pinoさんの映画レビュー・感想・評価

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ミステリと言う勿れ(2023年製作の映画)

3.8

歪んだセメントが家訓となる恐ろしさ。
容疑者しかり、幼い頃に心のセメントを踏みつけられて、傷ついたまま大人になった人がこの世にはたくさん居ると思う。

わずかな違和感はもれなく伏線で、綺麗に回収されて
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ウエスト・サイド・ストーリー(2021年製作の映画)

3.8

何度観てもアニータに共感しかない。
自分達で始めた物語、争いには必ず悲劇が待つということを教えてくれる。
違う役どころだけど、旧作で出演した役者さんがリメイク版でも出ているのは素敵。

何よりバーンス
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春画先生(2023年製作の映画)

3.6

1.5倍速で観てちょうど良かった。
アブノーマルな展開の中、文献への敬意として、口許にハンカチを当てて鑑賞するという妙な高尚さ。

応挙の雪、歌磨の肌、北斎の蛸。
回転寿司のようにレーンを流れてくる春
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SUPER HAPPY FOREVER(2024年製作の映画)

3.9

赤い帽子は“存在するけど、存在しない“
作中にも出てくるが、方丈記の一節をふと思い出すような無常観。

眠れない日々を経験したことがある人には、きっと響くシーンがあるはず。
懐かしい声や音楽で安心して
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理想郷(2022年製作の映画)

3.7

憧れのスローライフ!で直面する“村社会“って万国共通なんですね…
差別偏見、そして普仏戦争の因縁を持ち出してまで争う意味とは。

時代は変わっても、復讐の連鎖を止めない限り、歴史は繰り返されてしまう。
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パリ13区(2021年製作の映画)

3.7

先入観で、弦楽かピアノが流れるかと思っていたら、思いっきりエレクトロ。
多民族の13区ならではの選曲でしょうか。

かなり攻めているシーンも終始モノクロの映像によって中和されている。
Tu me ma
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ちはやふる ー結びー(2018年製作の映画)

3.7

周防名人のお言葉が良い。
名歌と呼ばれた“忍ぶれど“と“恋すてふ“、
歌合わせの演出に吃驚。
“上の句“からの伏線も無事回収されて良かった。

初詣で賑わう近江神宮。
今週末は、かるた名人・クイーン戦
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ちはやふる 下の句(2016年製作の映画)

3.7

1人だけど独りじゃない。
机くんの成長に感動し、元吹奏楽部が複雑な気持ちになる下の句。
劇薬のような詩暢ちゃんが好き。
はらじゅく限定おめかしダディタオル!

ちはやふる 上の句(2016年製作の映画)

3.7

何度目かの三部作!
いつ観ても机くんの気持ちがしんどい…
勝つための戦略、悪意のない捨て駒、誰も悪くはないのだけれど、身に覚えのある人は割と居そうな気がする。
かなちゃんのピュアさに救われる。

落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.7

誰も好きになれない映画は久しぶり。
寒々とした雪山に、鳴り響く陽気なスティールパン、そして調律されていないピアノの音と、それだけで不安になるには十分すぎる。
ショパンのプレリュードにすべてが集約される
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Ryuichi Sakamoto: CODA(2017年製作の映画)

3.9

自然と不自然
世間的に電子音のイメージが強い一方、
むしろ自然界の音に音楽を求めていく姿は、ラヴェルに通ずるものがある。
何が心地よいかなど人それぞれ、一般的な平均律だって人工物に過ぎないのだと思わせ
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ボレロ 永遠の旋律(2024年製作の映画)

3.9

ラヴェル生誕150周年。
彼にとっては、時計の秒針、衣擦れ、工場の機械音などの“不協和音“もすべて音楽。
不遇の病で、記憶と言動が少しずつ曖昧に、遠のいていく様は見ていて非常につらかった。

ドビュッ
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青春18×2 君へと続く道(2024年製作の映画)

4.0

台湾の原色、日本の淡色が良い対比。
人生は選択の積み重ねで、どの道を選んでも、“たられば“は付き物なのかもしれない。

だからこそ、忘れられない景色、思い出の音楽、懐かしい香り、ふとした瞬間に心が暖か
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Love Letter(1995年製作の映画)

3.8

淡い白が印象的。
秘めた気持ちは暖炉に近くて、ふと思い出してはじんわり心を暖めてくれる。

失われた時を求めて ←背伸びしたい学生が割と借りがちやと思うけどな…

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

3.9

丁寧な暮らしと言うより、そうせざるを得ない影が常にちらついていた。
あらゆる出来事は、形を変える木漏れ日のように、見る人見るタイミングによって違う見え方をするのかも。
変わらぬ日々の濃淡に気付ける人で
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シーモアさんと、大人のための人生入門(2014年製作の映画)

3.9

シーモアさん×イーサン監督

シューマンの幻想曲第三楽章はもちろん、シーモアさんの弾くスカルラッティが好き。
答えを見出す力は必ず人の中にあるなど、学びの多い作品。

“和解の意味を知るための不協和音
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ブルーに生まれついて(2015年製作の映画)

3.9

依存的でありながら、代え難く魅力的。
ジャズシーンと思えぬほどの繊細な音は、彼にしか出せなかったはず。

ラストは彼女の涙で全てを悟る。
あえて楽屋は、撮らないでほしかった。

はたらく細胞(2024年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

今年の映画館納め。
難病の話になるとは思っておらず…
とにかく抗がん剤と放射線の描写が巧い。

ドナー登録や献血の大切さをさらっと織り混ぜてくるところも好感が持てる。
豪華なキャストと笑い、それ以上に
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インサイド・ヘッド2(2024年製作の映画)

