安にさせられる。案の定、その直後に主人公たちの家を盗撮していたビデオテープの映像だと分かる。不穏にさせる撮り>>続きを読む

バニー・レークは行方不明(1965年製作の映画)

3.6

保育園に預けた後に我が子が行方不明になったとモンスターペアレントが保育園で大騒ぎするお話。かと思いきや登場人物の誰もが、母親のアニーでさえも怪しい。

アニーの妄想なのでは?というミスリードが効いてい
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スーパーの女(1996年製作の映画)

3.6

激安を売りにする大型スーパーの登場により落ち目になったスーパー「正直屋」の奮闘劇。

激安価格大型スーパーと落ち目のスーパー「正直屋」の比較、スーパーのバックヤードなどの内情、食品廃棄や賞味期限切れ商
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退屈な日々にさようならを(2016年製作の映画)

3.3

退屈じゃない日々ってなんなんだろうって思う。基本的には毎日同じことの繰り返しだし、刺激的な日々が連続するということはほぼない。たまに刺激的なことがあるから楽しいし、生きているという実感になるのかもしれ>>続きを読む

メン・イン・ブラック(1997年製作の映画)

2.8

まったくハマらなかった。

JがKに勧誘されMIBに加入する流れは面白く見れたが、如何せんメインヴィランのバグに魅力がなく、敵としても小物なので、緊張感がない。バグがやってることは一般人を脅して連れ去
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怪獣の日(2014年製作の映画)

3.7

「大怪獣のあとしまつ」で見たかった要素のほぼすべてが詰まっている。「大怪獣のあとしまつ」で犯してしまった、茶化してギャグに走るという愚行をやらずに大怪獣の死体が漂着したことによる街の人々の変化と分断、>>続きを読む

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

3.5

ゴッドやダンカンから身の回りのことや金銭面などの庇護を得ていた状況からダンカンが一文無しになったことでベラとダンカンの関係性が逆転するところがめちゃくちゃ良い。その展開までは少し退屈に感じていたけれど>>続きを読む

セキュリティ・チェック(2024年製作の映画)

4.0

「ダイ・ハード」や「ミッションインポッシブル」のようなスピード感のあるアクション作品。
空港という場所をフルに使ったアクションが楽しい。預け手荷物の仕分けエリアでのアクションが特に斬新だった。保安検査
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ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ(2023年製作の映画)

3.8

擬似家族物としてとても楽しく観れた。人と人が分かり合う、関係性を築くのはなかなか難しい。お互いの背景を知り、長く同じ時間を過ごすことが必要。
そんな当たり前と言えば、当たり前、でも忘れがちな部分を思い
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ぼくが生きてる、ふたつの世界(2024年製作の映画)

4.2

聾唖者の両親を持つ五十嵐大(吉沢亮)。幼い頃から耳の聞こえない両親の通訳をすることも多かったが、明るい母親の愛情を受け止めきれずに20歳で東京へと旅立つ。

本作は「耳の聞こえる世界」と「耳の聞こえな
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のぼる小寺さん(2020年製作の映画)

4.0

ボルダリングに打ち込む小寺さん、近藤を始めとした小寺さんに魅せられて目標を見つけていく周囲の人たちを描いた青春群像劇。

惰性で卓球部に所属する近藤、写真家という夢を周囲に隠しながら学校生活を送る田崎
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ペナルティループ(2024年製作の映画)

3.7

数あるタイムループ作品の中でも特殊な設定の異色作。

恋人を殺した犯人に復讐し何度もタイムループする前半、タイムループに嫌気が刺し、主人公と犯人に奇妙な友情が芽生える中盤はめちゃくちゃ面白い。特に主人
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機動警察パトレイバー THE MOVIE(1989年製作の映画)

3.6

原作とアニメを履修せずに観たので、キャラクターなど分からない部分もけっこうあったけれど、それなりに楽しめた。硬派な世界観は好き。


以下は個人的なメモ
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コスモポリス東京

OS

時代遅
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ルックバック(2024年製作の映画)

4.5

【背中を見て】

作中に背中を映すシーンがリフレインされていて、その意味に終盤ではたと気づく。もちろんタイトルの「ルックバック」には青春を回顧する、振り返るという意味合いもあるけれど、藤野と京本がお互
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先生の白い嘘(2024年製作の映画)

2.8

男子高校生の新妻が自分も性加害者になりうると気づくシーンは良かった。
ただ、肝心のストーリーは結局何を伝えたかったのか良く分からなかった。共感できるキャラクターも皆無。


以下は個人的なメモ
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HOW TO BLOW UP(2022年製作の映画)

4.3

環境破壊によって人生を狂わされた8人の若者たちが石油会社のパイプラインを破壊しようとするお話。

流れるようなオープニングからもう心は掴まれたのだけれど、何よりも爆弾製造計画→製造→実行のストーリーが
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リトル・ジョー(2019年製作の映画)

3.0

静かに不穏に人々の性格が変わっていく様、撮り方やカメラワークは怖かった。
淡々と進んでいく物語も好き。
ただ、終始流れる尺八や和太鼓について不気味で怖いという感想を見かけるけれど、僕はずっとお正月の神
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SUPER HAPPY FOREVER(2024年製作の映画)

4.4

二度と戻らない夏に思いを馳せ、ひとつひとつの思い出を噛み締める。ゆったりと、大切だった時間の経過が伝わるとても素敵な作品だった。

本作は、娘と父親のある夏のひとときを描いた「aftersun / ア
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喪う(2023年製作の映画)

