Motionユーザガイド
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Motionでのトラッキングの高度な方法
以下の高度なテクニックを使うと、トラッキング結果が向上します。
「キーフレームエディタ」でトラックカーブをスムージングする
「キーフレームの間引き」機能を使って、トラックをスムージングできます。カーブをスムージングする前に、(バックアップとして)ビヘイビアを「ライブラリ」にコピーするか、プロジェクト内でビヘイビアを複製することをお勧めします。項目を「ライブラリ」に保存する方法については、Motionでカスタムオブジェクトを「ライブラリ」に保存するを参照してください。
次のグラフでは、すべてのフレームにキーフレームがあり、曲線がギザギザしています。以下の例では、この曲線を簡略化してスムーズにする方法を示します。
Motionの「キーフレームエディタ」のパラメータリストで、スムーズにしたいパラメータにポインタを合わせ、右側に下向き矢印が表示されたらそれをクリックして、「キーフレームを間引く」を選択します。
「キーフレームを間引く」ダイアログが表示されます。
「キーフレームを間引く」ダイアログで、パラメータのキーフレームに間引きアルゴリズムを適用し、カーブの形状をほぼ同じに保ったまま、キーフレームの数を減らします。
スライダを調整してカーブを滑らかにします:
エラーの許容度: 右にドラッグすると、カーブで使用されているキーフレーム数が減少します。
スムージング(フレーム数): 右にドラッグすると、キーフレーム間のカーブがより滑らかになります。
「スムージング(フレーム数)」コントロールは、各トラックポイントとその近隣のトラックポイントの平均値を計算して、カーブを修正します。つまり、「スムージング(フレーム数)」を5に設定すると、フレーム12の値は、フレーム10、11、12、13、14を対象にして計算されます。同様に、「スムージング(フレーム数)」を3に設定すると、フレーム11、12、13が計算の対象になります。「スムージング」の値を大きくすると、より多くのポイントがカーブ内のポイントごとに考慮され、より多くの計算が実行されます。
ダイアログのスライダを調整すると、それに合わせて「キーフレームエディタ」のカーブが変更されます。
「OK」をクリックします。
「平均化」パラメータビヘイビアをトラックカーブに適用する
「平均化」パラメータビヘイビアを「キーフレームエディタ」のトラックカーブに適用してスムージングするという方法もあります。このビヘイビアにより、あるキーフレーム値から別のキーフレーム値へのトランジションがスムーズになります。平均化された動きは、より流動的になります。
Motionの「キーフレームエディタ」のパラメータリストで、Controlキーを押したままキーフレームパラメータの名前をクリックして、ショートカットメニューから「平均化」を選択します。
トラックが平均化され、カーブが「キーフレームエディタ」で簡略化されます。
「平均化」パラメータビヘイビアの使いかたについて詳しくは、Motionの「平均化」ビヘイビアを参照してください。
モーショントラックをキーフレームに変換する
「マッチムーブ」ビヘイビア、「スタビライズ」ビヘイビア、または「スタビライズ解除」ビヘイビアによって記録または参照されたトラッキングデータを、変形されたオブジェクトのキーフレームに「変換」することができます。トラッキングキーフレームがトラッキングされたオブジェクトに適用され、ビヘイビアが削除されます。これにより、「キーフレームエディタ」でアニメーションカーブを変更できるようになります。
「動きを解析」ビヘイビアでイメージは変形されないため、解析されたトラックをキーフレームに変換することはできません。ただし、「動きを解析」ビヘイビアのデータを参照する「マッチムーブ」ビヘイビアや「スタビライズ」ビヘイビアはキーフレームに変換することができます。
Motionの「レイヤー」リストで、変換する「マッチムーブ」ビヘイビア、「スタビライズ」ビヘイビア、または「スタビライズ解除」ビヘイビアを選択します。
「オブジェクト」>「キーフレームに変換」と選択します(またはCommand+Kキーを押します)。
変換を確認するダイアログが表示されます。
「変換」をクリックします。
ビヘイビアが編集可能なキーフレームに変換され、トラッキングビヘイビアが削除されます。
Motionのビヘイビアをキーフレームに変換するおよびMotionのキーフレーミングの概要を参照してください。
先読みフレームを定義する
「動きを解析」ビヘイビアを使用すると、参照パターンの後方フレームにある目的の場所にトラックを導くことができます。このツールは、以下のようなタイプのクリップに適しています。
高速で移動する特性を含むクリップ
比較的直線状のベクトルで移動する対象物を含むクリップ(障害物の有無は問いません)
スウィッシュパンを含むクリップ(パン変更のたびに「先読み」トラックのリセットが必要となる場合があります)
重要:トラッキングに失敗してトラックを再配置する場合は、キャンバス内の先読みトラックをリセットして、新しい参照ポイントから新しいモーションベクトルを指定する必要もあります。
Motionで、クリップに「動きを解析」ビヘイビアを適用します。
キャンバスで、トラックを参照パターン上に配置します。
次のイメージでは、トラックがカヤックの前面にある参照パターン上に配置されています。
「ビヘイビア」インスペクタで、「先のフレームを見る」スライダを調整して、トラックが先読みするフレームの数を指定します。
注記:「先のフレームを見る」スライダの最大値のデフォルトは10フレームです。ただし、隣接する値スライダを使用して、さらに多くのフレーム数を入力することができます。
