くりふさんの映画レビュー・感想・評価

くりふ

くりふ

エリアンと魔法の絆(2024年製作の映画)

3.0

【魔法が効くもの効かぬもの】

Netflix新作CGアニメ。そうか、スカイダンスもアニメスタジオ作ったっけ…と冒頭ロゴ見て思い出す。

歪な映画だったけど、困った時のスピリチュアル頼みに逃げちゃった
>>続きを読む

バウンティフルへの旅(1985年製作の映画)

4.0

【逃亡婆の清らかな軌跡】

アマプラ見放題にて。初見は深夜のTV放映、ミッドナイト・アートシアターだったか?何気なく見始めたら、地味なのに、みるみる引き込まれてしまった。

小鬼嫁のイビリに耐えかね、
>>続きを読む

愛のメモリー(1976年製作の映画)

3.0

【松崎しげるの歌とは真逆だよ】

アマプラ見放題にて。デ・パルマ70年代のヘンな一本。

良くも悪くも、主人公をクリフ・ロバートソンが演じるというのが大問題だったのではと。ヒッチ映画だったら、それこそ
>>続きを読む

バグダッド・カフェ 4Kレストア(1987年製作の映画)

3.0

【人生は雑事の積み重ね】

公開時に劇場で見たが、白人マツコのマジック!掛け声と、砂漠の乾いた風以外、すっかり忘れていた。

西ドイツ映画。渡米時の、監督夫婦の実体験が元ネタらしいが、当時、モハヴェ砂
>>続きを読む

陥し穴と振り子(1984年製作の映画)

3.5

【ラサール将軍も来ないから】

シュヴァちゃんが1983年、ポー『落とし穴と振り子』とリラダン『希望』をMIXし映画化した恐怖譚。

異端と決めつけられた者は、そのコミュニティでは異物として消されてし
>>続きを読む

パラダイン夫人の恋(1947年製作の映画)

3.0

【ありふれた事件】

ヒッチ映画はまだコンプリートしていないが、先日見た『ヒッチコックの映画術』で次に惹かれたのがコレ。アマプラ見放題にて。

そこそこ期待したが、凡庸だと思った。

見た中では『レベ
>>続きを読む

ロボット・ドリームズ(2023年製作の映画)

3.0

【愛の機種変】

気にはなっていたアニメ作品。『ブランカニエベス』の監督だったか。10年前に見たそれは底意地が悪くモヤる後味だったが、今回もロボット搾取という底意地悪さは健在だった。

半分くらい退屈
>>続きを読む

6888郵便大隊(2024年製作の映画)

3.0

【No Mail, Low Morale】

Netflix新作。WWⅡで実在した、黒人女性のみの部隊については無知だったので、その概要を知れた、という意味からは価値ある映画だった。

ケビン・M・ハ
>>続きを読む

コール・ミー・ダンサー(2023年製作の映画)

4.0

【バク転から頂点へ】

これは見る価値大アリだったドキュメンタリー。予備知識なく劇場行ったがアレ?コレ『バレエ: 未来への扉』の元ネタじゃん!と途中で気づいて嬉しくなった。

“I'm called
>>続きを読む

Ro & the Stardust(原題)(2022年製作の映画)

3.0

【星くずの棺】

これも、Netflixで最近何故か、多数推している短編のひとつ。

脚本・監督のユーニス・リーバイスはドミニカ系アメリカ人。ディアスポラの視点から語る作り手とのことで、本作でもSF設
>>続きを読む

カッティ 刃物と水道管(2014年製作の映画)

3.5

【“刃物”のハート】

結果的にオモロク、見てよかったが、タミル映画の感覚を忘れており、10年前の作品だとまだ、こんなユルかったか…と、見ながら同時期の映画を思い出そうとしたが、出てこなかった。

>>続きを読む

Mama Retreat(2021年製作の映画)

2.5

【妊娠コロニアリズム】

これも、Netflixで最近何故か、多数推している短編のひとつ。2021年作だが元々Netflixが、ラテン系&有色人種女性のための短編物語インキュベーター…という試みをする
>>続きを読む

