TenKasSさんの映画レビュー・感想・評価

TenKasS

TenKasS

わたしたちの家(2017年製作の映画)

-

流石に狙い過ぎなんじゃないかという日本映画的要素の数々に若干目眩がするも、映るものと鳴るものの差異やズレ、それらが及ぼす境界の厚みにこれだけ意識的になれる人はやっぱりあんまりいないので偉いなと思った。>>続きを読む

ひとつのバガテル(2015年製作の映画)

-

途中で寝てしまい、というか半覚醒みたいな状態だったようで、目を閉じながらも音がしてるから自分はまだ映画館にいるし映画観てるわ…という確信があって途中まで寝てる感じがしなかった。人がそれぞれに音を持って>>続きを読む

三月の光(2022年製作の映画)

-

徒歩やママチャリでは大したところには行けない。バイクに乗って戻って来る。『リバーオブグラス』のハイウェイみたいに映る新幹線。

これが星の歩きかた(2020年製作の映画)

-

村上由規乃さんを、顔の完璧な位置にほくろのある人リストに加えました。

網目をとおる すんでいる(2018年製作の映画)

-

区切られているところとそれで生じる内と外に映画的な物語を見出そうとしてるんだ!って一人で納得しました。

アニエス V. によるジェーン B. デジタルレストア版(1988年製作の映画)

5.0

頭の中散歩しながら、あれは?これは?って興味を示していくみたいで凄かったな…

ちょっとフランス風(1949年製作の映画)

5.0

今夜何を?
ずっと同じ、あなたを待ってる…

坂本龍一も、「映画監督という人種は古今東西身勝手極まりないものでして…」と言ってたのを思い出した。

カンフーマスター! デジタルレストア版(1988年製作の映画)

5.0

この話を親族集めて撮るの最高に凄い。嘘くさくもアホくさくも大袈裟にもならずに本当にしか見えない瞬間ばかりですごい感動した。
ジュリアンが転んだり手すりを滑ったり岩をぴょんぴょん飛んだりするだけで素晴ら
>>続きを読む

アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方(2024年製作の映画)

5.0

1ミリも感動しない『ロッキー』みたいな風味で、アメリカンドリームを換骨奪胎(スタローンがハリウッドを立て直すらしいですよ苦笑)。『ウルフオブウォールストリート』より遥かに虚しい。
さながらロッキーが友
>>続きを読む

機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-(2025年製作の映画)

5.0

いつもは人気シリーズに手厳しいライターの方が褒めてるので観に行ったら、本当に十年前にスター・ウォーズで観たかったやつで泣いた。カラーとサンライズ、並の創造(想像)力じゃない。この間の『復讐のレクイエム>>続きを読む

いつも明日はある/明日は必ず来る(1955年製作の映画)

5.0

昔々、陽光きらめくカリフォルニアで…の直後に大雨のシーンが来る時点で凄い。
ネジを回したロボットのように決まった動きで1日を過ごす他ない人が、活発だった若い頃をかつての同僚がかけた「ブルー・ムーン」と
>>続きを読む

Ryuichi Sakamoto | Playing the Orchestra 2014(2024年製作の映画)

-

映画…ではないし、コロナのときYouTubeでチラと観たことがあったものだったぽいので思いっきり没入して音楽を聴いて、次はなんの曲だろー?と家で観てんのかというテンションで寛げて凄い良かった。キャスタ>>続きを読む

ショックプルーフ(1949年製作の映画)

5.0

最初の脚を追う場面から帽子のマッチカット、ブルネットからブロンドへと髪色を変えて完全に変貌した女は一体どんなことを生業にしてるんだと思ったら仮釈放の新生活に気合い入れてただけだった。この女の人も結構阿>>続きを読む

奇蹟(1951年製作の映画)

5.0

映画を観るぞといって映写を始めた途端に第一の奇跡と思しき事象が起こる。どうやらそれは説明のつく事態だったと宗教と科学の相克的なお話を一通りやったあとに、どうにも諦めきれないバーバラ・ラッシュの礼拝堂で>>続きを読む

思ひ出の曲(1936年製作の映画)

5.0

頻発するマッチカットの工夫やブランコシーンのあまりに現代的なカメラ位置に感嘆したり、際立って可愛らしい(セクシーでもある)メイドさんのお洋服に気を取られたり、なんかよくわからないコルセットの行商人の不>>続きを読む

パンと植木鉢(1996年製作の映画)

