ゆうさくさんの映画レビュー・感想・評価

ゆうさく

ゆうさく

アリゾナのバロン(1950年製作の映画)

4.0

これまた超絶面白いフラー初期作

特に前半の文章偽造サスペンスがめちゃくちゃ素晴らしい。書き換えのプロセスを手際良く見せつつ実際には何年もの歳月を費やしている執念もサラリと描いてみせる。
あの鎖に繋が
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午前2時の勇気(1945年製作の映画)

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冒頭の標識のカットがカッコ良い。あと後半に出てくる銃口のドアップ。

スクリューボール的キャラクター像でノワールをやるってのがこの作品のポイントだろうか。最後の最後に明かされる真相がその一個前に明かさ
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地獄への挑戦(1949年製作の映画)

4.0

自分を揶揄する曲を歌わせそして聴くところ、映画史に残る激気まずシーンすぎてツラい!
歌って怒らせても歌わず怒らせても殺されるかもしれない吟遊詩人の緊張感やばい。

酒場での喧嘩シーンはまさにフラー印な
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この動画は再生できません THE MOVIE(2024年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

この世で一番面白い

"怖い被写体に対するカメラの距離"が適切なのでしっかりショット単位で怖がることができるホラーになっている。
脳汁系伏線回収エンタメとしての脚本が完璧な上に撮らなくてはいけない画面
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騎兵隊(1959年製作の映画)

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ほとんどキスシーンな最終盤のバンダナを外すシーンの美しさたるや!
その後の橋の爆破の迫力と物悲しさ!
素晴らしいショットに満ちているが、一番印象的なのは自分語りをした後グラスを思い切り割るジョンウェイ
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身代金(1996年製作の映画)

4.0

ハリウッド的身代金サスペンスを予想していると意外なところへ連れてかれる変な映画だった…!

身代金を懸賞金にしてしまう判断は主人公のワンマン社長っぷりを感じさせる。また、ここまで物語の起爆剤になるよう
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心のともしび(1954年製作の映画)

4.5

強烈な作品
植木鉢落下あたりの影の黒さが凄い。カラー映画でここまで黒い影を見るのは初めてだ。
「ショックプルーフ」で人が飛び降り自殺する凄いショットがあるけど、今作で植木鉢が落下する瞬間は同等かそれ以
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ショックプルーフ(1949年製作の映画)

4.0

面白い!
オープニングの流麗すぎるショットの連なりに惚れ惚れする。映画すぎる画面の連鎖。リッチに時間を使って作品世界に入っていくような感覚が素晴らしい。
忘れられないのはやはり発砲までの回想が明かされ
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脱獄の掟(1948年製作の映画)

5.0

人生すぎる…弩級の傑作

目を見張る瞬間しかないとてつもない映画。冒頭の2人のヒロインとの面会場面から切り返しの正確さと瞳の煌めきに一気に引き込まれる。

脱獄シーンの手際の良さも凄い。主人公が車に乗
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At the Altar(原題)(1909年製作の映画)

4.0

冒頭のやけに長い固定ショットの中での主人公の「埋もれっぷり」が素晴らしい。モブが異様に蠢くのと、構図と人物の配置がフラットなのでパッと見は主人公に視線が向いていかない。しかし、長回しの中で段々と女性に>>続きを読む

僕の彼女はどこ?(1952年製作の映画)

4.0

終盤のクリスマスパーティでの人物の動かし方スゲ〜!めっちゃ画面をワチャクチャさせて最後には最も幼い者と老いた者とのダンスに帰着するの幸せ過ぎる。
そして雪景色に繋いでいくことで感じられる晴れやかな心地
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変態家族 兄貴の嫁さん(1984年製作の映画)

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面白かった
一枚絵としての小津パロディよりも繋ぎの面白さが前に出てて良かった。視線によって時空間が歪み強引にショットとショットが接続されてしまう感覚が素晴らしい
そして何より野外ロケのシーンがずっと天
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ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い(2024年製作の映画)

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セルアニメでバタ臭い芝居組み立てられると一気に陳腐な絵面になる不思議。
深夜アニメ的な演技でもハリウッド的な演技でもない謎の味わい。

死ぬほど行き当たりバッタリな話運びがめちゃくちゃ面白い。大資本で
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陪審員2番(2024年製作の映画)

5.0

この世で一番面白い
映画なら画と音と役者を使ってこのくらいまでウソをついて良いというのを極め切っている…流石すぎる…
唯一事件現場を目撃した爺さんを検察官が尋ねる際の照明がえげつない。映画すぎる…

風車小屋のシンフォニー/丘の風車(1937年製作の映画)

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風と雷の描写がガチ
高速モンタージュからの落雷の瞬間のかっこよさよ
絵がうめぇ

人魚の踊り(1938年製作の映画)

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人魚のデザインが"ガチ“の人がしたとしか思えない異様な性的さ。ケツが見える必要はあるのかと問い詰めたい

魔法使いの森(1932年製作の映画)

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ドロドロと粘液を落としながら歩く魔女の姿が完全に巨神兵のそれである
蠢く子供達の姿が不気味

ミッキーのオリンピック(1932年製作の映画)

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出崎統の「ハムハムグランプリン」の原典かもしれない。
妨害に次ぐ妨害で運動を生み出し、最後には妨害が勝利への起点となる。
横スクロールアクションが楽しく、そこに不意に挿入される奥行きのあるアクションも
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The Curtain Pole(原題)(1909年製作の映画)

4.5

死ぬほど面白い
馬車を追いかける群衆の動きが完全に宮崎駿作品のモブのそれ
画面手前に次なる笑い(=破壊)の予感を配置し、画面奥からやってくる馬車によってそれを回収していく。奥行きを活かしたショットの構
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Money Mad(原題)(1908年製作の映画)

4.0

素晴らしいノワール劇
追いかける者、追いかけられる者と一つの画面に二つの運動が敷かれ、あの殺害シーンでそれは交差する。その瞬間の速さが凄い!
そして終盤の観客だけに提示される次なる危機の予感。お手本の
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ミッキーのバイオリニスト(1930年製作の映画)

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表情の付け方が日本のアニメのそれに似ている。というかこの作品等を見本にしていって日本独自のアニメが形作られていったんだろうな、と感じた

ロレンゾ(2004年製作の映画)

4.5

全ショットカッコ良すぎてビビる
めちゃくちゃ攻めたライティングと色使いが素晴らしい
この暗さを纏った感じこそがディズニーのアニメの魅力

ミッキーマウスのワンダフルワールド:蒸気船シリー(2023年製作の映画)

4.0

往年のディズニー映画の、というかカートゥーンの持つ暴力性に徹底的に言及していく内容がアツい。
増殖したミッキーマウスの姿にやはりネズミ以外の何者でもないということを思い知らされる。
ミッキーマウスによ
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ひな鳥の冒険(2016年製作の映画)

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瞳以外はフォトリアルなCGモデルの可愛いだけじゃない生物の生感が感じられるデザインがこの作品にマッチしていた