AppleデバイスをMicrosoft Exchangeと統合する
iPhone、iPad、Mac、およびApple Vision ProデバイスをMicrosoft Exchangeと統合することで、組織はExchange機能を利用できるようにユーザのデバイスを素早く自動的に構成できます。Exchangeペイロードを構成プロファイルに追加するためにモバイルデバイス管理(MDM)ソリューションを構成する前に、Appleが対応するExchageのバージョンを確認してください。
Exchangeの要件
iOS、iPadOS、およびvisionOS 1.1は、以下のバージョンのMicrosoft Exchangeに対応しています:
Exchange Online(EAS 16.1)
Exchange Online(EAS 16)
Exchange Online(EAS 14.1)
Exchange Server 2019
Exchange Server 2016
macOSの「メール」と「カレンダー」は以下のバージョンのMicrosoft Exchangeに対応しています:
Exchange Online
Exchange Server 2019
Exchange Server 2016
Exchangeアカウントに対する先進認証のサポート
iOS 11、iPadOS 13.1、macOS 10.14、およびvisionOS 1.1以降は、ExchangeマイクロテナントのMicrosoft先進認証ワークフローに対応しています。OAuthは先進認証が有効になっているOffice 365アカウントで使用できます。iOS 12、iPadOS 13.1、macOS 10.14以降では、手動または構成プロファイルを使って構成することもできます。
iOS 14、iPadOS 14、visionOS 1.1以降では、Microsoftクラウドベースサービス(Office365やoutlook.comなど)に構成されたExchangeアカウントが、MicrosoftのOAuth 2.0認証サービスを使用できるように自動的にアップグレードされます。
詳しくは、Microsoftサポートの記事「OfficeクライアントでOffice 365先進認証を使用する」および「Exchange Onlineで先進認証を有効または無効にする」を参照してください。
カレンダー
iOS、iPadOS、およびvisionOS 1.1用のExchange ActiveSync(EAS)とmacOS用のExchange Web Services(EWS)は、Exchangeの以下の機能に対応しています:
ワイヤレスでカレンダーの出席依頼を作成および承諾する
招待されたメンバーのカレンダーの空き状況を確認する
個人的なカレンダーイベントを作成する
カスタムの繰り返しイベントを構成する
週番号を表示する(1年の52週のうちの何番目の週か)
カレンダーのアップデートを受け取る
リマインダーアプリのタスクを最新の状態に保つ
カレンダーの添付ファイルおよび構造化位置情報のサポート
カレンダーの委任(macOS)
iPhone、iPad、およびApple Vision Proの「カレンダー」で、Exchange(2010以降)のイベント参加依頼を転送したり、イベントの受信者が別の時刻や場所を提案したりできるようになりました。また、位置とイベント参加者に基づいた、スマートロケーションとユーザへの提案もサポートされるようになりました。
Microsoft Exchange自動検出サービス
iOS、iPadOS、macOS、およびvisionOS 1.1は、Exchangeの自動検出サービスに対応しています。ユーザがAppleデバイスを手動で構成するときは、自動検出によって、そのユーザのメールアドレスとパスワードに基づいて正しいExchangeサーバ情報が判別されます。詳しくは、MicrosoftのドキュメントのWebサイトの「Exchange Serverの自動検出サービス」を参照してください。
リモートワイプ
Exchangeは、iPhone、iPad、またはApple Vision Proのコンテンツをリモートでワイプする機能を提供しています。すべてのユーザデータは削除され、デバイスが工場出荷時の設定に復元されます。これは、デバイスを他者に譲ったり修理に出したりする前に、デバイスから個人情報をすべて削除するための最善の方法です。
デバイス全体をワイプするのではなく、特定のアカウントとそのExchangeデータのみを削除できます。これは、アクティブなアカウントとアクティブでないアカウントの両方に対して、Exchangeから実行できます。
詳しくは、Appleデバイスを消去するを参照してください。
Microsoft Exchange ActiveSyncと「メール」
「メール」で、特定の述語(日付、送信者、件名)を含むExchangeアカウントを検索できます。EASバージョン16.1によって検索結果の精度が向上しています。
Exchangeの下書きフォルダを同期できます(EAS 16またはOffice 365以降)。また、「メール」のフィルタでスマートメールボックスとフラグ付きコンテンツを検索できます。プッシュメールもサポートされます。
重要: iOS 14、iPadOS 14、visionOS 1.1以降では、Microsoft Entra IDの管理者がApple Internet Accounts(以前の名称はiOS Accounts)を有効にしていない場合、構成には管理者の承認が必要であるというメッセージがユーザに表示されます。
iPhone、iPad、およびApple Vision Proのダイレクトプッシュ
モバイル通信またはWi-Fiデータ接続が利用できる場合、Microsoft Exchange Serverはダイレクトプッシュ機能を使用して、メール、タスク、連絡先、カレンダーのイベントをデバイスに自動配信します。
iPhone、iPad、およびApple Vision ProのExchange Onlineグローバルアドレス一覧
Appleデバイスは、「連絡先」を検索するとき、および入力中のメールアドレスを補完するとき、組織のExchange Serverのグローバルアドレス一覧(GAL)から連絡先情報を取得します。これには、S/MIMEの受信者の証明書(GALにある場合)が含まれます。GAL写真にはExchange Server 2010 SP 1以降が必要です。
iPhone、iPad、およびApple Vision Proの不在時の自動応答メッセージ
不在時の自動応答メッセージを設定し、応答の終了日を設定できます。