【デカい音から耳を守る】オーディオ担当がライブ後の耳鳴り対策に使った「ライブ用耳栓」が超快適だったのでみんなによさを伝えたい
ライブの大音量から耳を守ってくれるライブ用耳栓。耳に負担の大きい帯域を減衰して、音はクリアに聴こえるという素晴らしい商品です。
音楽大好きな筆者が、会社の音響担当なのにライブ後の耳鳴りが治りにくくなり大変なことに!でもライブ用耳栓を導入したら耳鳴りが軽減!?
市場に意外と多く存在するライブ用耳栓をかき集め、音の違いや傾向を検証!200万円するダミーヘッドマイクも堂々登場!ライブのあとの耳鳴りにお悩みのあなたに届けたいお役立ちコンテンツです。
![原豪士(Goshi Hara)](http://222.178.203.72:19005/whst/63/=Zrrdsrzlx-adrszbnl//_next/static/media/loading-rectangle.dbd06764.png)
オーディオ専門店「e☆イヤホン」の販売員として3年間勤務。オーダーメイドや高級機種なども含め、これまでに試聴したイヤホン・ヘッドホンは、のべ500種類を超える。また、音楽や環境に合わせて11種類のイヤホン・ヘッドホンを使い分けるほど、音には並々ならぬ情熱を持っている。 その後、2023年にmybestへ入社し、豊富な知識を活かしてオーディオ機器のガイドを担当。「顧客のニーズを真摯に考えて、オーディオ機器を提案する」をモットーに、ユーザーに寄り添った企画・コンテンツ制作を日々行っている。
こんにちは
みなさんこんにちは。原です。お台場から失礼します。あっ巨大ロボットのほうではなく、手前の猫背人間です。
商品比較サービス「マイベスト」でオーディオ関連のコンテンツを担当しています。もともとはオーディオ専門店で働いていて、イヤホンやヘッドホンの販売に携わっていました。
学生時代に「スクールオブロック」というラジオにはまり、しっかり音楽を聴くようになりました。高校のころギターを始めて、同じ時期に3万ぐらいのヘッドホンを買ってオーディオにもハマるように。当時は音楽について話せる友達も少なく、リアルぼっちちゃんでした。なんだかんだで仕事にできてるよ、よかったね、当時の俺。
ぼっちちゃん…「ぼっち・ざ・ろっく!」の主人公、後藤ひとりのこと。作品を見れば意味がわかるのでまだ見ていない人は必ず見ると僕と約束してください。
というわけで、音楽を聴くのも弾くのも見に行くのも大好き。それなりにオーディオの知識はあるほうです。よろしくお願いします。
オーディオ担当なのに耳が悪くなってしまった!
冒頭でも話したように、音楽が好きなんです私。
好きなバンドのライブに高校生の頃ぐらいから行くようになり、大音量で音楽を浴びるのにどんどんハマっていきました。ライブの雰囲気も好きだし、大学の頃にはライブハウスで演奏する側にもなり、どっぷりと音楽の虜に。
そんなこんなで社会人になり、20代の半ばもすぎた夏。下北沢のライヴハウスにライブを見に行ったときに事件は起こりました。(画像はそのときの様子。まだ元気。横の人は仲のよい先輩です。)
なかなかに激しいライブを結構狭いライブハウスで大音量で体験した結果、普段は治る耳鳴りが止まなくなってしまいました。耳が詰まったような閉塞感も治らず、イヤホンをしていないのに周りの音が聞こえづらく、話し相手が喋っていることばも聞き取りにくい状態でした。
さすがにやばい!と思い、耳鼻科に行って聴力検査をしてみると、人間が最も聞き取りやすいといわれる2000-4000Hzの帯域が聞こえにくくなっていました。診断は「騒音性難聴」。最近ではヘッドホン難聴とも呼ばれ、耳のキャパシティを超える音を聴き続けると発症し、大音量により耳の器官が傷ついた結果、難聴になってしまう症状です。
今まで耳を商売道具にやってきたのに、こんなタイミングで難聴になるなんて…とかなり絶望。そこからしばらくは音楽を聴くことをやめ、人の多い場所を避け、薬を飲む生活に。
猫に悩みを聞いてもらったりもしました。心なしか嬉しそう。
最終的に服薬でなんとか元の聴力まで回復。治ってよかった…!と思うと同時に、もうライブに行けないのでは?と悲しくもなりました。
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ライブ用耳栓だ!!!
