びたみんさんの映画レビュー・感想・評価

びたみん

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ハッピーアワー(2015年製作の映画)

3.7

200本目のレビューになるのでしょうか。
ここまで続けられたのも、皆さんのいいねとコメントのおかげです。日々承認欲求が満たされております。ありがとうございます。

さて、本作「ハッピーアワー」は5時間
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侍タイムスリッパー(2023年製作の映画)

3.7

劇場で鑑賞。
面白かった!
全体的に笑いがベタだったり、ヒロインの携帯がガラケーだったり、2000年前後の映画を観ているような懐かしさが漂う。
全体的な古さは否めないが、展開にメリハリがあり、ラストは
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お引越し 4Kリマスター版(1993年製作の映画)

4.5

相米慎二監督作。
監督の映画は「台風クラブ」「セーラー服と機関銃」は鑑賞済み。上記二作にはあまりハマることができず。
ただ、本作はとても良かった。

前半は、割とわかりやすく、夫婦の離婚とそれに伴う子
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セーラー服と機関銃(1981年製作の映画)

3.4

明けましておめでとうございます。
もう1月9日ですが。なんやかんやで、日々が過ぎていき、映画を観る暇もなくはないが、なんとなく食指が動かず、本もまた読み始め(大江健三郎の同時代ゲームに手を出してしまっ
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処女の泉(1960年製作の映画)

4.5

イングマールベルイマン監督作品。
久しぶりに再鑑賞。
ベルイマンの一つの到達点であり、世界映画史に残る名作。神の沈黙をテーマとしたシンプルながら骨太なストーリー。美しい映像と構図。俳優陣の迫真の演技。
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第七の封印(1956年製作の映画)

3.9

ベルイマンの名作。
終末的世界観、陰影の濃いモノクロの映像美、死神のキャラクター、独特のユーモア、神の不在、生と死の対比。
ベルイマンの基本的、根源的なテーマが詰まっていて、かつ笑えるところもあり、短
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野いちご(1957年製作の映画)

4.0

イングマールベルイマン監督作品。
アマプラにて配信終了間近の美しい修復版で久しぶりに再鑑賞。
名画と呼ぶにふさわしい堂々たる傑作だった。美しい構図、斬新なイメージ、簡潔で流れるようなストーリー。ベルイ
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戦場のピアニスト(2002年製作の映画)

4.3

ロマンポランスキー監督作。
「チャイナタウン」「ローズマリーの赤ちゃん」「反撥」など有名所は鑑賞済み。
素晴らしい傑作だった。
淡々とした演出が好みだった。「プライベートライアン」とは正反対で、ドライ
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ビフォア・サンライズ 恋人までの距離(1995年製作の映画)

4.0

リチャードリンクレイター監督作。
とにかく二人が魅力的。こういう恋愛映画って、雰囲気や会話が鼻につきがちだが、そこをうまい塩梅で洒脱に仕上げている。
ウィーンの街並みも美しく、時よりアクションを仕掛け
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ネイキッド(1993年製作の映画)

3.8

マイクリー監督作。
ジム・ジャームッシュがインタビュー本の中でおすすめだと語っていたので鑑賞。
なんだかよくわからない映画だ。
同監督の「秘密と嘘」は相当わかりやすかったんだなと思った。

基本的には
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風と共に散る(1956年製作の映画)

4.3

ダグラスサーク監督作品。
鑑賞は「天はすべて許し給う」に続いて2本目。

冒頭から、トントン拍子に話が進み、富裕層の世界をきらびやかに描き出していく。カラーの美しさや、構図、音楽、台詞回し、カット割り
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ストップ・メイキング・センス(1984年製作の映画)

3.8

トーキングヘッズ×ジョナサンデミ
傑作ライブドキュメンタリー。

「アメリカンユートピア」は鑑賞済みで本作は初鑑賞。レストア版を鑑賞。

とにかくポジティブバイブスしかない演奏空間に、身も心もノリノリ
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ピーター・フォークの ビッグ・トラブル(1986年製作の映画)

