Appleデバイスのプライベート5GおよびLTEネットワーク対応
iOS 17とiPadOS 17以降は、以下の無線アクセステクノロジーを使用してプライベートなデータ専用モバイルデータ通信ネットワークに対応します:
LTE
5Gの非スタンドアローン(NSA)
5Gのスタンドアローン(SA)
プライベートモバイルデータ通信ネットワークに接続する
iPhoneまたはiPadをプライベートモバイルデータ通信ネットワークに接続するには、具体的にそのネットワーク用にプロビジョニングされているeSIMまたは物理SIMを使用する必要があります。SIMとプライベートモバイルデータ通信ネットワークでは、どちらもプライベートネットワークで使用するように指定された対応するモバイル国コード(MCC)およびモバイルネットワークコード(MNC)を使用する必要があります。
iOS 18およびiPadOS 18以降では、iPhoneまたはiPadは複数のプライベートモバイルデータ通信ネットワークペイロードに対応するように構成でき、最大5つのプライベート5GまたはLTEネットワークを構成できますが、一度に1つのプライベートモバイルデータ通信ネットワークにしか接続できません。
プライベートネットワークID
iOS 17およびiPadOS 17以降は、プライベートモバイルデータ通信ネットワークのモバイル国コード999、国際電気通信連合(ITU)標準に対応しています。すべてのモバイルネットワークコードはモバイル国コード999のプライベートネットワークに対応しています。プライベートモバイルデータ通信ネットワークには世界中で次のネットワークIDが対応しています:
モバイル国コード999: 例えば、999-01または999-123など
国によっては、プライベートネットワークIDの割り当ては国家機関によって管理されています。例えば、プライベートモバイルデータ通信ネットワークには次の規制ネットワークIDが対応しています:
ドイツ: 262-98
ノルウェー: 242-71、242-72、242-73、242-74、242-75
ポルトガル: 268-92
スウェーデン: 240-65、240-66
アメリカ合衆国: 315-010(Citizens Broadband Radio Service-CBRS)
プライベートネットワークとのデバイスの互換性
iPhoneまたはモバイルデータ通信のiPadからプライベート5GまたはLTEネットワークへの接続では、デバイスが使用されている国の規制当局によって承認された対応する周波数帯を使用します。互換性は、iPhoneとiPadのモデル、およびデバイスが販売されている国や地域によって異なります。
モデル | 全世界のMCC 999および国固有の規制機関によるPLMN LTEおよび5G NSA | 全世界のMCC 999および国固有の規制機関によるPLMN 5G SA | 米国のCBRS 315-010 LTE | 米国のCBRS 315-010 5G SA | |||||||
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すべてのモデルのiPhone 16 すべてのモデルのiPhone 15 すべてのモデルのiPhone 14 すべてのモデルのiPhone 13 iPhone SE(第3世代) | |||||||||||
13インチおよび11インチiPad Pro(M4)モデル 13インチおよび11インチiPad Air(M2)モデル iPad Pro(12.9インチ)(第6世代) iPad Pro(11インチ)(第4世代) iPad Air(第5世代) iPad mini(第6世代)以降 iPad(第10世代) | |||||||||||
すべてのモデルのiPhone 12 iPad Pro(12.9インチ)(第5世代) iPad Pro(11インチ)(第3世代) |
MDMとプライベートモバイルデータ通信ネットワーク
組織のプライベート5GおよびLTEネットワークの一部のデバイス設定は、MDMソリューションまたはプライベートモバイルデータ通信ネットワークペイロードが含まれた構成プロファイルを使用して構成できます。管理する前にeSIMのインストールまたは物理SIMの取り付けを行う必要があります。
複数のプライベートモバイルデータ通信ネットワーク: iOS 18およびiPadOS 18では、複数のプライベートモバイルデータ通信ネットワークペイロードが対応することで、最大5つのプライベート5GまたはLTEネットワークを構成できます。ネットワークごとにジオフェンスを定義することで、ユーザがプライベートネットワークの通信範囲に出入りするときに、適切なSIMのオン/オフを自動的に切り替えることができます。
SIMを特定のモバイルデータ通信ネットワークに関連付けるには、各ネットワークがSIMおよびプライベートモバイルデータ通信ネットワークペイロードで一意に識別される必要があります。プライベートモバイルデータ通信ネットワークペイロードでネットワークタイプに適したキーを使用します:
5Gのスタンドアローンネットワーク: 3GPP 23.501 § 5.30.2に定義されているオプション1またはオプション2のNID(Coordinated Network Identifier)の値に従ってフォーマットされた
NetworkIdentifier
キーを使用します。このNIDの値は、3GPP仕様に従って40ビットの値を表す10桁の16進値で構成されます。例を示します:<key>NetworkIdentifier</key>