そんなこんなで1年経ち、耳鳴りのことをすっかり忘れていた私は、ライブでまたやらかして聴力が落ちるハメに。薬でなんとかなったのですが、いよいよどうにかしたいと思った私は、さすがに音がでかいであろうZAZENBOYSとGEZANの対バンに向けてライブ用耳栓を導入。一般的な耳栓と違い、フィルターがついていて音量を減らしつつも楽器やボーカルの声をクリアに楽しめるという代物。すげ〜。
耳への負担を減らしつつ、ライブを楽しめてしまうのです。そんなことある?
使ってみた
ということで、日本でも有数のイヤモニメーカー、FitEarのライブ用耳栓を導入。
結果めちゃくちゃよく、しっかり聴こえつつライブ後の耳鳴りもないことに感動。
使ってみた感想は以下のとおりです。
- 耳に刺さるようなスピーカーの音がかなりマイルドに
- 迫力はどうしても減るが、音はまあまあクリア
- ボーカル:ライブだと中高域が尖りがちに聴こえるが、音がマイルドになって聴きやすかった
- 楽器:ドラムのハイハットやギターなど耳に刺さる楽器がだいぶマイルドに。一方で細かいニュアンスは聞こえなくなる
- 低音:結構普通に楽しめる
- 迫力は減る。たまに外して音楽を楽しむのもアリ
- ライブ後の耳鳴りや負担感がほぼほぼない
ライブ用耳栓を使うだけで、ここまで耳への負担を減らせるのか!と感動すると同時に、この凄さを誰かに伝えたくてしかたない気持ちになりました。伝えたい!
俺のこのキモチを…。
ライブ用耳栓を集めて実際に音を聞いてみよう!
ということで、流通しているライブ用耳栓を片っ端から集めて実際にどんな感じで音が聴こえるのかを確かめていきます。ライブ用耳栓には種類が結構あり、それぞれ音の特徴が若干違うのです。
今回検証していく商品は以下のとおり。
- FitEar|イヤープラグ
- Thunderplugs|サンダープラグス
- Loop|Experience 2
- CRESCENDO|Music
- Quietide|Q6(ブラック&ブルー)
- Moldex|Meteors(スモール、NRR28dB)
NRRとは遮音性能を表し、数値が大きいほど高い遮音性を有します。
検証①:ライブを体験してみよう
ライブ用耳栓の性能を確かめるため、弊社にある防音室にサウンドバーとテレビを設置してライブ映像を流します。
流す映像は以下のとおり。
- NUMBER GIRL|無情の日
検証の名の下、ナンバガを大音量で聴いていきます。なんていい会社なんだ。
ライブの環境を再現するために90-100dBを目安にサウンドバーの音量を設定。テレビ単体では出せない音量なうえ、電車が通るときのガード下と同じレベルの騒音なので実際マジでうるさいです。防音室とはいえ外に結構漏れるので、検証は早朝に行っています。うるさくてごめんなさい。
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100dBでライブ映像を再生するとライブハウスの音圧にぶっ飛ばされる感じが味わえました。ただ確実にご近所トラブルで一発退場になるので絶対にやめましょう。
検証ハイライト
うおおお!!!!
しゃあああああ!!!!!
楽しそう。よかったね。
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検証②:どんな感じで音が聴こえるかを録音してみよう
次に、ダミーヘッドマイクにライブ用耳栓を取り付けて、どんな感じで音が聞こえるのかを計測します。みなさんに音を共有したいのですが、流石にNUMBER GIRLの楽曲を使うわけにはいかないので、自分で曲も作ろうと思います。
ギターやベースを弾いて、ドラムを打ち込みます。
ということで、曲ができました。こちらからどうぞ。
こうしてできた曲を、ダミーヘッドマイクにライブ用耳栓をつけて聴かせていきます。心なしかダミーヘッドマイクも嬉しそうです。
検証結果!!!
