ShoMさんの映画レビュー・感想・評価

ShoM

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恋の大冒険(1970年製作の映画)

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今陽子主演のスラップスティックコメディ風のミュージカル。いずみたくサウンドが全編を彩り5分に1回は歌う。何となく雰囲気は『地下鉄のザジ』やジャック・タチ作品なんかに似ている気がしなくもない。

和田誠
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白蛇伝(1958年製作の映画)

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巳年に因んで無料配信していたので鑑賞。青年と蛇の精のロマンティックな異類婚姻譚。こう見ると妖術を使う法海和尚はただ一方的に恋路を邪魔してるように見える。

全役を森繁久彌と宮城まり子で演じているのは、
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ユニコ 魔法の島へ(1983年製作の映画)

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前作より冒険の要素が強くなっている、子供向けのフリをしたアートアニメーション。特に敵キャラクター・ククルック周りの演出はアーティスティックで作り手は楽しかったろうなと。

笛を吹いて生き人形をさらうト
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ユニコ(1981年製作の映画)

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可愛い見た目に反して、他人は幸せに出来ても自分は永遠に幸せになれない残酷な物語。しかも命を狙う相手が神々なのだから初めから積み。

最初の悪魔くんの所は少し冗長に感じたけど、誰かに出会ってしまったこと
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アナコンダ(1997年製作の映画)

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巳年1発目はやはり、かつてTVの洋画劇場ではお馴染みのコレで。

アナコンダよりも船上を支配下に置いていくジョン・ヴォイトの方が怖いし気味が悪い。

カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

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ヤクザと中学生のカラオケを通した絆。中学生相手に「紅」を歌うシチュエーションの可笑しさで掴みはバッチリ。変声期を軸にした聡実の成長譚として構成されている。狂児は不意に色気や人間的優しさが溢れてきて、綾>>続きを読む

鋼の錬金術師 完結編 最後の錬成(2022年製作の映画)

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実写版ハガレン完結編。大河ドラマの総集編を観ているようなダイジェスト感は拭えず、所々CGが粗いのも気になったがめちゃくちゃ悪いという訳でもない。

完結編は内野聖陽の独壇場。ホーエンハイム、フラスコの
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鋼の錬金術師 完結編 復讐者スカー(2022年製作の映画)

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スカーを中心に再構成したハガレン実写版。構成もビジュアルも1作目より遥かに良い。舘ひろしのキング・ブラッドレイはじめ麿赤兒、杉本哲太と映画の世界に説得力を持たせられる配役が多くなったのも前作より評価が>>続きを読む

ゴールデンカムイ(2024年製作の映画)

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キャストが発表された時は少し不安だったけど、みんな振り切って変態を演じていたので配役に関して不満はない。山崎賢人もがなるとアニメの杉元の声にかなり似て聞こえる。過剰過剰になっても土方歳三=舘ひろしが渋>>続きを読む

劇場版モノノ怪 唐傘(2024年製作の映画)

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相変わらず情報量が多く、間接的・抽象的な演出も健在。今回は女の嫉妬、虚栄心、承認欲求が渦巻く大奥が舞台。その感情はメインのあさとかめの2人も例外ではなく。雨粒の中に小さく唐傘が配された意味深な演出はデ>>続きを読む

狭霧の國(2020年製作の映画)

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横溝正史の作品世界に怪獣が現れたような作品で、個人的な趣味とドンピシャ。蔵の中に匿われた女性との交流は淫靡さはないけど『蔵の中』っぽく、因習に囚われた村人は『八つ墓村』っぽい。

怪獣を土地神、霊的な
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ハチ公物語(1987年製作の映画)

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87年の邦画興収第1位(洋画は『トップガン』)。いつの時代も日本人は動物に弱いらしい。飼い犬よりも先に飼い主が亡くなる方が物語としてキツい。

仲代達矢・八千草薫の飼い主夫婦と別に、山城新伍・加藤登紀
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決算!忠臣蔵(2019年製作の映画)

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忠臣蔵を決算、お金の目線から描いたコメディ。頭に経費の額が浮く演出が絵面として面白い。番方と役方の対立は今で言うとさながら営業部と経理部の対立か?