Commandキーを押したまま、キャンバス内のトラックを、参照パターンがクリップ内で移動している方向にドラッグします。
Commandキーを押したままトラックポイントをドラッグすると、「先のフレームを見る」パラメータで指定したフレームが拡大表示されます。
先読みトラックを参照パターン上に配置したら、マウスボタンを放します。
「解析」ボタンをクリックすると、新しい参照ポイントがトラッキングパターンとして使用されます。
注記:「先のフレームを見る」は、逆方向にトラッキングするときに使用できます。トラッキングビヘイビアのパラメータで「逆方向」チェックボックスを選択している場合、「先のフレームを見る」パラメータを使用すると、先のフレームではなく前のフレームを見ることになります。「逆方向」チェックボックスは、「動きを解析」、「トラック」(「パラメータ」ビヘイビアカテゴリ内)、「ポイントをトラック」(「シェイプ」ビヘイビアカテゴリ内)の各ビヘイビアでのみ使用可能です。
記録ボタンを使用してモーショントラックを手動で作成する
難易度の高いトラックの場合は、手動でトラック位置キーフレームを挿入して、参照パターンに対するトラックのガイドにすることができます。たとえば、強いモーションブラーのあるフッテージやトラッキングパターンを部分的に隠しているオブジェクトのあるフッテージがある場合、トラック位置キーフレームを手動で作成してトラックのガイドにすることができます。
Motionで、クリップに「モーショントラッキング」ビヘイビアを適用してから、Aキーを押してキーフレーム記録を有効にします。
キャンバスで、トラッキングしたい参照ポイントにトラックをドラッグします。
ビヘイビアにトラック位置キーフレームが作成されます(「キーフレームエディタ」に表示されます)。
キーフレームを設定したい次のフレームに移動します。
注記:Shift+→キーを押すと、10フレーム分前方にジャンプすることができます。また、Shift+←キーを押すと、10フレーム分後方にジャンプすることができます。
キャンバスで、トラッキングしたい参照ポイントにトラックを配置します。
トラッキングが完了するまで、手順3〜4を繰り返します。
「ビヘイビア」インスペクタで、手動で調整済みのトラックのトラック行にポインタを合わせてから、「表示」をクリックします。
そのトラックの追加のパラメータコントロールが表示されます。
「失敗時の動作」ポップアップメニューをクリックし、「既存キーフレームを使用」を選択します。
Aキーをもう一度押して、キーフレームの記録をオフにします。
クリップの先頭フレームに移動し、「ビヘイビア」インスペクタでビヘイビアの「解析」ボタンをクリックします。
キーフレーム記録を有効にせずにモーショントラックを手動で作成する
Motionで、クリップに「モーショントラッキング」ビヘイビアを適用します。
キャンバスで、トラッキングしたい参照ポイントにトラックをドラッグします。
「オブジェクト」>「位置のキーフレームを追加」と選択します。
このコマンドは、「動きを解析」、「マッチムーブ」、「スタビライズ」(手動トラックを使用する場合)、「ポイントをトラック」、「トラック」の各ビヘイビアで使用できます。
注記:自動的にスタビライズされたフッテージに対して、キーフレームを作成することはできません。「領域をトラック」オプションを使用して自動スタビライズを調整するか、またはスタビライズされたフッテージをキーフレームに変換してください。「領域をトラック」パラメータについて詳しくは、Motionで振動の多いクリップをスタビライズするを参照してください。トラッキングデータをキーフレームに変換する方法について詳しくは、上のモーショントラックをキーフレームに変換するを参照してください。
キーフレームを設定したい次のフレームに移動します。
トラッキングが完了するまで、手順2〜4を繰り返します。
「ビヘイビア」インスペクタで、手動で調整済みのトラックのトラック行にポインタを合わせてから、「表示」をクリックします。
そのトラックの追加のパラメータコントロールが表示されます。
「失敗時の動作」ポップアップメニューをクリックし、「既存キーフレームを使用」を選択します。
クリップの先頭フレームに移動し、「ビヘイビア」インスペクタで「解析」ボタンをクリックします。
注記:「ビヘイビア」インスペクタにある「トラックのプレビュー」を使用して、キャンバスのトラックの位置を直すこともできます。
解析データを編集する
上記の解決策がどれも役に立たない場合は、「キーフレームエディタ」で解析データを確認し、問題のあるトラッキングポイントのデータを手動で調整または削除することができます。
注記:このテクニックは、キャンバスまたは「ビヘイビア」インスペクタで調整できるトラックにのみ使用できます。
Motionの「レイヤー」リストまたは「タイムライン」で、適用されたビヘイビアを選択します。
「キーフレームエディタ」で、信頼度パラメータ(たとえば、Track1.Confidence)の値が非常に低くなっているフレームのパラメータカーブを確認します。「信頼度」のカーブ値が低いフレームでいつもと違うスパイクが確認された場合は、手順3に進みます。
「オブジェクト」>「キーフレームに変換」と選択します(またはCommand+Kキーを押します)。
変換を確認するダイアログが表示されます。
「確認」をクリックします。
ビヘイビアが編集可能なキーフレームに変換され、トラッキングビヘイビアが削除されます。
「レイヤー」リストまたは「タイムライン」で、クリップを選択します。
「キーフレームエディタ」で、「信頼度」の値が低くなっているポイントを変更または削除します。
Motionの「キーフレームエディタ」でキーフレームを追加する/削除するまたはMotionの「キーフレームエディタ」でキーフレームを変更するを参照してください。