The Resemblance(2022年製作の映画)

3.0

【喪のプラセボ効果】

Netflixで何故か、数年前の短編を多数推している。本作は現時点で、ここに作品ページが有るので投稿。

息子を亡くした夫婦がその悲しみと向き合うため、“現代ならではのイタコサ
>>続きを読む

Crocus(原題)(1971年製作の映画)

3.0

【セックスできれいにならない】

スーザン・ピット1971年の短編アニメ。

とある70年代カップルの、素っ気ない交尾風景が素っ頓狂な異界を呼び寄せるが、本人たちは…少なくとも相手の男にとって、それは
>>続きを読む

ステッピング・ストーン: 監督ジュリア・ライカートをつくるもの(2024年製作の映画)

3.0

【現実だけを撮る】

Netflix新作短編ドキュメンタリー。ケリー・ライカートの関係者かと思ったほど、ジュリア・ライカートという、アメリカの王道ドキュメンタリー監督には、無知でした。

2年前に亡く
>>続きを読む

(2014年製作の映画)

3.5

【膜】

水尻自子作品で、現時点でここに作品ページが有る中で、本作のみ感想アップしていなかった。

“触感に心を癒やされたい”なら、やっぱりこの人のアニメーションが最適だ。

ここでは、確かに幕、らし
>>続きを読む

ヒッチコックの映画術(2022年製作の映画)

2.5

【私は告白しない】

アマプラ見放題にて。2年前の映画で、何か理由あって劇場に行かなかったと思うが、忘れた。が、見れば配信で充分な内容だった。

ヒッチの声真似で、本人がドヤ顔で自作を語り返してゆく構
>>続きを読む

モアナと伝説の海2(2024年製作の映画)

2.5

【褐色の魔法少女…何処行くの?】

1作目は話が歪と感じたが、ポリネシアの世界観とモアナを気に入ったので、字幕版の時間も合ったしで、劇場行ってみた。

すると…想定できた事態なのでがっかりはしなかった
>>続きを読む

White Fireworks(2016年製作の映画)

2.5

【爆弾メルヒェン】

2016年の和製短編アニメ。邦画の悪いところがよく反映されたような映画だった。U-NEXTにて。

手榴弾のこうした擬人化、爆弾製造師の人となりや、その製造環境など、戦争のない国
>>続きを読む

何度でも忘れよう(2019年製作の映画)

3.0

【傷付けごっこ】

2019年の、 11分を永く感じる藝大産アニメ。

どうも感心できなかったが…本気で家族に絶望し、そこから本気でその再生を願うなら、こういうファンシー狂気ごっこを繰り返しているゆと
>>続きを読む

何も見なくていい(2015年製作の映画)

3.0

【世界はゴミばかりじゃない】

大阪芸大の卒制として、2015年に作られた短編アニメ。

“裏返る生仮面”というアイデアはオモロイし、日本女性?特有の表情変化に始まり、フルアニメーションでの描写力が物
>>続きを読む

セキュリティ・チェック(2024年製作の映画)

3.0

【ザルLAX】

Netflix新作トホホサスペンス。ジャコ監督で空港のX線検査機担当が主役、ソフィア・カーソン付き…へえーと見てみたが、危険物持ち込みがホラカンタン!な描写にまず、テロ促進映画なのか
>>続きを読む

ターミネーター(1984年製作の映画)

3.5

【産む機械ビギンズ】

暫し前にリバイバル上映の2を見た流れで、オリジンもおさらいした。U-NEXTにて。

2の感想でも書いたが、大作となった2と比べちゃうと、この1はSweded Movieレベル
>>続きを読む

ユルと蛇(2015年製作の映画)

3.5

【スネークボーイ】

『ビニール袋の夜』ガブリエル・ハレル監督2015年の短編アニメ。

威勢よさばかりのロクデナシ男共に翻弄される少年の無垢性…てあるあるな話だけど、実写で撮ってもあるレベルに至った
>>続きを読む

クロモフォビア(1966年製作の映画)