<string>AB9876543C</string>
5Gの非スタンドアローンおよびLTEネットワーク: 3GPP 23.003 §4.7のCSG-ID(Closed Subscriber Group Identity)の定義に従ってフォーマットされた
CsgNetworkIdentifier
キーを使用します。この値は、3GPP仕様に従って27ビットの値を表す8桁の16進値で構成されます。例を示します:<key>CsgNetworkIdentifier</key>
<string>000005DF</string>
これらの識別子は、SIMおよびプライベートモバイルデータ通信ネットワークペイロードからの読み出し専用であり、デバイス上の照合のためだけに使用されます。NID(ネットワークID)とCSG(Closed Subscriber Group Identity)のそれぞれの組み合わせは、同じデバイスにインストールされているすべての構成ペイロードとSIMで一意である必要があります。
5Gのスタンドアローンネットワーク: 5G SAはデフォルトではオフになっており、「設定」>「モバイルデータ通信」で手動でオンにできます。さらに、組織ではモバイルデータ通信ネットワークペイロードで新しい
EnableNRStandalone
キーを使用できます。ジオフェンスのアクティベーション: プライベートネットワークeSIMまたは物理SIMは、
GeofenceId
、Latitude
、Longitude
、およびRadius
の各キーが含まれている新しいGeofences
ディクショナリを使用して、ジオフェンスによって定義されているモバイルデータ通信ネットワークの通信範囲に入ったときに自動的にオンにすることができます。iPhoneでは、1つ以上のジオフェンスを作成することで、ユーザがプライベートネットワークの通信範囲に出入りするときに、プライベートネットワークのSIMと通信事業者のSIMの組み合わせをシームレスに切り替えることができます。プライベートネットワークのSIMは、ユーザがジオフェンスに入ると有効になり、ユーザがジオフェンスから出てプライベートネットワークの通信範囲から離れると、自動的に無効になります。ジオフェンスに出入りするときは、SIMの切り替えに数分かかります。プライベートネットワークのSIM、通信事業者のSIMのどちらも、ジオフェンスのあるプライベートモバイルデータ通信ネットワークを割り当てる前に取り付けておく必要があります。
プライベートモバイルデータ通信ネットワークペイロードでは、それぞれの半径が100メートルから6.5キロメートルまでで最大1000個のジオフェンスを定義できます。半径は、プライベートモバイルデータ通信ネットワークの通信範囲よりやや大きく設定する必要があります。
通信事業者のSIMと1つ以上のプライベートネットワークのSIMでiPhoneのデュアルSIMを使用するときは、「モバイルデータ通信の切替を許可」が常にオンになります。これにより、ジオフェンスから出るときにiPhoneがモバイルデータ通信へのアクセスを失うことがなくなります。
Wi-Fiよりモバイルデータ通信を優先する: プライベート5GおよびLTEネットワークを使用する組織では、
CellularDataPreferred
キーを使用して、モバイルデータ通信とWi-Fiの両方が利用できる場合にWi-Fiを優先して使用することを選択できます。この設定を使用すると、AirDropやAirPlayなどのサービスに引き続きWi-Fiを許可しながら、対応するデバイスでプライベートデータ通信ネットワークが優先されるように設定できます。
eSIMをインストールする
eSIMは次の方法でインフラストラクチャベンダーのeSIMサーバ(SM-DP+)からダウンロードしてインストールできます:
手動入力
QRコード
モバイルデバイス管理(MDM)
eSIMユニバーサルリンク
詳しくは、「Apple Developer Webサイト: iOS 17.5およびiPadOS 17.5リリースノート」を参照してください。
モバイルデータ通信ネットワークの構成
このセクションでは、インフラストラクチャベンダーがプライベート5GまたはLTEネットワークを導入してiPhoneとの最適な互換性を確保するための推奨設定と構成に関するガイダンスを示します。
データ専用ネットワーク
iOS 17およびiPadOS 17以降は、データ専用のプライベートモバイルデータ通信ネットワークに対応しています。以下のデータ専用接続の方法が推奨されます:
5G SA: Registration Accept(REG-Accept)for Data(音声のアクティベーションなし)
5G NSAおよびLTE: Attach-Accept(EPSのみ)
iPhoneのデュアルSIMを使用すると、ユーザは組織のプライベートなデータ専用モバイルデータ通信ネットワークに接続したまま、公共通信事業者ネットワークを使用して通話やテキストメッセージの送受信を行うことができます。
ネットワークに名前を付ける
iPhoneとiPadでのネットワーク名の表示には、複数の方法が対応しています。以下の方法があります:
NITZ(Network Identity and Time Zone)
オペレータPLMNリスト(OPL)
PLMNネットワーク名(PNN)
サービスプロバイダ名(SPN)
ローミングと複数ネットワークの使用
