肝臓ちゃんさんの映画レビュー・感想・評価

肝臓ちゃん

肝臓ちゃん

紅いコーリャン(1987年製作の映画)

4.1

久々に再見。尺が短いから仕方ないけど、やはり後半の日本軍侵攻の唐突感は否めない。羅漢爺さんが共産党に加入する要素ももう少し掘り下げられてもいいと思った。しかしこの映画はなんといっても勢いとバイタリティ>>続きを読む

ロスト・ハイウェイ(1997年製作の映画)

4.1

リンチ監督追悼で再見。勝手に『マルホランド・ドライブ』と姉妹編だと思っている。だが、こちらのほうがより混濁としてバイオレントで、人間のダークな部分に焦点を当てている印象。

今回改めて観て気づいたのは
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拳銃貸します(1942年製作の映画)

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全然拳銃の貸し借りの話ではありません。ところどころプロパガンダ的な要素が挟まれていて少し萎えるが、適当に観る分にはちょうどいい感じ(話が入り組んではいるけど)。フィルムノワールとしては、ありがちな人物>>続きを読む

フィラデルフィア物語(1940年製作の映画)

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きっつー…もとはブロードウェイの戯曲だから仕方ないにせよ、とにかく台詞に頼りすぎて誰も彼もひっきりなしに喋り続ける。しかも、登場人物全員が漏れなく神経を逆撫でする言動ばかりとってくるから、地獄。所々説>>続きを読む

ラッシュアワー(1998年製作の映画)

3.5

悔しいけど、ジャッキーチェンとクリスタッカーがかわいい

ベルベット・ゴールドマイン(1998年製作の映画)

4.0

デヴィッド・ボウイやイギー・ポップなど特定のアーティストを露骨に彷彿とさせすぎて、半ば伝記を見ているようで、少し妙な気分になる。

自分はボウイをリアルタイムで追った世代ではないから、引いた目でどの時
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サクリファイス(1986年製作の映画)

3.8

遺作で有終の美を飾ったことは素晴らしいと思うが、率直に言えば、好きにはなり難い。
タルコフスキーは崇高だと評価されることが多いが、なんだ結局西洋文化の権化じゃないかとこの映画を見て改めて気づかされた。
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ライオン・キング(2019年製作の映画)

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金曜ロードショーにて
コレジャナイ感が強すぎた。
リアルを追求してるから仕方ないけど、とにかくどのキャラも動かせる表情筋が絶望的に少なくて、たまにアニマルプラネットに無理やりアフレコしてる映像みたいに
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はたらく細胞(2024年製作の映画)

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年の瀬に大切な人たちと一緒に観るにはちょうど良い映画。テーマパークのステージショーを観ているような気分になる。
インサイドヘッドもそうだけど、体の内側を擬人化することで、自分って、こんなに一生懸命に生
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ルックバック(2024年製作の映画)

3.0

うーむ、なんでだろう…誰しもが口揃えて絶賛するからきっと何かしら刺さるものがあるかと思ったが、びっくりするくらい全く刺さらなかった。なんだかすごくつくりもの感が強いというか、優等生的に出来が良くて逆に>>続きを読む

バッドサンタ(2003年製作の映画)

2.0

イブだし、気軽に観られるクリスマス映画でもと思って、なんとなくテリー・ツワイゴフだからって理由でテキトーに選んでみたんだけど、死ぬほどつまらなくて引いた。

いや、伝えたいことはなんとなくわかるのよ。
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ポンヌフの恋人(1991年製作の映画)

3.7

高校生の頃に初めてこの映画を観たときは、アレックスとミシェルの関係が息苦しく、エゴイスティックで有害な愛の紛い物のように感じられた。自由奔放に見える彼らの行動にも、逃れられない束縛があり、その閉塞感が>>続きを読む

ユニバーサル・ランゲージ(原題)(2024年製作の映画)

4.2

最近、新しい映画を観るのがなんとなく億劫で、観たことのある作品ばかり見返していたんだけど、あんまり前情報もなく勘だけで選んで映画館に行ったら、かなり自分好みの映画に出会えて、くじ引きで小さいアタリを引>>続きを読む

憎しみ(1995年製作の映画)

5.0

再見。改めて観て感じたのは、意図的なのか偶然なのかはわからないが、主人公たちの怒りや鬱憤を監督自身がダイレクトに受け止めたようにも捉えられる構成にした点が秀逸だということ。
移民問題を軸にしつつも、い
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アギーレ/神の怒り(1972年製作の映画)

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純度は非常に高い。オーセンティックなものを創ろうという気概もよく伝わってくる。だが、その気概が強すぎるせいか、まるでドキュメンタリーを観ているような感覚に陥る。スケールの大きなことに挑んでいるのに、全>>続きを読む

さらば箱舟(1982年製作の映画)

3.7

初めて観たとき、百年の孤独の翻案だと全く知らず、闘鶏の場面で何だこれガルシアマルケスのパクリやんけってなったけど、最近久しぶりに百年の孤独を読み直したから寺山も見直してみるかって思い観たけど、何だこれ>>続きを読む