3.6

ジョンカサヴェテス監督作品だが、色々ごたごたがあるそう。
かなり期待値を下げてみたが、意外に面白かった。
北野武の「みんなーやってるか」に似た、良い意味で適当で投げやりな感じが楽しめた。たまにカメラワ
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ジャックポット(1974年製作の映画)

3.8

ロバートアルトマンの作家性光る、傑作。
とにかく生活感というか、世界観が確立されていて、グダグダな雰囲気なだけで楽しめる。というか、雰囲気だけの映画、と言うと怒られるだろうか。

ポーカーもダイジェス
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ふたりのベロニカ(1991年製作の映画)

4.7

【これまで描かれてこなかった感情】
全くわからない。けれど、面白い。
単にドッペルゲンガーの話なのか、ポーランド分割の話なのか、単純にラブストーリーなのか、運命を描いた話なのか、メタフィクションの話な
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トリコロール/赤の愛(1994年製作の映画)

5.0

トリコロール三部作最終章。
圧巻の傑作。そしてキェシロフスキの集大成。

モデルの主人公。盗聴、という一方通行な社会との関わり方しかできない退官判事。その判事の過去をなぞるようなオーギュスト。過去と現
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トリコロール/白の愛(1994年製作の映画)

4.6

三部作の第二作。
コメディとしても、復讐劇としても、成り上がりものとしても、そして、愛の物語としても非常に完成度の高い一作。
完成度は高いものの、「青の愛」のような、格調高さからくる威圧感はなく、肩肘
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トリコロール/青の愛(1993年製作の映画)

4.8

クシシュトフキェシロフスキ監督作。
久しぶりに再見した。

キェシロフスキ監督作は、「偶然」「アマチュア」「傷跡」「終わりなし」「デカローグ」「トリコロール三部作」「二人のベロニカ」他初期短編、ドキュ
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ピクニックatハンギング・ロック(1975年製作の映画)

3.0

ダメだった。
画質の悪いDVDで観たからだろうか、眠気が半端なかった。
印象的なカットは多いものの、とにかくテンポが一定で遅い。オチや、大きな展開がとくに無いので、さらに眠気を加速させる。謎が多いもの
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南極料理人(2009年製作の映画)

4.5

久しぶりに再鑑賞。
初見がだいぶ前なので、忘れていたシーンばかりで、新鮮に楽しめた。
やっぱり名作。とにかく面白く、笑える。
食を通じて、人々のおかしみを描き出す、それも、押し付けがましくなく、さっぱ
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刑事ジョン・ブック/目撃者(1985年製作の映画)

4.0

「トゥルーマン・ショー」「いまを生きる」などを観てきて、徐々にファンになってきているピーターウィアー監督作。

面白い。
はっきり言えば地味で、テンポも遅い映画だが、神秘的で唯一無二の世界観は必見。
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十三人の刺客(2010年製作の映画)

3.7

三池崇史の時代劇。
三池監督らしい、ナンセンスなギャグや、バイオレンスシーンもありつつ、しっかり王道の時代劇としても成立するように丁寧に作られており、大変観やすく、面白い。
クライマックスの戦闘シーン
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三人の女(1977年製作の映画)

3.6

ロバートアルトマン監督作。
監督お得意の群像劇とは対照的な、閉ざされた人間関係を描いた作品。傑作「仮面ペルソナ」からインスピレーションを受けて制作されたそうだが、似た感触もありつつも、「仮面ペルソナ」
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秘密と嘘(1996年製作の映画)

4.0

マイクリー監督作初鑑賞。
全体の印象としては、整理整頓されたジョンカサヴェテスといった感じで、プラス小津や、イギリス特有の毒っ気も合わさって、唯一無二の世界観、雰囲気を醸し出していた。
頻出する長回し
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Cloud クラウド(2024年製作の映画)