遮音性と音のクリアさの軸に沿って、検証結果をまとめました。原の顔がついている商品が原のお気に入りです。
遮音性と音のクリアさを重視するなら、原自身も持っているFitEarのイヤープラグがとくにおすすめ。バランスのとれたサウンドで、ライブのダイナミックなサウンドを損ねず適度に遮音してくれました。
もっとクリアに聴きたい!という人はLoopのExperience2がおすすめ。遮音性は少し落ちますが、ハッキリとしたまとまりのあるサウンドがしっかり楽しめます。
もう少し遮音性がほしい人はQuietideのQ6がおすすめ。ライブらしい迫力は損なわれますが、かなりまとまったサウンドになります。
詳細はこんな感じ。独断と偏見で評価をつけました。
商品によって聴こえ方がけっこう変わるので、ライブの規模やそのときの体調に合わせて使いわけるとよいかなと!迫力とかライブ感はそりゃ耳だけが一番ですが、耳にはあまりよくないので気をつけましょう。
ダミーヘッドマイクで録音したそれぞれの耳栓の音は、以下から確認できるのでぜひ聴いてみてください!
※あくまでダミーヘッドマイクで録音した音なので、実際の音の聴こえ方とは異なります。
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個人的には、実際のライブでも導入したFitEarのイヤープラグがおすすめ。遮音性と音のクリアさのバランスがよいうえ、ストッパーを着用すると遮音性を上げられるのがメリット。首にかけられるので、ライブ中でもなくすリスクを減らせます。
これ買います!!!
検証した結果、自分の持っているFitEarのイヤープラグが結果的によくてけっこう嬉しかったのですが、LoopのExperience2もなかなかいい感じだったので買おうと思います。
遮音性はそこまで高くないのですがなにより音がクリア!ダミヘで録音した音は若干割れてましたが、実際使ってみると高音の勢いが落ちていないのに耳に刺さりにくい聴こえ方で、とてもいい感じでした。付属のイヤーピースが複数個あって、フィット感を調節できるものよいですね。
耳につけるとこんな感じ。見た目がおしゃれなので、「耳栓つけてますよ感」が苦手な人にもおすすめ。カラバリが結構あるのもうれしいポイントです。
遮音性がそこまで高くない分周りの音は割と聞こえるので、周りの音を把握したいけど集中したい!というときに、普通の耳栓としても使える便利アイテムでした。
まとめ
大音量のライブから耳を守ってくれるライブ用耳栓。どれも同じでは?と思いきや、実際に使ってみると商品によって聴こえ方に差があったのが意外でした。聴こえ方の好みに合わせて商品を選んでみてくださいね。
100dBを超える大音量を1時間以上聴き続けるライブに参加すると、そりゃそうですが耳にめちゃくちゃ負担がかかります。WHOでは、80dBで1週間あたり40時間以上、98dBで1週間あたり75分以上聴き続けると、難聴の危険があるとしています(参照:World Health Organization)。
ライブ後の耳鳴りが治りにくかったり、耳の閉塞感が続く人は導入を検討するのもよいと思います!これからも好きなアーティストのライブを楽しむために…。
ちなみに、普段の原はマイベストで検証コンテンツを制作しています。原が関わったコンテンツは以下のリンクから。ノイキャン機能つきのイヤホンやヘッドホンを選べば騒音下でも小さな音量で音楽が楽しめます!耳への負担を減らしたい人はぜひ。ほかにもアーティストのイヤモニをよだれを垂らしながら解析したり、アメリカのデカいサウンドバーをおすすめしてるコンテンツもあります。
おっと、開場の時間が迫ってきたのでこの辺で失礼します。それではまた。
※ライブ用耳栓の効果には個人差があります。必ずしも耳鳴りが解消するわけではありません。
(執筆/マイべマガジン編集部・原豪士)
【関連キーワード】
#ライブ用耳栓 #ライブ #騒音性難聴