3.0

【モノクロだって美しいからね】

ラウル・セルヴェの初期短編。世界から色彩を消そうとする軍隊と、逆襲するトリックスターのお話。

絵はいかにも昔の風刺画で、表現もやっぱり58年前…と思わせるレトロに満
>>続きを読む

サンライズ(1927年製作の映画)

4.0

【Roaring Twentiesの傷跡】

アマプラ見放題にて。サイレント映画を代表する一本。何となく見逃していたが、配信で充分伝わるパワーに驚く。名作というより、今の感覚からは過剰な珍作に近いけれ
>>続きを読む

ザ・レディ・イン・オーケストラ: NYフィルを変えた風(2023年製作の映画)

3.0

【脇役なければ主役もない】

Netflix新作ドキュメンタリー。オリン・オブライエンというコントラバス奏者のことも、彼女がNYフィルハーモニック初の女性団員だったことも知らなかったが、それゆえ学べ、
>>続きを読む

ザ・ラスト・ウェーブ(1977年製作の映画)

2.0

【アボリジニフォビア】

アマプラ見放題にて。これは懐かしの、スターログ誌の紹介で知ったような…そして永い時を経て初見。

見ればお話は退屈で、同じ場所で足踏みするような焦れったさ満載。当時この題材を
>>続きを読む

アフタヌーン・クラス(2015年製作の映画)

3.5

【睡魔ーズの昼下り】

2015年のコリアン短編アニメ。とある午後の授業中…教室で勃発する睡魔との死闘!www

これは、大概誰もが経験あって、共感できるものではと。

始めから戦意放棄な猛者もいるが
>>続きを読む

007/ゴールドフィンガー(1964年製作の映画)

3.0

【私は愛されたスパイ】

アマプラ見放題では配信終了らしいので、久々に見てみた。シリーズ三作目のこれで、ボンド映画のテンプレートができたそうだが…つまり現代では時代錯誤に見えてしまうってことだ。実際、
>>続きを読む

アクアマン/失われた王国(2023年製作の映画)

3.0

【水中コント】

渡航中の機内で少し見て、眼のアトラクションとしてはオモロげだったので帰国後、Netflixで見てみた。

前作はほぼ忘れた。アメコミ映画にはもう何も期待しないので、ファストフード店行
>>続きを読む

宿命に抗いし者(2024年製作の映画)

3.5

【クリミナル・クリエイター】

日本に帰国したら、ちょうど配信が始まったところだった。Netfrix新作ヒンディースリラー。完全にタマンナー目当てで見てみる。それ以外は期待しなかったが全体では、そこそ
>>続きを読む

カルキ 2898-AD(2024年製作の映画)

-

【死ねないアミ翁】

渡航先のNetflixで、これだけは見る時間が取れた。ヒンディー語吹替えを英語字幕で。

だから字幕は殆ど追えず、ざっくりした印象でしか書けないからとりあえず点数ナシ。感触はよか
>>続きを読む

落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.5

【その綱渡りの先は?】

何となく先送りにしていたが、アマプラ見放題に入荷したので見てみた。

人間ウォッチング、家族ウォッチング映画としてはたいへん面白かった。

謎解きが目的の映画ではないですね。
>>続きを読む

ヴィジャイ、69歳(2024年製作の映画)

3.0

【年寄りの冷や水も浴び方しだい】

Netfrixヒンディー、YRF安定の新作。69歳にしてトライアスロン出場を目指す、アヌパム・カー演じる爺ちゃんガンバルの巻。

終盤なんかもうベタベタで、正直もう
>>続きを読む

薬指の標本(2004年製作の映画)

3.0

【レンコ無垢のころ】

アマプラ見放題から湧いたので。フランスの女性監督が、小川洋子の原作小説を映画化した2005年もの。

公開時は半端なフンイキ映画だと思い、あまり感心できなかった。が、今ではオル
>>続きを読む