5.0

単なる過去の再現に留まることのない映画というか虚構というかを純粋に信じようとする。暴力でないものを差し出すという決定的なラストを誘引するのがあの女の子というのが良い。警官役の彼は顔もちゃんと知らないが>>続きを読む

僕と祭で会わないかい?(1953年製作の映画)

-

クララ登場時のミュージカルシーンが一番良かったな〜と思いつつ、思い返せば孤児の一時保管場所にしかクララがなってなくて笑ってしまった。

ステキなパパの作り方(1951年製作の映画)

5.0

キャンプのターザンが十五年もの間、一度も肉を食べることなくあの肉体を維持している狂人だというのに其の辺の森で遭難したの意味不明すぎて死ぬかと思った。

私を町まで連れてって(1953年製作の映画)

5.0

動き続ける子どもたち異常に素晴らしい。落下に次ぐ落下のアクションも異常に素晴らしい。アン・シェリダン異常に素晴らしい。ユーモアとオープンマインドが最高って話。映画観るの楽しすぎる。赤白ストライプ水着か>>続きを読む

社会の柱(1935年製作の映画)

-

なんか憎めない造船屋の悪党がバルネットみたいな海に転覆する船とともに本当にディゾルブで吸い込まれていって、おお…!となった。

私の想う国(2022年製作の映画)

5.0

火事を撮りたければ炎の上る前にそこにいなくてはならないというマルケルの言葉に従えず、地下鉄の値上げとともに唐突に起こった、全く以前とは異なる形の運動に、驚嘆と困惑をもってカメラを向けていく。自身の経験>>続きを読む

どうすればよかったか?(2024年製作の映画)

5.0

凄まじい不条理が画面の外で20年以上にもわたって起き続ける。姉を世界から監禁し閉鎖された実家に対して持ち込まれるカメラ。その機動性に期待される衝撃的な出来事のキャプチャはそれほど叶わず、息子に対して母>>続きを読む

子どもたちはもう遊ばない(2024年製作の映画)

-

2度現地に行ったようなので、潜入するカメラという意味合いでとても面白いと思う。やっぱり構成、編集が興味深い。音声と映像とのズレ

苦悩のリスト(2023年製作の映画)

-

『サラームシネマ』冒頭のオーディションの群衆と空港近くの下水道に集まった群衆が重なるという奇妙な相似形。2つの権力に挟まれたアーティストたち。『サラームシネマ』では無慈悲にも役のために集まった人たちを>>続きを読む

サラーム・シネマ(1995年製作の映画)

5.0

映画が本質的に滑稽でくだらないものでありながら時折本質を鋭く突くという批評の手本みたいな映画の映画という感じ。オーディションにやたら人来ちゃったから回してみたら映画になったというのが言い訳か本当かは知>>続きを読む

トレンケ・ラウケン Part2(2022年製作の映画)

5.0

入水の映らない入水映画だ…!?うおー!!
パートワンでチーチョがラファエルの目線から外れる最初の場面がラストの超作為的なパンに繋がる!?けどだからなんだ…!である。ガウチョのする手品やゴディバ婦人とピ
>>続きを読む

リヴァース・アングル ニューヨークからの手紙(1982年製作の映画)

-

ヴェンダースに言い訳の余地を与えるが如く併映されていた。旅行が嫌いなのだが、70年代後半から80年代のニューヨークなら行ってみたい。

ハメット(1982年製作の映画)

-

曰く付きという感じだし、出来がいいかは分からないが、ヴェンダースにとってアメリカもまた異国でありながらその国の映画には憧れがあるんだというのが画面からはさすがに伝わってくる気がした。アクションの編集が>>続きを読む

太陽と桃の歌(2022年製作の映画)

-

なんとも記号的で印象に欠ける感覚。
大人の醜態が一番、子供には響くんだよなぁと感慨にふけりつつも、全編カメラの視点の曖昧さが変に違和感だけ残していった。土地の映画にしても(原題)いい風と陽の光とそよぐ
>>続きを読む

陪審員2番(2024年製作の映画)

5.0

とんでもなさすぎて、人間って…他者って…社会って…と頭がぐるぐるしていて主題においてはとても何かを書けそうにないなと。
本当に全編簡素でしかし非常に雄弁な映画言語だけで構成されていて、ラストなんかノッ
>>続きを読む

Orphea(原題)(2020年製作の映画)

5.0

全然わかんなかったが不思議と嫌な感じもせず。そんなに人類に救う価値があるのかなと思いつつも、何かの救いか聖性を信じてか歌いつづけるところにはシャーネレクの『ミュージック』にもろに通じる部分がありそうだ>>続きを読む