関西弁でまくし立てお金の話を続けるのは、経済ヤクザ
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ビー・バップ・ハイスクール(1985年製作の映画)

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我が家に唯一あった中山美穂出演映画。15歳のミポリンは単純に可愛い。

前半は愛徳高校の面々の日常がスケッチ風に描かれ食い足りないが、ヤクザ養成所・戸塚との抗争が表面化すると一気に面白くなる。不良役の
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未来の想い出 Last Christmas(1992年製作の映画)

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藤子・F・不二雄生誕90周年でクリスマスシーズンということで、久し振りに鑑賞。タイムリープを繰り返し人生を修正していく物語で、最近の作品だと『ブラッシュアップライフ』が似ているか。

ニュース映像と流
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昭和残侠伝 死んで貰います(1970年製作の映画)

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高倉健没後十年。藤純子のヒロインが可憐で、彼女の存在が高倉健と池部良のホモソーシャルな空気を和らげている。運命に翻弄される敵のヤクザ山本麟一や、弟分の長門裕之も良い。

ルックバック(2024年製作の映画)

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評判になった原作は未読。ドアを隔てたパラレルワールドのアイデアがすごく良い。緻密な背景画や俯瞰の多用、2人のやり取りの点描等、はじめから藤野側の回想なんだろうと思った。尺は短いが、マンガを通して育まれ>>続きを読む

海賊八幡船(ばはんせん)(1960年製作の映画)

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村上水軍の落し胤を主人公にした海洋スペクタクル。発色の良いフィルムが作品のカラッとした陽性さを高める。群衆シーンや実物大の船などの豪華なセットも素晴らしい。ただ後半からはやや失速。親の仇を討つクライマ>>続きを読む

華麗なる一族(1974年製作の映画)

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殺し合いのない和製ゴッドファーザーといった所か。

キムタク主演のドラマ版はリアルタイムで観ていたので大体の話は知っているけどこちらは初見。連続ドラマに比べるとダイジェストに感じるのはしょうがないもの
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がんばれ!!タブチくん!!(1979年製作の映画)

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田淵幸一をモデルにしたギャグ漫画の映画化。西田敏行のタブチくんはハマリ役。全9話のオムニバスで、野球に引っかけてそれぞれ「1回裏」みたいにナンバリングされる。無理に長編にしない構成は潔い。

ノイロー
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デモンズ(1985年製作の映画)

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ダリオ・アルジェント先生がマリオ・バーヴァの息子に撮らせたアクションホラー。デーモン=悪魔とは言うものの実質ゾンビ映画。真っ赤な映画館という密室空間を舞台に悪魔が復活していく。

地下鉄の窓に写る謎の
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ジャバーウォッキー(1977年製作の映画)

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小汚い中世ファンタジー。流れで怪物退治をすることになる純朴(というよりかなり馬鹿な)青年デニスの物語。

ジャバウォッキーに食べられた死体はじめ意味のない唐突なグロ等、モンティ・パイソン同様に人の命が
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ゴジラ ミニラ ガバラ オール怪獣大進撃(1969年製作の映画)

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今年で古希を迎えるゴジラだけど、この頃は子ども(ミニラ)が生まれたばかりで教育パパ気味。

この映画、怪獣の登場場面はすべて子どもの空想という潔さ。子ども対強盗の場面は『ホーム・アローン』の先取りか。
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大日本帝国(1982年製作の映画)

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戦争経験者が作る戦争映画はやっぱり厭な気持ちにさせられる。
歌う英軍を刺すお坊さんの小倉一郎、骸骨で遊ぶ米軍カップルを撃つ三浦友和の描写はまさに。

映画は二部構成。東条英機内閣誕生からサイパン玉砕ま
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八犬伝(2024年製作の映画)

