春とヒコーキ土岡哲朗さんの映画レビュー・感想・評価

春とヒコーキ土岡哲朗

春とヒコーキ土岡哲朗

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イコライザー(2014年製作の映画)

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 徹底的な正義に怖くなる。
 静かに大胆。マッコールは静かに怒りを溜めていくが、その怒りを爆発させるときも叫んだりしない。敵が憎いからこそ、確実に仕留めることに集中して、騒がずに遂行する。それが、大勢
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ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ(2024年製作の映画)

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ストイックと未熟が混同した悪役。

池松壮亮演じる敵が面白い。
団体に属さず一人で活動する孤高の殺し屋、と思いきや、主人公たちとの最初の遭遇から何やら取り乱していて、そんなに崇高なもんではない。100
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ロボット・ドリームズ(2023年製作の映画)

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会えてよかった、と力強く言う。


人との理想の関係と現実を描いた物語。

友達も恋人もおらず寂しさを抱える犬が、友達ロボットを購入して友情を築いていく話。犬とロボットが最後まで楽しく過ごす話であって
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ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ(2024年製作の映画)

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1作目の魔法を解くための続編。

ただの寂しい個人であることの暴露。
前作は、社会に反抗心を抱く人間たちのカリスマになる男を描いた映画だった。しかし、主人公のアーサーはあくまで彼個人の鬱憤を晴らしたい
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レッド・ワン(2024年製作の映画)

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また世界に良いサンタ映画が一本増えた。

パンクでいて、ストレートなサンタ映画。
サンタクロースが誘拐され、側近のカラムが、裏社会の追跡者ジャック・オマリーを巻き込みサンタそ捜索する話。ハイテク描写や
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グラディエーターII 英雄を呼ぶ声(2024年製作の映画)

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怒りながら、その怒りをパワーに変えてみせる。

理不尽なシステムに従うしか先はない。
主人公ハンノは、戦争で負けて捕まり、コロシアムで見せ物として殺し合いをさせられる。自分の尊厳を奪うシステムにブチギ
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ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー(2023年製作の映画)

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同業者への容赦ないリスペクトと殺意。 
 
前作同様、殺し屋要素に負けずに2人の自分事なのがいい。
延滞金を銀行に振り込みに行かないといけないのに、隣人と鉢会いたくないまひろのグズグズっぷりに、イラ
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ラブライブ!サンシャイン!!The School Idol Movie Over the Rainbow(2019年製作の映画)

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続けていく覚悟。

自分のやってきたことが、他人に通じるのか。
主人公たちの学校と統合されることを良しとしない保護者たちや、スクールアイドルなんてくだらないお遊びと言う鞠莉の母親。そんな大人たちをパフ
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ラブライブ!The School Idol Movie(2015年製作の映画)

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アイドルは、去って永遠のものになる。

儚げを徹底したフィナーレ。
今作のテーマは「引き際」であり、それを考えるとただ明るい映画にはならない。元気な歌唱シーンも、常に「終わり」がちらつき、寂しくなる。
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グラディエーター(2000年製作の映画)

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余計なものを入れずに、本物成分のみ。

「血と死」に興奮してしまう。
奴隷剣闘士となった主人公は、殺し合いを見世物にして喜ぶ人間たちに敵意を示す。この映画を観る者は、その主人公の立場を応援しながらも、
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Chime(2024年製作の映画)

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人間はみんな危ない。


完全におかしいのではなく、みんなと違うだけ。

料理教室の先生・吉岡は、様子のおかしな生徒・田代に影響されて何かがうつってしまったのか、彼も様子がおかしくなる。異様にそそくさ
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べイビーわるきゅーれ(2021年製作の映画)

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尺も含め、こんな映画どう?くらいの押し付けてこない軽やかさ。

2人にとっては2人の関係の映画でしかないのが良い。
序盤から姿を見せるヤクザがこの映画のラスボスなんだろうなと思って観ていて、後半に入っ
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ナミビアの砂漠(2024年製作の映画)

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自分のことしか大切にしない人は、他人に大切にしてもらえない。


すかしてるんじゃなく、自分なりにやっているだけなのに。

冒頭から、同級生の死に関して反応が鈍いカナ。友達のイチカは、多少の偽善も混ざ
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スパイダー/増殖(2023年製作の映画)

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蜘蛛はそのままで十分怖い。

蜘蛛、虫の不快感を的確にホラーにしすぎている。
同じ地球の生物なのに、人間からしたら遠い虫を不気味に感じる人も多い。デザインや素材の遠さもあるし、小さく動き回る姿も恐ろし
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ザ・ベビーシッター ~キラークイーン~(2020年製作の映画)

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まだいた、最高のB級を作るソウルの監督。 


映画バカに拍車がかかっている。

一作目から敵の華やかさの種類が『キル・ビル』っぽいと感じていたが、タランティーノやロドリゲスのような監督がここにもいた
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ザ・ベビーシッター(2016年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

スプラッターなのに恋からブレない。


殺人鬼とのバトルなのに、恋愛の色が残り続けるのがすごい。

コールは自分が大人になっていくことに違和感を持つ年頃。色気付くことへの抵抗がある。注射を怖がるのも、
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CUBE(1997年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

観客参加型不安映画。

いきなり目のアップと変な部屋から始まり、部屋を移動した男は角切りにされる。部屋がずっと続いていることと、罠の存在、そして映画の雰囲気を一発で観客に伝える。

一つの部屋に集まり
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バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3(1990年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

冒険心の極み。

開拓時代にいるドクが隠してくれたタイムマシンを掘り起こすという、しょっぱなからの急展開。ここに来て、時間移動ではなく順当な時間の流れを利用するトリッキーさ。
1885年は、あの時計台
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バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2(1989年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

方向そのまま、大きさアップ!