シビル・ウォー アメリカ最後の日(2024年製作の映画)

3.7

「もしアメリカで内戦が起きたら?」という設定が、今のアメリカの分断状況を見ていると単なるフィクションとは思えず、社会派のシリアスなドラマかと思い鑑賞した。ところが、意外にもディザスター/ディストピア映>>続きを読む

タクシードライバー(1976年製作の映画)

3.5

昔観た名作(個人的にピンとこなかったもの)を再見する特集

初見のときは、とにかく映画好きの必修科目だと意気込んで観て、何も響かなくてなんで響かなかったのかもよくわからなかったが、今回再見して気づいた
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グリーン・デスティニー(2000年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

昔観た名作(個人的にピンとこなかったもの)を再見する特集

今回観て感じたのは、これは力を持つということに対する責任について問うた作品なのではないかということ。

リームーバイと碧眼狐は、力を持つこと
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鬼が来た!(2000年製作の映画)

4.8

胸が張り裂けそうで苦しくて泣きたいのに涙が一滴も出てこない。人間は、本質的に救いようがないという事実にまたもやぶちのめされるだけ。
毛沢東をこよなく敬愛し共産主義に傾倒する姜文が靖国神社に何度も足を運
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ロンドンゾンビ紀行(2012年製作の映画)

3.4

なんの前情報もなく適当にノリだけで観てみた。頭を空っぽにしたいときにうってつけ!闘う爺さん婆さんが出てくる映画は嫌いになれないし、唐突にSuedeを流してくるのは、ちょっとテンションあがる。

HERO(2002年製作の映画)

3.2

嫌いな映画だったけど、改めて観ると意外にもいいところもあるように思えた。

自分がこの映画を嫌う理由がいくつかあって…それは台詞の弱さだったり、単純すぎて些か幼稚にも感じる内容だったり、そして、美感に
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さらば、わが愛 覇王別姫(1993年製作の映画)

4.0

約10年ぶりの再見。今回は恋人が観るというので、隣でながら見程度に見直してみるかー、って思ってたが、気づいたら最初から最後までしっかりと観てた。
初見当時は過大評価だという印象だったけれど、今回観て思
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ビートルジュース ビートルジュース(2024年製作の映画)

4.4

学生の頃に前作を観て内容うろ覚えだし、ティムバートンがティムバートンしてるなぁってくらいの感想しかなかったけど、いまの世の中でティムバートンがちゃんとティムバートンしてることになんだかとても胸が熱くな>>続きを読む

ドッグヴィル(2003年製作の映画)

4.2

鬱映画の代表格として名高く長年敬遠していたけど、いざ観てみたら思ったような、精神的にクる作品ではなく、シンプルに人間なんて所詮こんなもんじゃんねって再認識させるだけだった。
人間は確かにどうしようもな
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マッドマックス:フュリオサ(2024年製作の映画)

3.7

フューリーロードの偉大さを思い知らさせるという点でこの映画も貢献度が高いのかもしれない。前作はとにかくアクションに全振りしているから物語は非常にわかり易くて簡易的だったが、しかし各人物の描写が血肉通っ>>続きを読む

メランコリア(2011年製作の映画)

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自分のメンタル状態に対して毒を持って毒を制することができるかなと思って今更ながらに観たけれど、not for meでした。と同時に自分はある精神状態について興味があるわけではなく、それに至るまでの精神>>続きを読む

インタビュアー(1978年製作の映画)

2.0

ジョージア映画祭④

女性のいろんな声を汲み取ったフェミニズム映画をつくろうとする心意気は純粋に素晴らしいと思うけど、とにかくいろいろ雑すぎて勿体無い。特に音楽の挿入の仕方が、どうした?って聞きたくな
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昼は夜より長い(1983年製作の映画)

3.8

ジョージア映画祭③

あるひとりの女性の一生を通してソ連に組み入れられる前後のジョージア若しくは監督自身のジョージアという国に対するアイデンティティについて描きたいのかなって思った。

表面的にはかな
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青い山/本当らしくない本当の話(1984年製作の映画)

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ジョージア映画祭2024 ②

エルダル・シェンゲラヤ監督はまだ2本目だが、自分とこの監督は波長が合わないと確信した。『奇人たち』でなんとなく感じた間の取り方の下手さ加減が全開している。普通に開始5分
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奇人たち(1973年製作の映画)

3.4

ジョージア映画祭2024 ①

笑える場面もあるけど、普通に間の取り方が下手だなと思ってしまった…地下牢での応酬を延々と繰り返すところとか空飛ぶマシンを作るくだりとか…動きとして面白くないのか魅せ方が
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カビリアの夜(1957年製作の映画)

4.4

とても良かった。マイフェリーニベストかも知れない。長い間見たいなあと漠然と思っていたけど、今見て良かった。きっと今だからこそ沁みた。自分は、まだまだ30手前で大して世間を知っているわけでもないぺえぺえ>>続きを読む