3.4

微妙でした。
穴のあるプロット、不穏なカメラワーク、棒読みの俳優。予想通りの黒沢節。
この黒沢節を、楽しめるか、そうでないかの二択だと思うが、自分は微妙なところだった。
まず、やっぱり脚本の穴の多さが
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憐れみの3章(2024年製作の映画)

3.8

ヨルゴスランティモス監督作初鑑賞。
朝一の上映になんとか間に合い観たが、朝から自分は何を観ているんだろう、とふと考えてしまった。

面白かった。
3話とも毒気とカオスさが有り、程よく観客を置いていって
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二十才の微熱 A TOUCH OF FEVER(1993年製作の映画)

4.0

橋口監督のデビュー作。
傑作だった。
体を売って金を得る少年たち。主人公は、特に必要に迫られて体を売っているのではない感じ。どこか、全てを他人事のように捉えて、男でも女でもなんとなく一夜を共にしたりし
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すばらしき世界(2021年製作の映画)

3.9

西川美和監督作初鑑賞。
傑作だと思う。俳優陣の演技は、素晴らしく、映像感覚も良い。
社会からはみ出た人が、更生、再生できるのか。難しいテーマだと思うが、社会への問題提起を含んだ奥深い作品に仕上がってい
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レヴェナント:蘇えりし者(2015年製作の映画)

4.3

イニャリトゥ監督作は、「バードマン」「アモーレスペロス」を鑑賞済み。
本作、素晴らしい傑作だった。
とにかく、映像の迫力が凄まじく、人間の生きる姿をどこまでも追いかけた最高のカメラワークが随所に観るこ
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「エロ事師たち」より 人類学入門(1966年製作の映画)

3.8

今村昌平監督作品。
「豚と軍艦」「にっぽん昆虫記」「赤い殺意」「神々の深き欲望」「復讐するは我にあり」「うなぎ」は鑑賞済み。
本作も、他作品と同じく、ねっとりとした今村節が炸裂していて楽しめた。
しか
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今宵、フィッツジェラルド劇場で(2006年製作の映画)

4.2

ロバートアルトマンの遺作。
面白かった。傑作。
終焉を迎えるラジオ番組の劇場を舞台に、アルトマンが仕掛ける群像劇。
遺作であるからか、死の匂いが濃い。しかし、生と死を、どちらも現実には混在していて、表
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顔のない眼(1959年製作の映画)

3.6

ジョルジュフランジュ監督作品。
黒沢清監督らが絶賛している本作。
確かに、独特な不気味さがあったが、やや古さを感じさせた。
90分の短さながらテンポは遅く、低予算映画っぽさも随所に見て取れてしまう。
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クッキー・フォーチュン(1999年製作の映画)

3.8

ロバートアルトマン監督作。
マイナーな作品だが、かなり楽しめた。
アルトマン的ツインピークスといった感じで、小さな街のいざこざが小気味よく進行していく。
独特のユーモアも良いし、キャラクター、一人一人
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ペパーミント・キャンディー(1999年製作の映画)

3.8

イチャンドン監督作初鑑賞。
独特な構成が、主人公の人生の悲哀を巧く表現していて良かった。
映像感覚も良く、主役の演技も素晴らしかった。

一応、主人公の軍での体験が、彼のその後の人生を転落させる要因に
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レネットとミラベル/四つの冒険(1986年製作の映画)

3.7

エリックロメール監督作は、「緑の光線」に続き、鑑賞2作目。
まだ、エリックロメールの魅力の全貌がよく分からない。もしかして、ロメールとは合わないのかも、とも思ってしまう。
とにかく、二人が喋りまくる。
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幸福なラザロ(2018年製作の映画)

3.5

よくわからなかった。
小作人制度を、騙して続けている、というアイデアは面白く、最初はかなり見入って観ていたが、後半になるにつれ、宗教色や、観念的な展開が多く、置いてかれてしまった。
映像は、フィルム撮
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