4.5

【本当に死を理解できるのは欠落を味わった時のみ。それ以外は幻想だ】

父親の最期を看取るため疎遠だった三姉妹が実家に集う。そこで明らかになる三姉妹の不仲や再生を描く本作。

このタイミングで観てしまう
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[Focus](1996年製作の映画)

4.0

大島育宙さんとみなみかわさんがパーソナリティーを務める炎上喫煙所というラジオ番組で紹介されていたので鑑賞。

73分という短い尺ながら金村の人間性、テレビクルーの態度、事件とその顛末をモキュメンタリー
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フォールガイ(2024年製作の映画)

4.0

娯楽作品としてめっちゃ良い。面白い。

アクションも奇抜なものではなく、オーソドックスなものが多いけれど、それでも要所要所に新鮮なので、惹き付けられる。

ライアン・ゴズリングのかっこ良さとエミリー・
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バクマン。(2015年製作の映画)

4.0

めちゃくちゃ面白い。
原作は読んでないけれど、数々のジャンプ作品を読んできた身としてはとにかくテンションが上がる。

週刊少年ジャンプは「努力・友情・勝利」が引き合いに出されることが多いが、本作の主人
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マイ・プレシャス・リスト(2016年製作の映画)

4.0

飛び級でハーバード大学を卒業し、仕事もせず、友達もいない、読書ばかりしているキャリーが、6つの課題をクリアして人生を変えていくお話。

僕も本を読むのが好きだからキャリーの気持ちはすごくわかる。キャリ
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変な家(2024年製作の映画)

2.8

前半の間取りの謎を追うミステリーパートは十分に楽しめたけれど、後半の展開は本当にない。

本作で重要なところは間取りの謎。後半ではなぜか土着信仰のようなものが根付く田舎に舞台を移し、肝心の間取りの話は
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室井慎次 生き続ける者(2024年製作の映画)

2.5

前編でもたついていたストーリー進行が後半に引き継がれる形でそのまま続く。前編で片付けておけばいいのに里子と実父の話、日向真奈美の話が後半にも展開され、変な脚本だなあと思いながら観ていたら事件は呆気なく>>続きを読む

室井慎次 敗れざる者(2024年製作の映画)

3.0

「踊る大捜査線」シリーズ最新作の前編にして踊るプロジェクト再始動を飾る作品。結果的には過去作、特にドラマがどれだけ傑作だったかを再確認するはめになる作品になった。

良いところがあまりなく、駄目なとこ
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MY HOMETOWN(2022年製作の映画)

3.3

他の方のレビューで学生の卒業制作と知って驚いた。
田舎の閉塞感とか家族との生活感が滲み出ていて良い。映像がとても綺麗だった。

子供が親元を離れて都会に出ていくときの空気感が何とも言えない。

以下は
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ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ(2024年製作の映画)

2.5

社会の底辺からの反抗を描いたからこそ前作は一定の評価と共感を得ていたんだと思うけれど、本作はそれをさらに飛躍させず、ほとんどの場面でジョーカーという存在そのものがアーサーの妄想という名のミュージカルの>>続きを読む

セレンディピティ(2001年製作の映画)

2.5

運命の相手と奇跡的な再会、ロマンティックな舞台設定であたかも「良い話」みたいなラストにしているけれど、ジョナサンもサラもどっちも人としてやばすぎない?
人としてどうなの?という疑問符が連べ打ちされるの
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海辺の恋⼈(2023年製作の映画)

3.8

出会いのシーンからラストの再会まで絶妙な塩梅で、大きな出来事は起きないけれど、お互い成長し前に進んでいくラストもとても爽快。

出会いのシーンの「そこ、どいてくださーい!」やラストで再会したときの「頑
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ジョー・ブラックをよろしく(1998年製作の映画)

4.5

「去りがたい。それが生だ」

僕の父親が亡くなる間際、呼吸も荒くなっているにも関わらず「あのお酒が美味しくてなあ。また飲みたいなあ、いつか」と語っていたことを、本作の「去りがたい。それが生だ」の台詞で
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不死身ラヴァーズ(2024年製作の映画)

2.8

好きになった人と両思いになった途端にその人は自分の前から消えてしまい、再び同じ顔と名前だけど別人に出会い、恋をして、両思いになると消えてしまうという無限ループを繰り返すという設定は面白いし、主演の三上>>続きを読む

時々、私は考える(2023年製作の映画)

4.4

子供のときに住んでいたマンションの向かいに20階建ての高層マンションが建設され、そのマンションがこっちに倒れてきたらどうしようと、僕は子供のときずっと不安だった。あるいは床が抜け落ちらどうしようとも思>>続きを読む

ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ(2024年製作の映画)

4.2

「ベイビーわるきゅーれ」シリーズ3作目。
舞台を宮崎に移し、ちさととまひろは最強の野良の殺し屋・冬村かえでと対峙する。

本シリーズはゆるっとしたコメディーとバキバキのアクションのバランスが持ち味。僕
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ブラックナイトパレード(2022年製作の映画)

1.2

お酒を飲みながらであれば、ある程度のクオリティーの映画でも爆笑できるタイプなんだけれど、109分間ずっと真顔エンド。ここまで来ると、もはや福田雄一さんは凄いと思う。こんなにつまらない映画を作れるんだか>>続きを読む