iPhoneとモバイルデータ通信のiPadデバイスは、ITUのE.212ドキュメントに概説されているローミングのガイダンスに準拠するように設計されています。そのため、デバイスにプライベートネットワーク用のMCC 999を含むSIMがある場合、そのSIMは、パブリックのモバイルデータ通信ネットワークや国内のPLMNをブロードキャストするその他のプライベートネットワークにはローミングできません。
プライベートネットワークのSIMは、SIMのEHPLMN(Equivalent Home Public Land Mobile Network)リストを構成することで、複数のモバイルデータ通信ネットワーク上で使用できます。SIM上のEHPLMNファイルのリストにユーザの自宅ネットワークのPLMNと追加のPLMNが示されていることを確認してください。
iOS 18およびiPadOS 18は、同じデバイス上で最大5つのプライベート5GまたはLTEネットワークの構成に対応しています。ユーザがプライベートネットワークの通信範囲に出入りするときは、ジオフェンスを使用して適切なSIMのオン/オフを自動的に切り替える必要があります。複数のプライベートモバイルデータ通信ネットワークのジオフェンスがオーバーラップしている場合、システムは先着順に動作します。ジオフェンスがアクティベートされる最初のネットワークのSIMがオンになります。ネットワークがオーバーラップしている場合は、一方のSIMのアクティベーションを解除すると、もう一方のネットワークのSIMが自動的にアクティベートされます。
プライベートモバイルデータ通信ネットワークごとに、常に一意の識別子を使用してください。NetworkIdentifier
またはCsgNetworkIdentifierの値が同じSIMを複数使用すると、プライベートモバイルデータ通信ネットワークペイロードのアクティベーションができなくなります。また、既存のペイロードと同じ識別子のプライベートモバイルデータ通信ネットワークペイロードをインストールしようとしても、インストールはできません。
システム情報ブロック24
5G SAとLTEの両方を備えた混合ネットワークでは、システム情報ブロック24(SIB24)はLTEネットワークによってブロードキャストする必要があります。このブロードキャストメッセージにより、iPhoneやiPadが5G SAネットワークをスキャンするために必要なネットワーク情報を確実に受信することができます。
ワイヤレス設定を手動で変更する
ユーザは「設定」>「モバイルデータ通信」でプライベートネットワークSIMを手動で無効にすることができます。SIMは、手動で再度有効にするまで無効のままになります。
ユーザが手動でモバイルデータ通信用の公共通信事業者のSIMに切り替えた場合、デバイスは翌日の朝に自動的にプライベートネットワークのSIMに戻ります。
ユーザが手動でWi-Fi設定を変更した場合、Wi-Fi経由でプライベートモバイルデータ通信ネットワークを使用することを優先する機能は、翌日の朝まで無効になります。
通信事業者の音声サブスクリプションを使用する
iPhoneのデュアルSIMを使用すると、一方のSIMがプライベートなデータ専用モバイルデータ通信ネットワークに接続されているときに、もう一方のSIMを使用して公共通信事業者のネットワークで通話やテキストの送受信を行うことができます。Wi-Fi通話が使用可能な場合、Wi-Fiと通信事業者の公開ネットワークのどちらも使用できないときは、公共通信事業者のサブスクリプションを使用した通話とメッセージをプライベートモバイルデータ通信ネットワーク経由で行うことができます。
モバイルデータ通信経由のWi-Fi通話について詳しくは、「iPhoneユーザガイド」の「iPhoneでデュアルSIMを使用する」を参照してください。
5Gのスタンドアローンのセキュリティとプライバシーの要件
プライベート5G SAネットワーク上のiPhoneおよびモバイルデータ通信のiPadデバイスの互換性を確保するには、インフラストラクチャベンダーは次のセキュリティとプライバシーの要件に従う必要があります:
プライバシーの秘匿: SUCI(Subscription Concealed Identifier)では非Null保護スキームを使用する必要があります。これは、TCA 2.3.1および3.1仕様で説明されているように、SIM上のSUCI計算またはME SUCI計算のいずれかによって実現できます。詳しくは、3GPP技術仕様33.501を参照してください。
ユーザデータの機密性: ユーザデータを不正なアクセスから保護するため、Null暗号化には対応していません。
非アクセス層/無線リソース制御シグナリングの機密性と整合性: 不正なアクセスや傍受を防止し、送信中の不正な改ざんや変更が行われないようにします。
5Gのスタンドアローンは、以下のデバイスに対応しています:
モデル | 5Gのスタンドアローン: |
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すべてのモデルのiPhone 16 すべてのモデルのiPhone 15 すべてのモデルのiPhone 14 すべてのモデルのiPhone 13 iPhone SE(第3世代) | |
13インチおよび11インチiPad Pro(M4)モデル 13インチおよび11インチiPad Air(M2)モデル iPad Pro(12.9インチ)(第6世代) iPad Pro(11インチ)(第4世代) iPad Air(第5世代) iPad mini(第6世代) iPad(第10世代) | |
すべてのモデルのiPhone 12 iPad Pro(12.9インチ)(第5世代) iPad Pro(11インチ)(第3世代) |