3.9

どんな感情も自分のためになる!
大人になるって様々な感情と向き合うこと。
ニューロンは、何歳でも何度でも繋ぎ直せるというのはやはり大きな希望。

とりあえずナツカシばあちゃん可愛い。
民俗音楽学者も私
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インサイド・ヘッド(2015年製作の映画)

3.8

ニューロンの表現の仕方がすごい…
忠実で、でもわかりやすい脳機能の描写。
あっという間の90分。

かなしみの寄り添い方が好き。どん底まで落ちてる時って、明るい曲が響かないのもきっとそういう理由。
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夜明けの詩(2021年製作の映画)

3.8

暗がりの中だから話せることもある。
影の大小はあれど、何も背負わぬ人はきっと存在しなくて。誰かの心を癒すなら、酒もタバコも悪いものではないと思わせてくれる。
春を待つ長い冬のような作品。

マーラー(1974年製作の映画)

3.8

まるで高熱の時に見る悪夢!なんですが、交響曲第1番から第10番がそれぞれ絶妙なタイミングで流れ、映像に馴染んでいくのが面白い。

駅のホーム、車窓越しに微笑む様子が何とも。第6番1楽章第2主題と絡めた
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怒り(2016年製作の映画)

3.9

信じたかったよね。
でも、疑うのも信じるのもどうしたって自分のため。人は不確実な状態が最もストレス。
結局は、自分の目で確かめて安心したいだけで、それは誰かのためではない。

原作の“田中“は正直、森
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わたしの幸せな結婚(2023年製作の映画)

3.6

メインお2人はもちろん、しゃなりしゃなり…と歩く、堯人さまの何と美しいこと!
設定の難しさ、劇伴と台詞の音量差が少しだけマイナスかも。
北吸トンネルに東郷邸まで、思いのほか生まれ故郷が映っていて嬉しか
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百円の恋(2014年製作の映画)

3.8

“痛み“を感じ、生きることを強く求める姿はもはや安物なんかじゃない。
物に罪はないというか、クズ男だったとしても、その人を通じて得た物や経験が自分を変えることもある。

この作品も10年前なんですね。
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ジュリア(s)(2022年製作の映画)

3.9

選択と偶然の連続
どの道でもきっと“たられば“は付き物で、振り返った時に、人として道を踏み外してはいないと思えるなら、きっとその選択で良かったはず。

不変だったのは、ご両親の優しさと音楽への愛。
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かくしごと(2024年製作の映画)

3.8

認知症、記憶喪失、トラウマ。
様々な形で“記憶“と葛藤する人々が、嘘を塗り重ねていく。

あんな良い町医者、なかなか居ないよ…?
隣町の病院、受付女性の視線が気になったが、
伏線という訳ではなかった。
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どうすればよかったか?(2024年製作の映画)

4.0

高学歴で教育熱心なご両親、2人の会話に潜む空気感に見覚えがあり苦しい。

父と母の“最適解“は変わることなく。
冥土の土産として、娘の棺に論文を入れてしまう所に、藤野家の在り方が物語られる。

当事者
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パリのちいさなオーケストラ(2022年製作の映画)

3.8

彼女のことをよく知ってから、パリ五輪閉会式の指揮を見たかったなと思う。

従来、上流階級の嗜みであったクラシック音楽。
人種、階級、性別への偏見を乗り越えて指揮していく様は、音楽の民主化とも言うべき光
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ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ(2023年製作の映画)

3.8

これは劇場で観たかったかも…
70年代を思わせるレトロな画質と音楽。

オピオイドをこっそり服用するシーンは、言葉こそ交わさないものの、境遇を分かち合うようで非常に良かった。
生きてたらアンガスは今頃
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正欲(2023年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

私の当たり前は、きっと誰かの非常識。

“貴方となら自然に息ができる“や、“手を組みませんか“なんて最高の告白では。

「来し方ゆく末」の、めでたくなさ。
正直、この映画の後に眺めるクリスマスツリーは
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東京ゴッドファーザーズ(2003年製作の映画)

3.8

この時期に観たい作品。
ハナさんの一句とエンディングの第九が好き。
“同じ命は二度と…“のセリフで今敏監督が思い出され、何とも言えぬ感情に。

新札の登場で、諭吉の笑みが過去のものになっていくのも寂し
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閉鎖病棟ーそれぞれの朝ー(2019年製作の映画)

3.7

この世に安全な場所なんて無い。
精神科病院の患者のことを「“坂の上“の人」と呼ぶ、街の人たちが印象的。

台詞のとおり、事情を抱えてない人なんて居なくて、ある意味、明日は我が身。
他人の一部分だけを見
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ピアニストを待ちながら(2022年製作の映画)

3.8

閉ざされた空間での自問自答は、全てに自粛を強いられたあの頃を彷彿とさせる。
“不在“と“無“は似て非なること。
衣装チェンジ、死んだはずの行人、卵サンドの湧きどころ、理解できないものを眺めて愉しむ、余
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劇場版モノノ怪 唐傘(2024年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

いつの時代も軋轢が怪異へ。
社会へ適応するには、大切な物を捨てなければならないのか?お役目のために個を捨てさせる、人間が一番怖いと思うのです。

大葉みそ と思ったら、朴葉みそ!
あのおにぎり、どこで
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言えない秘密(2024年製作の映画)

3.8

108は涅槃ではなく、BPM 108へ。
個人的に、ピアノ王子がボストン、湊人がベーゼンのピアノを弾くのが何かしっくり来て良いなと思ってしまった。

ショパンとジョルジュサンドのように、10年も添い遂
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