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プロモーションで原作者の山田風太郎にあまり触れないのはマイナス。映画自体は尺の都合で駆け足ながらも満足。

滝沢馬琴の生涯=「実」と彼が生み出した物語=「虚」を交互に描く。狭い畳の部屋と壮大な物語のギ
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黒薔薇の館(1969年製作の映画)

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『黒蜥蜴』に続く美輪明宏の耽美劇。
ファム・ファタール美輪明宏に狂わされていく男たち。前作は江戸川乱歩と三島由紀夫の土台があったが、今回はオリジナル作品。なので前作より耽美性・怪奇性は薄くなり、どちら
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おろしや国酔夢譚(1992年製作の映画)

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『植村直己物語』『敦煌』佐藤純彌と西田敏行が組むと大掛かりな海外ロケ作品になるらしい。

嵐で異国ロシアに漂着した大黒屋光太夫たちの奮闘を描く。宮殿を初めとする今では出来ないロシアロケの映像の説得力。
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黒蜥蜴(1968年製作の映画)

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詩的な台詞と外連味溢れる演出で押す耽美劇。冒頭のケバケバしい照明から「この世界は絵空事ですよ」と宣言する。OPのビアズリーのサロメの引用も象徴的。

圧倒的な美貌を誇る美輪明宏の黒蜥蜴と、知的な木村功
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チャイルド・プレイ(1988年製作の映画)

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殺人鬼の魂を宿した人形が惨劇を起こすシリーズ1作目。悪霊が宿らなくても正直グッドガイ人形はあまり可愛くない。

同じおもちゃが動く『トイ・ストーリー』も男の子の名前はアンディだけどなんか関係はあるのか
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アリゲーター(1980年製作の映画)

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ワニ映画の代表格。脚本がジョン・セイルズなので、構造は大体『ピラニア』と同じだしアリゲーターも老若男女問わず襲う。

薄毛のワイルド刑事と爬虫類学者の美女が巨大ワニに挑む。『ジョーズ』『ピラニア』は親
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二代目はクリスチャン(1985年製作の映画)

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セーラー服と機関銃の数年後製作された修道服とドス。設定も脚本もメチャクチャだけど、テンポの良い前半とクライマックスは見応え十分。耐えて耐えてようやくカチコミは任侠映画のお約束。

美貌のシスターを寺の
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ドラえもん 2112年ドラえもん誕生(1995年製作の映画)

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大山のぶ代追悼ということで迷った結果こちらを鑑賞。映画ドラえもんは好きな作品が多すぎる。

思えば初めて触れたメタフィクションがこれかも知れない。藤子・F・不二雄がドラえもんを発想するまでの間に、作品
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REX 恐竜物語(1993年製作の映画)

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Youtubeの無料配信で久しぶりに鑑賞。肉食恐竜にピーマン食べさせるなよとツッコミ所は多々ありつつも、世間が目くじら立てていうほど酷くはない気がしなくもない。ひとまず安達祐実とREXが可愛い。REX>>続きを読む

ピラニア(1978年製作の映画)

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化学兵器として改良されたピラニアが人を襲う。『ジョーズ』の便乗映画で、ジョー・ダンテの出世作。

怪物そのものは見せず恐怖を煽る演出、自身の子供に身の危険が及ぶとわかり本気になる主人公あたりもそのまま
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黄龍の村(2021年製作の映画)

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バカ大学生が田舎でヒドい目に遭う系ホラーと思いきやまさか。前情報無しで観た方が楽しめる。序盤は大学生のあのノリを縦長のスマホ画面で捉えて、普通の画面サイズになってから惨劇がスタート。

展開そのものは
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蒲田行進曲(1982年製作の映画)

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題名は蒲田=松竹だけど舞台は太秦=東映。英題は『Fall Guy』だと初めて知る。

ヤスの愚直なまでの純情、その愚直さに徐々に惹かれていく小夏。子供のまま大人になった寂しがり屋の銀ちゃんの3人の関係
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