時番人さんの映画レビュー・感想・評価

時番人

時番人

イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

3.7

焚き付けたのは婆さんか?! 閉ざされた島で、燃え尽きない友情のお話。教訓として、撤退上手になろうと思いました。

聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア(2017年製作の映画)

3.8

因果応報ホラー。主人公は、やましさを抱え、その秘密を知る青年から、清算の預言をもらう。主人公がそれを受け入れるまでを描く。







考察
・青年と向き合い、青年の心の傷を慰めることが精算を後らせ
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ロブスター(2015年製作の映画)

3.9

ファンタジーにリアリティを持ち込み、映画を使い切るランティモスは素晴らしい。生存本能 VS ロマンス の戦い。パートナー作りを矯正される政府下で。独身を矯正する集団の中で。勝ちは見えている?

憐れみの3章(2024年製作の映画)

3.7

「どういうこと?」とぼやきつつ、癖になる展開。原題訳は「思いやり色々」。行き過ぎた思いが狂気を生み、グッチャグチャになる3話。子供には見せられません。

デフォーとエマ・ストーン、ハマりすぎ。

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.0

映像ですべてを語る。確かにこれはヴイムベンダースの映画だ。主人公は完全なる受身で「変わらない、壊されたら修復する」を繰り返す。安心感はこうやって生み出されるのだなと思った。

異人たちとの夏(1988年製作の映画)

3.5

山田太一原作。離婚したての男が、謎の美女と突然現れた若き頃の両親にどっぷりハマっていく。

イギリス版「異人たち」を見てから、観る。山田太一の深い言葉の応酬があり、イギリス版よりも、静かすぎず観れる。
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異人たち(2023年製作の映画)

3.4

山田太一原作。ゲイ的隣人と若き両親を通して自分を許す物語。「ベニスに死す」ぐらいに静かで、最後の方でやっと、現実が見えてきて、ホラー感さえ帯びる。

ベニスに死すは、耽美派として愛でれたが、この作品は
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ソウルフル・ワールド(2020年製作の映画)

3.2

生まれたくない魂と、不慮の事故で死にたての魂が、生きる意味を考えるストーリー。

うちの息子が4歳のときに『なんで生きてるかわかってん。元気でいるってことやねん。』と言ってたことを思い出しました。
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魔界探偵ゴーゴリIII 蘇りし者たちと最後の戦い(2018年製作の映画)

3.0

3部作伏線回収。次々により強い人が出てきて、どんでん返しの連続。世界観良かったが、引っ張られ過ぎて疲れました。

魔界探偵ゴーゴリII 魔女の呪いと妖怪ヴィーの召喚(2018年製作の映画)

3.5

3部作の2作目。前回の謎が解けてきたかと思うと、更に謎が増えて、グイグイ引き込まれました。主人公の生い立ちも垣間見えて面白し。

魔界探偵ゴーゴリ 暗黒の騎士と生け贄の美女たち(2017年製作の映画)

3.4

ロシア製ゴシックホラーな「相棒」。青白い美青年と紅茶好きそうなおじさんが、背中に角が生えた殺人黒騎士を追いつつ、派生する事件を解決する。3部作の1作目。美術・雰囲気100 点!

漁港の肉子ちゃん(2021年製作の映画)

4.0

『正しさ』を揺さぶる多様性の良作。小5少女と体当り母さんの話。人が人を受け入れる時、正しさが邪魔をする。絶妙なバランスで人々は受け入れ合ってることを、じんわり、学ばせてもらった。

アンモナイトの目覚め(2020年製作の映画)

3.3

化石を発掘するケイトが、若いシアーシャに振り回される話。自立する女性、依存する女性… 恋は短い方が良い。

ケイトは男勝りの役を選んでるのかしら? 彼女の最初の出演作、乙女の祈りを思い出してみたり。タ
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ぴっぱらん!!(2024年製作の映画)

3.3

推し俳優を観るため、Vシネ系反社映画の百鬼兄弟のエピソードゼロを観ました。組が多すぎ、時間飛び過ぎに、暴力シーンの合間の女優陣のおふざけ。戸惑いましたが、最後に回収され次が気になりました。主人公三人で>>続きを読む

砕け散るところを見せてあげる(2021年製作の映画)

3.4

不幸少女をぬかるみ世界から助け出そうとする青年の話。どの役者さんも好演。体が砕け散るシーンくるのかとハラハラ。その手前程度の痛みを伴う暴力シーンあります。

夢中にさせてくれる内容だっただけに、幻想的
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不思議の国の数学者(2022年製作の映画)

3.8

貧乏学生の名門学園もの、のりで楽しませてくれつつ、数学の美しさと韓国の学歴社会、脱北問題にライトに触れる作品。韓国社会をちょびっと垣間見れた。

アネット(2021年製作の映画)

3.7

役者アダム・ドライバーを堪能するための映画。カラックス作品なのに、シェークスピア歌劇展開。後半は大衆向け演出でびっくり。冒頭は少し我慢。半裸のアダムの猿芝居も必要と思い、やり過ごしましょう。娘は、映画>>続きを読む

侍タイムスリッパー(2023年製作の映画)