「1」とリンクさせてくるニヤニヤ演出や、未来でマーティは自動車事故を起こしたという「3」への伏線もあり、シリーズの中継としても面白い。マーティたちの頑張りを崩しにかかる
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孤高のメス(2010年製作の映画)

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シリアスだが、あっという間な気分で観られた。

正直、グロイほどにリアルな内臓。でも、そこに説得力がある。
主人公は、熱心で技術も卓越した医師。理想のヒーロー像だから、応援できて、見やすい。最初の手術
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雨に唄えば(1952年製作の映画)

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まず良い歌。それでずっと楽しい。

ダンスシーンも全てコミカルで軽快で楽しい。3人で家で踊るシーンは難しそうですごい。そして、雨に打たれながら「雨に唄えば」を歌う有名なシーンが一番重要だが、良い気分。
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フィッシュストーリー(2009年製作の映画)

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本当に気分が良い!

短編である原作をどう広げるかと思ったら、見事にスケールアップ。

こんなに気持ちよくなっていいのかと思うくらい、「つながる」の連続。

「フィッシュストーリー」とは「ホラ話」。こ
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SP 野望篇(2010年製作の映画)

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アクション映画として、雰囲気も見事。

ただ、やはり前後編ニコイチの映画なので、前編の今作はオチがない。雰囲気を楽しめるか否かでハマるかどうか変わりそう。
テレビドラマの続きで、敵同士の井上と緒方が仕
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デストラップ・死の罠(1982年製作の映画)

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とにかく“どうなるのか気にさせる”映画。

BGMを多用してないけど、だからこそ、BGMが流れるとパニック感が一気に増す。
プライドが妥協を許さない主人公シドニー。ずっとイライラして妻にあたっているが
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インスタント沼(2009年製作の映画)

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トロいわけじゃない「ゆったり」がたまらない。

麻生久美子の、可愛く喋るんだけどぶりっ子にならず、軽くちょけている感じが楽しい。

一応存在する失恋シーン。失恋した瞬間のショックだけで、落ち込む様子が
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ツーリスト(2010年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

優雅なヴェネチアで2大スター初共演の贅沢さを満喫。

とにかく優雅だという娯楽の作品。アンジーは上品さとアクションの顔が両方を見られた。ジョニデは面白いダメっぷりとかっこよさの両方を見られた。
特にか
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第9地区(2009年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

B級SFをまとった差別批判。

一見すっごい馬鹿馬鹿しい中にセンスがいっぱい詰まってる。SFとしての設定の面白さは、上空に宇宙船が20年もある状態で人間が普通に生活しちゃってるところ。主人公ヴィカスが
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ネクスト・ゴール・ウィンズ(2023年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 全部正しい人は目指さずに、良い瞬間がある人でいい。
 負け組ミーツ負け組もの。高みで上手くいかなくなり落とされた者と、低いところしか知らない者たちが出会って上がっていく物語。『カーズ』と同じ状況。監
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TENET テネット(2020年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

難しいが、それでも正義の熱量は分かる。


話が難しくて、乗り切れなかった。

期待していたノーラン監督の新作。『インセプション』『インターステラー』が大好きなので期待して映画館へ。

時間逆行の設定
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モスラ対ゴジラ(1964年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

正義の怪獣を応援して興奮。

ゴジラがマクガフィン。
海に現れた巨大なモスラの卵。それで金儲けしようとするハッピー興業。小美人たちは卵の返還を求めるが、主人公たちはどうすることもできず。そんな中ゴジラ
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心の力(1931年製作の映画)

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山崎バニラ氏による活弁で鑑賞。
既に完成してる映像だけでなく、活弁士のテンポの良さも映画に影響するのが新鮮で面白かった。映画自体は言葉がない分、動きだけでも展開が分かるように作られていた。
今の我々か
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ヒア アフター(2010年製作の映画)

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生と死について各々が考える映画。

臨死体験をした女性は、その体験で知った世界を伝えようとする。スピリチュアル的表現ではあるけど、死を前に生を知るという、普遍の観念。生きているからには、死んだ者のため
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シンドラーのリスト(1993年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

こんな簡単に人が殺されていいわけがない。

戦争は、人間を人間でなくす。シンドラーも、もともと正義漢だったわけではなく、商売としてユダヤ人をかくまっていた面も強かった。それでも彼の中で徐々に正義が大き
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ピノキオ(1940年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

子供に「正しく生きなさい」を教える最たる映画。

フェアリーがピノキオを動けるようにしたときと、人間にしたときに描かれる光の“願い叶い”感がものすごい。
じいさんの説明に「Why?」を連発するピノキオ
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フォレスト・ガンプ/一期一会(1994年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

序盤の序盤で心を鷲掴みされた。

少年時代、フォレストが脚の装置を破壊しながら自力で走りだすシーンでもう感動。プレスリー、ケネディ、ジョン・レノンや、スマイリー、アップルなど、実在の人や団体との絡みも
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白雪姫(1937年製作の映画)

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世界初の長編カラーアニメでここまで行くんだ。

井戸の水が、CGかって言うくらいのハイクオリティ。白雪姫が命からがら森に逃げ込んだときの、森が怖い。ファンタジーって、華やかさに目がいきがちだけど、いか
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