3.8

ヨーロッパ企画風味の時代劇を作る人たちの話。私も多少笑いましたが、それより驚いたのは、平日の劇場に、OVER55の人が夫婦でたくさん来てて、泣き笑い鑑賞。こういう映画体験は初めてだったかも。ネットをそ>>続きを読む

パターソン(2016年製作の映画)

3.6

詩作が好きなアメリカの中間層の男性を描く。行きずりの少女の秀逸な詩、感情が激しい仲間、可愛い妻の思いつき…戸惑いながらも流される日常。静かな映画。

ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ(2024年製作の映画)

4.5

恐怖の推し活!キレ芸で社会現象になったジョーカーを見事に回収した作品。全面歌が流れ続け、精神の逃避を気味悪く表現。ガガが彼を見ずに、ひたすら歌が旨いのも深みを与えていた。

わたし的には大満足。単館で
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アシュラ(2012年製作の映画)

3.7

主人公アシュラは極端に不幸。人を食らって生きるほどに。彼を通して、人の道とは何かを示す物語。(声が悟空で、ちょっと混乱)

インドにはわりと、この手の殺しまくった果ての悟りの物語がある。

日本の猟奇
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碁盤斬り(2024年製作の映画)

3.0

ベーシックな日本映画✕草なぎ。原作は落語。この落語を聴いてみたくなりました。

時代劇らしい時代劇で、男ぽい美学。女性はおいてけぼられてるかな。

ボーはおそれている(2023年製作の映画)

3.8

ボーが恐れていることすべてが、3時間に渡って描かれる。こんな恐れ思いつきますか?!と「まるで恐れの宝石箱やー」な映画。終わり方には賛否両論かも。私は好き。

同年、映画 続ジョーカーとは別人での演技、
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

4.0

陽気な曲が爆音で流れる中、インタビューされる女性(主人公)。動揺を覆い隠そうとする爆音がインタビュアーを追い出し、事件が始まる。人は自己都合の真実を語ることしかできない。幾多のカウンセリングしてきた私>>続きを読む

ゴーストバスターズ(1984年製作の映画)

3.8

小学生の娘が観たいというので、久しぶりに観ました。娘は笑って観てました。ハチャメチャで、大迷惑な退治の仕方。おばけが可愛いくていい。エイリアンのシガニー・ウィーバーをこれで使ったのはもったいないけど、>>続きを読む

映画 おいハンサム!!(2024年製作の映画)

3.0

このシリーズはほんとに面白い。娘とみて、笑いました。

が、映画館向けかというと…どこで観てもいいかなぁ。ハマケンとくっつく日、来てほしいなぁ。

ルックバック(2024年製作の映画)

4.3

CGでも3次元でも表せない、アニメだからこそ沸き立つ優秀な作品。空白の4コマ漫画を何で埋めるのか…お笑い、風景、予言? 別の世界線? 無限に広がる4コマ漫画が、未来を切り開くお話。

グラディエーター(2000年製作の映画)

3.6

往年の史劇、スパルタカスを思い出す。熱量や引きつける感じは似たものが。あちらはアナログ、こちらはデジタル。コロッセオがCG過ぎるのに視覚効果賞とつてて、映画の変遷を感じました。
ホアキン・フェニックス
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十戒(1956年製作の映画)

4.2

血の川や海が割れたり…戒律を書いた石版… 聖書の世界観を重厚に楽しめる。神様のサポートで、いとも簡単に奇跡を起こす割には約束の地につくまでめっちゃ苦労を強いるとか、神様のすることはよくわからんというこ>>続きを読む

キング・オブ・キングス(1961年製作の映画)

2.7

濃厚なキリストのエピソードを早足で削る割には、伏線中の伏線でしかない、ヘロデ王の奥さんが妖艶に踊るシーンがっつりで、誰に向けた映画なのかと戸惑いました。時代のニーズかなぁ、作品の神々しさ大半減でした。

アレキサンダー(2004年製作の映画)

3.8

アレキサンダー大王をざっくり学べます。無敵で、聡明なイメージでしたが、崩れ去りました。戦いはうまいが… 人間くさい感じで私は好感がもてました。

インソムニア(2002年製作の映画)

3.5

仕事をうまく回そうとすれば大なり小なり誤魔化しが入るわけで。その誤魔化しを素直に反省した映画でした。

ロビン・ウィリアムズがもともと苦手で観てなかったけど、観てみたら(演技がうまくてそう見えるかも?
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レンブラントは誰の手に(2019年製作の映画)

4.0

レンブラントの描き方、絵画の購買にとりつかれる人、絵画と家族のように暮らす人、絵画研究家、仏vs和蘭美術館の取合い、名家子息の無邪気さとやっかみ。レンブラントの価値をめぐる素晴らしい実録作品。

宮松と山下(2022年製作の映画)

3.8

香川さんが、『超』細かい演技で、記憶を失った男を演じきる。

斬られ役のボヤキと、心の区切りをバッサリつけるような終わり方…とても良かったです。

ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ(2018年製作の映画)

3.5

映像美や構成は星5。男が思い出の中に深く深く迷い込み、夢幻で自身を慰める秀逸な作品。

この作品をなぜ3.5だと感じるのか?

男は思い出の登場人物の個性を、幻の中で受け入れていく。だがこの男の個性が
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